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ダンジョンで遊ぼう!! ~VRゲームの世界ですが、冒険者にいきなり襲われるのは嫌なので楽しくダンジョンを作りたいと思います~  作者: 愛原ひかな
第5章 北の魔王

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北の大陸を目指して出港する


 西の魔王だったフウリンが役を失ってから、早くも二日が経過した。

 大きな船に乗り込んだ私たちがこれから向かうのは、北の大陸である。


「ピリコさん、本当に行くのですか?」


 船のデッキから赤い海を眺めているピリコに対して、小声で話しかけてみた。


「ワタシは単にケジメをつけにいくだけだナッ!」

「ピリコさんのけじめね……」


 現状、模索する必要はないのだけど、ピリコ自身は決着をつけないといけない何かと戦うつもりなのだろう。

 できる限りのサポートをしていくことしか頭になかった私は、船が動き始めるまで静かに待った。


「それじゃあ、出港するか!」


 ヴァルハリーザの大きな声と共に、船が動き始める。


 結局、西の大陸は大して見て回ることが出来なかった。

 特にここ数時間だ。ピリコのため息を何度も見てしまうと、どうしても心配してしまう。


 このゲームにログインしない期間を設けるのも手だと言いかけたが、あくまでもピリコ自身の強い意志によってログインしていることに間違いなかった。


「ピリコ、ひとついいか」

「ヴァルハリーザ、なんだナッ?」

「本当に北の大陸へ上陸するのか?」

「当然だナッ。ただ、ヴァルハリーザには……」


 ピリコはすっかり黙り込んでしまった。

 これにはヴァルハリーザも気を使ったのか、ピリコに対して背を向けた。


「アイツはしばらく放っておくか。次なる戦いに備えて準備をするしかないのだが……」

「な、なによ。何か文句でもあるのですか!」

「フウリンと言ったよな。何故、オレの船に乗り込んているのだ?」

「あたくしは自分の意思で、ついて行くと決めたんです!」


「そうか。それならもうオレたちの仲間ってことだな」

「そ、そうよ。だから、よろしく……おねがいしみゃす……」


 噛んだ。フウリンは顔をとても赤くする。


「なんでもないです! 北の大陸とやらが見えてくるまでひとりでくつろいでおきますわよ!」

「それは駄目だ。今から少しばかり情報共有したいことがあってだ」

「内容によるけど、つまらないものだったら後にしてもらえる?」


 意地を張るフウリンは、一応だけど耳を貸すようだ。


 私もはっきりと聞いておきたいかも。

 堕天使の翼を広げて、短い距離をひとっ飛び。


「うおっ……なんだ、堕天使ルトラか。どうした?」

「そのお話、私も聞いておこうかなって」

「ふん。好きにしろ」


 ヴァルハリーザは両腕を組む。


「それでだ。情報共有したいというのは、このベータテスト版のゲームクリア条件だ」

「ゲームのクリア条件……?」

「その反応を見てる限り、フウリンはまだ見てないようだな。これを見ろ」


 ヴァルハリーザは、お知らせ画面を見るように促した。


 ベータテスト版にゲームクリア条件が設定されていることは、エルトリディスから聞いたけど、誰でもちゃんと開示されていたとは……不意を突かれた上に愕然とする。


 いや、違う。このお知らせが入ったのは昨日だ。

 何らかの要因で、ゲームクリアへの進行が一歩進んだってことかもしれない。


 心当たりがあるのは、私の堕天モードというスキルの獲得。

 若しくは、ニケが意図的に告知を流したか。

 それ以外に考えられなかった。


お陰様で第五章スタート!!

お読みいただき、ありがとうございます!

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