表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

128/165

堕天しちゃいました


 それにしても、リスポーンの待機中はとても不思議な気分になりそうだ。

 真っ暗な場所に、シクスオのデモムービーが流れているモニターが目の前にあった。


 復活までのカウントもある。


 十五秒程度から始まったので、もう間もなくシクスオの世界に戻ることが出来る。


 五、四、三、二、いち……。

 カウントが終わると、眩い光が空間を包み込む。


「うっ……えっと……」


 気がつくと、私は神殿のような見知らぬ場所にいた。


「おい。キサマ、何者だ?」


 目の前にいた白髪交じりの青髪男性が、いきなり話しかけてきた。

 その青年はゆらゆら揺れる黒いマントを身に着けており、顔が逆三角形みたいだった。


「えっと、自己紹介ですね。私はパルトラです。……貴方は誰でしょうか?」

「ハハ、よくぞ聞いてくれた。オレの名はヴァルハリーザだ。ここ、魔界ニブルワールを統括する新魔王様であるぞ!」

「ヴァルハリーザさん、ですね。ニブルワールってどこなの?」

「魔界ニブルワールは、天界と遂になる広大なダンジョンである。一応だが、運営の者によると未開拓な新ダンジョンだそうだ」

「未開拓な新ダンジョン……?」


 紫色の外装だけど、神殿っぽいダンジョンというのなら、私の天翔る銀河の(アンドロメダ)創造天使(クリエイト)で全貌を確認することくらいは出来るはず。


 左手を広げてみたものの、何故か言葉が止まった。


 手の部分から違和感があった。

 具体的な部分で言うと、左手の人差し指。


 私の手では外せない、赤い指輪が付いている部分だ。


 スキルを発動出来そう?


 それはわからない。

 念の為、ステータスを先に確認してみた。


「これは……」


 私の固有スキルが、画面上からなくなっていた。


 代わりにあったのは『堕天』というスキルのみだった。

 その堕天というスキルの効果は、不明になっている。


「キサマ、どうした?」

「私、どうしちゃったのでしょうか」

「それはオレにも分からない。ただ分かるとしたら、新魔王になったオレの最初の仲間に相応しいということくらいだ!」

「えっと、よろしく……お願いします……」

「こちらこそよろしくだ。……ところで、キサマはいつまで座っているのだ?」

「あっ、えっと」


 リスポーンした後からまだ一歩も動いていない私は、三角座りを無意識にしていた。


 ひとまず、試さないといけない。

 私が白い天使の羽を出せるかどうかを。


「羽が生えてきた。これはまた立派な赤い翼なことだ」

「赤い翼、ですか?」

「ふっ、そうだ。その赤い翼に赤い瞳、何なら髪の一部だって」

「えっ、えええっ!」


 慌てて自分の格好を確かめる。


 ヴァルハリーザの言う通り、全体的に赤色に染まっていた。

 特に変わったのは、悪魔のような赤い翼になっていたことだ。


 これってつまり……。

 堕天使パルトラの誕生。



 私、堕天しちゃいました。



 さて、これからどうしようか。



 固有スキルが使えないから、現状ではやはり……。


 私は立ち上がると、ヴァルハリーザの両手を取り囲む。


「この後は、貴方について行けば良いのですかね?」

「ふっ、本当にオレについてくるつもりなら歓迎はするが……怖くないのか?」


「堕天してしまった以上……構いません」


「そうか、わかった。ではオレの拠点へ案内しようではないか」


 ヒラリとマントを揺らすと、いつの間にか私に背中を見せていた。


 暫しの間、ヴァルハリーザと行動を共にする。

 これが最適解だと思わざる得なかった。


お陰様で第五章スタート!!

お読みいただき、ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ