第1話: 鏡の発見
第1話: 鏡の発見
東京の賑やかな街中に住む若いジャーナリスト、美咲は、日々の喧騒とストレスから解放されるために、休日にはアンティークショップ巡りを楽しむことを習慣にしていた。アンティークの美しさや歴史に触れることで、彼女は心の安らぎを得ていたのだ。ある日、彼女はいつものようにネットサーフィンをしていると、メルカリで一つの不思議な鏡に目が留まった。
その鏡は、他のどのアイテムよりも美咲の心を強く引きつけた。美しいフレームに囲まれ、古風なデザインが施されたその鏡は、まるで異世界から来たかのような雰囲気を醸し出していた。出品者の説明には「この鏡には秘密がある」とだけ書かれていた。その一言が、美咲の好奇心を一気に掻き立てた。
「秘密がある鏡…?」美咲はその言葉に心を奪われ、すぐに購入を決意した。彼女はアンティークの魅力に取り憑かれており、特に「秘密」や「謎」に関するものには目がない。鏡の価格は決して安いものではなかったが、その魅力には抗えなかった。
数日後、待ちに待った鏡が美咲の元に届いた。箱を開けると、そこには期待以上の美しさが待っていた。フレームには細かい彫刻が施されており、古代の神話や伝説を思わせるようなデザインが施されていた。鏡の表面は滑らかで、まるで時間を超越したかのような輝きを放っていた。
美咲はその美しい姿に感動し、すぐに鏡を自分の部屋に飾った。彼女は鏡の前に立ち、自分の姿を映してみた。鏡に映る自分の姿は、まるで別人のように美しく見えた。美咲はその鏡に魅了され、しばらくの間、ただその美しさを楽しんでいた。
しかし、その夜、何気なく鏡を斜めに見た瞬間、彼女は驚くべき光景を目にすることになる。美咲はベッドに横たわりながら、ふと鏡を斜めに見た。その瞬間、鏡の中に映る風景が一変した。見知らぬ町並みと、不思議な生物が映し出されていたのだ。
「これは一体…?」美咲は目をこすり、再び鏡を見た。だが、その異様な風景は消えることなく、鏡の中に存在し続けていた。美咲はその光景に心を奪われ、鏡の中に映る町並みをじっと見つめた。そこには、現実では見たことのない建物や風景が広がっていた。
彼女はその風景に引き込まれるような感覚を覚えた。まるで、鏡の中の世界が彼女を呼び寄せているかのようだった。美咲はその夜、鏡の前に座り続け、鏡の中の世界を観察し続けた。時折、奇妙な生物が通り過ぎるのを目撃し、その度に胸が高鳴った。
翌日、美咲は仕事に行く準備をしながらも、鏡の中の世界が頭から離れなかった。彼女はその秘密を解明するために、再び鏡を調べることを決意した。仕事から帰宅すると、彼女はすぐに鏡の前に座り、再び斜めに鏡を見た。やはり、鏡の中には異世界が広がっていた。
美咲はその光景をカメラに収めることを試みたが、何度撮影しても、写真には普通の鏡が映るだけだった。彼女はその現象にますます興味を抱き、鏡の出品者に連絡を取ることにした。出品者の名前は田中という老人で、彼は「その鏡は次元の境界を越えるものだ」と語った。
「次元の境界を越える…?」美咲はその言葉に驚きと興奮を覚えた。田中老人はさらに、「鏡の中の世界は現実とリンクしており、その影響は現実世界にも及ぶ」と警告した。美咲はその言葉に衝撃を受け、鏡の中の世界についてさらに調べることを決意した。
田中老人は、美咲に鏡の歴史とその力について詳しく説明した。鏡は古代の儀式で使われていたもので、次元の境界を越える力を持っているという。美咲はその話を聞き、鏡の中の世界で起こる事件が現実世界にも影響を与えることを知り、ますますその世界に興味を持つようになった。
美咲はその夜も鏡の前に座り、鏡の中の世界を観察し続けた。彼女はその世界の秘密を解明するために、何度も鏡を斜めに見ては、その異様な風景に心を奪われた。美咲の冒険は、まだ始まったばかりだった。