3話 戦略会議2
長い木の棒で地図を指しながら
まずは王都に住む建築業者を先頭に平民以下の青年全員で王都城壁の高さを上げ、分厚く頑丈にしていきましょう。
資材の調達での資金不足は全て国が借金でまかないます。
平民に城壁の強化を4時間おきの交代制で昼夜進めると同時に
緊急時の中規模食料補給所と休憩所を東と西と北に一か所づつ南に3か所建設させ、常時食料の配布を可能にするよう進言する。
その際、体力が消耗して死人を出さないようにしてください。
これが一番の要なので今すぐ早急に進めるようお願いします。
王都領主エメスト3世が「すべて受けたまわりました」と城下の物数名連れて走って部屋から出て行った。
騎士団隊長エメット・カイサルが
正面からくるスタンピードが多分一番厳しいだろう。数千の魔物が固まって恐れず大群で突っ込んでくる、どう対処しますか?
地図に棒でコマを並べる。
「弓で進行を抑えられるますかね」
騎士団隊長エメット・カイサル「弓矢部隊の規模はもう小さいので無理かと」
「そうなると遠距離攻撃は魔法か・・・
いや、この城からの魔法攻撃や近接の突撃でも、数千の魔物の軍勢は全く止まらないだろう
踏ん張って止めてもかなり消耗する
突っ込んでくる奴には大規模な罠を仕掛けるか・・・」
この国にはどんな罠があるのだろうと聞くと賢者デキンズが
騎士団直轄のケイコウ騎士団の法長リナリスに問う、罠は全て小規模にて使い物になりません。
しかも仕掛けが複雑で在庫も少なく量産も不可能です。
賢者デキンズ「んーーーー」
「では、今から正面に大規模な落とし穴を掘りましょう。」
一同、おおーーーwww
「魔物の死骸は数千、万ともなれば10メートルの城壁も死骸の上から乗り越えてくるだろう。
城壁の前の死骸の数を減らすのも先決だな。」
ギルド長ファンガス、台帳をめくりながら
「穴は土属性の魔術師にやってもらうとゴーレムを利用して難なく掘ることが出来るぜ、
現在この国に10人、よそ者35人ほど土属性持ちの冒険者が登録しているからすぐにでも」
地図を棒で刺しながら王都正面500メートルあたりの場所に深さ10メートル幅25メートル横の長さ1キロ以上
どうでしょう、掘れますか?と聞くと
ギルド長ファンガス「マナポーションが調達できればゴーレムに掘らせて2日で完成だ!」
では掘り出した土は王都反対側に手前を高く奥に向かってなだらかな勾配をつけて盛ってください。
遠くから見たとき穴が見えない感じまで盛ってもらえないでしょうか」
ギルド長ファンガス「了解だ!冒険者ギルドにほとんどの冒険者が今詰めている、
すぐに伝達しよう。」ギルド職員二人が部屋から駆け出していく。
「ところでスタンピードとはどれくらいの数の魔物が攻めてきますか?」
騎士団隊長エメット・カイサル
「一つの場所から約1000、洞窟と塔4つで4000、砦から3000
そしてムーストン砦を落としたカエサル・ニュート城と腐敗の森、その奥からのスタンピードの流入が激しいので
軽く1万以上の軍勢が24時間おきに攻めて来ると予想します。」
凄い数だな!
そうすると10メートルの穴など魔物の死骸1000、2000で埋まる可能性高いか・・・・
「この国に転移やテレポートなどの魔法はありますか?
魔法騎士団団長シェザナ・ルー「たしか魔法陣に触れると自動に転送という魔法があり、設置制限は無いと思います。
この国で転送魔法を使えるお方は・・・
北の魔女姉のシレーヌがうなずく
魔法騎士団団長シェザナ・ルー「3人おります。賢者デキンズ様、北の魔女シレーヌ様とシャルノーンです。
他国からやってきたものも数名いるかと・・・」
ギルド長ファンガス、台帳をめくりながら「他国からの転移持ち冒険者も把握しているのですぐに招集しよう。」
すると
超Z級魔術犯罪者シャルノーン「ちょっとまってくれ、私についた犯罪者の称号と、この先全ギルド手配書の破棄を約束しないと手伝えないね」
ギルド長ファンガス「な、なんだと・・・」
超Z級魔術犯罪者シャルノーン「都合のいいこと言ってんじゃねーよ、親兄弟、爺やも婆やも殺されて親戚一同全員殺された、仕返ししたら犯罪者って馬鹿にしてんのか!!」
バンバンバン!!机を何度も両手で叩きながら言い放った!!!
騎士団隊長エメット・カイサル「おまえは、トリスタン帝国、国ごと潰したじゃねーか」
超Z級魔術犯罪者シャルノーン「かんけいねーーーだろ!!」バンバン!!
キッシンジャー将軍「勇者殿どうするよ?」
「俺が決めていいなら、シャルノーンについた汚名はこの場ですべて破棄、それでいいかな」
超Z級魔術犯罪者シャルノーン「その証拠は!」
賢者デキンズ「わしと将軍、騎士団隊長とで契約を結びましょうぞ。」
超Z級魔術犯罪者シャルノーン「わ、わかった・・・」
賢者デキンズ「よろしいかなギルド長ファンガス」
ギルド長ファンガス「はい、了解いたしました」
賢者デキンズ「ふむふむ、してどうするのじゃ?テル様」
「穴の底側面にその転移陣を一定間隔で張ってもらいます
その転移先の出口はネイメル川の底です。」
賢者デキンズ「川には転移陣を描いた大きめの石でも投げとけばよいか、なるほどの~~」
「これは魔女姉妹のシレーヌさんに指揮してもらいます。」
魔女姉妹シレーヌ「わかりました。」
「それから物の重さを軽くしたり重たくしたりできる魔法はありますか?」
魔法騎士団団長、シェザナ・ルー「空間そのものは無理ですがその物質に伴った変化、水でしたら水属性、土でしたら土属性になります。」
「転移陣の石を投げた周りの水を、転移した魔物がすくに浮かんでこないように
水を少し軽くする仕掛けをしてもらいたいですけど、どうでしょう。
・・・・・・
いや。ちょっと待ってください
逆か!?
魔物数千体も次々に出現すると魔物の山が出現、重く引っかかって流れず溜っていくむしろ水を重くするか、水の勢いをつけ土石流のように流したほうが確実か。
軽くはしないで逆に水を重たく粘り気のある感じにできる設置物はありますか?
魔法騎士団団長、シェザナ・ルー「そのような仕掛けでしたら半日で完成します。」
それではお願います。
魔法騎士団員が1人走って外に出て行った。
おおーーー
一同どよめく。
騎士団隊長エメット・カイサル「次に重要なのがドラゴン対策だ
空を自由に素早く飛び回り巨大な火炎ブレスを吐きまくる。
数匹現れれば大都市でも、1時間もあればで焼け野原になる。
やはり対抗できるとなると魔法という存在なくしては対抗できない。」
騎士団隊長の横に座っている魔法騎士団団長シェザナ・ルーに、魔法のことを簡単に説明してくれませんかというと
「魔法には属性があり大きく分けて6属性
火、水、風、土、光、闇に分かれ、それぞれ属性に適した人物が操ることができ
熟練度によってスキルを開眼することが出来ます。
おおよそ一般冒険者でスキルランクは3
Sランク冒険者でスキルランクはだいたい5,6
北の魔女姉妹が風の7
魔法騎士団私が火の6
シャルノーンが水の7
神聖教会 エストラル教皇様は光の6
光と闇属性につきましては、魔法を操るとかではなく精神的な物で魔術ではありません。
「ドラゴンに弱点とかありますか?」
魔法騎士団団長シェザナ・ルー「ドラゴンの皮膚は固いうろこに覆われ物理攻撃はほぼ効きません。
SS冒険者の戦斧イージスでさえも、ちょっとした傷程度らしいです。」
体と同じ大きさの戦斧イージスを背中に背負ったマッチョな伝説のSS冒険者イシス、きょろきょろしてスミマセンみたいにうなずく
魔法騎士団団長シェザナ・ルー「魔法攻撃はほぼすべてが有効で、ドラゴン討伐の際は魔法騎士団全軍および、冒険者魔術師に討伐命令を発令いたします。
ドラゴン一匹に対して魔術師20人程度は必要になります。」
それはちょっとドラゴン凄いな・・・・
数匹攻めて来ただけでアウトか・・・・
「城に近づけない工夫をしないとだめだな。」
魔法騎士団団長シェザナ・ルー、「それではドラゴン討伐に向かいますか?」
北の魔女妹カイレーヌ「ゼスリア山のドラゴンは親子合わせて5匹います。
魔族側に寝返ったのでその倍はすでに待機している可能性が高く
今、討伐に向かえばほぼ全滅いたします。
確か、北の大聖堂の屋根裏に今は使われなくなっている装置があると思います。
人間がドラゴンを使役するようになって
その装置は完全に止められたと文献にあったかと。」
賢者デキンズ「それは、ドラゴンバスターかの~?」
魔女妹カイレーヌ「たしか雷を主体とした広範囲雷神装置だったと記憶してますが。」
「ではカイレーヌさん、修復できる方を連れて
ドラゴンバスターの再構築をお願いできますか?」
神聖教会 エストラル教皇「ドラゴンバスターと呼ばれる力の源はこの国地下深く
人の立ち入りを禁止している封印の泉、精霊シルフィード様のお力をお借りして初めて動きます。
シルフィード様の裁きのイカズチを神殿上部のミスリル水晶に投影して発動いたします。」
ざわざわざわ 一同どよめく
北の魔女妹カイレーヌ「精霊様がこの地にいらっしゃるのですか。」
エストラル教皇「はい、人間が誕生する以前からこの地にいらっしゃいました。
人間がドラゴンを使役して残虐の限りを尽くした時から人間との繋がりは途絶えました。」
賢者デキンズ「な、なんという」
キッシンジャー将軍「人類最後の土地がこの場所というのは、そういうことだったのか」
「エストラル教皇様、精霊シルフィード様との交渉を依頼してみてもよろしいでしょうか?」
エストラル教皇「はい。時が来たら話してみましょう」