ケモノ耳の可愛い君へ
僕が君を呼んだ時、君は頭に付いた耳をヒクヒクと動かして僕の話を聞いてくれるね。
僕が君に初めて会ったのは山の畑だよね。
君はあの人里に囲まれた山にもう10年は暮らしていたんだよね。最も早く気づいてあげたかった。
君の両親は隣町の農民に恐れられて狩られてしまったんだよね。怖かったろうに。
初めて出会った時、すぐに山の奥に逃げたね。君は大きな耳が付いていたから人では無いと思ったけどそれ以上に体が痩せていたから僕は君が食べれそうな物を探して持って行ったよね。
ニンジン、ジャガイモ、牛乳、鶏肉、牛肉を持って行ったらジャガイモと牛肉と牛乳を取って行ったね。
『あの時はありがとう』
次の日僕は、シチューを作って持って行ったよね。
鍋満杯のシチューが次の日行くと飲み切られていたからビックリしたよ。
『おいしかったよ』
いつもより一段と寒くなった日、山の斜面が凍てついて僕が滑り落ちそうになった時、君が木からものすごい勢いで飛び出してきて、華奢な腕で僕の手を掴んで助けてくれたね。
僕が安堵のため息を吐くと君は良かったと喋ったね。
君が喋れる事にビックリしたよ。
そこから僕はまた逃げられてはと思い君の手を掴み返した。
君は、人に捕まえられのが怖かったのかと思って泣き出したね。僕は泣かなくて良いよと君を抱きしめるともっと泣いてしまって怖がらせたのかと思ったよ。
暫くして君が落ち着いて話せる様になって僕が家に君を誘ったね。
君は、水道もガスも電気も知らなかったね。
蛇口を捻れば水が出るのにビックリして、ボタンを押せば明るくなるのにビックリして、ガスを使えばすぐに火が付いたのにもビックリしたね。
特に火に慣れるには随分と時間がかかったね。
僕が君にビックリする事も多くあったよ、可愛らしい耳が生えてて、八重歯も可愛くて、満月になると爪が伸びる事にもビックリしたよ。
君と一緒に畑仕事をしたね。春夏秋冬をもう何回繰り返しただろう。お金の使い方も学んだね。フードを被れば君は街を歩いてもただの可愛い少女としか思われないよ。
もう一人で生きていけるね。
君は人狼で僕は人間
人狼は長寿なんだね
僕はもうそろそろだから、、、
こんなにも長い手紙を書くのも照れ臭いけど
(涙が数滴手紙に落ちる)
僕はずっと君が好きだよ、君が生きれるだけ精一杯生きてね
ケモノ耳の可愛い君へ
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