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決着~宴

 俺が顕現させた【天国の大扉(ヘブンズ・ドア)】がひらかれ、聖王国に直撃するはずだった魔王城は、扉の奥へと吸い込まれていった。

 

 すぐに扉は固く閉じられ、その姿形を光の塵と変えて消える。

 

 デビルの残党も、魔王城が消えたことで消滅したようだ。

 

 辺りがしんと静まりかえった。

 

 そして。

 

 

「「「「「うおおおおおおおおおおお──ッ!!!!!」」」」」

 

 

 大歓声が弾けた。

 

「生きてる! 生きてるぞ俺たち!」

「よかったー! 本当によかったよおぉぉ!」


 冒険者や騎士たちの歓喜の声。


 負傷した人たちは、聖王国の治癒魔法士に回復魔法をかけてもらっていた。


 倒れたリコはセバス殿が、ルナティックは彼女に店を潰された店長がそれぞれ介抱している。


 ……よかった。


 俺、みんなを守れたんだ。


 じんわりとなにかが込み上げてくる。


 もちろん俺だけの力で守れたとは思っていないが、みんなの力の中に俺もちゃんと加われたんじゃないだろうか。


 外れスキルを引いて、信頼していた父上から追放されて。


 失っていた自信を、ほんの少しだけ取り戻せた気がした。


「レド様バンザーイ!」

 

「えっ、あの、ちょっと!」

 

「「「「「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」」」」」

 

 抵抗するヒマもなく、気づけば俺は胴上げされていた。

 

「ちょ、これは俺だけじゃなく、みんなで力を合わせたからできたことで!」

 

「なに殊勝なこと言ってるんですか! レド様は俺ら聖王国のヒーローですよ!」

「謙虚なところも素敵です! 付き合ってください!」

「今度ぜひ我が聖王騎士団を鍛えていただければ!」

 

 

 その後、しばらくは俺がなにを言っても、彼らの熱狂は収まらなかった。

 

 

 

     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 そして夜を迎え、聖王国では宴が行われていた。

 

 国の中央にある酒場はもちろん、広場までもがその舞台となっており、聖魔法によって明るくライトアップされている。

 

 ちなみに、胴上げされたときは解除し忘れていた【メイクアップ】はしていない。

 いまの俺は“レド”である。

 

 俺たちのいる酒場は大いに盛り上がり、魔王ルナティックが度数の高い酒を浴びるように飲んでは、周りの騎士や冒険者たちに賞賛されていた。

 

「やったなレド! オレたちこの国で超活躍しちまったぜ! これはもう性王国の素敵な彼女をつくるしかないよなぁ!」

 

 ジョッキを持ったウェイが、超ハイテンションで腕を俺の肩に回してくる。

 話を聞くのはいいけど離れてほしい。

 

「なぁって言われても……そういやお前、俺に弾かれたときに治療されてた女の人と良い感じだったよな」

 

「それなんだけどよ……」

 

 露骨に表情を曇らせ、ため息をつくウェイ。

 

「ウェイ・サークルは足フェチの変態だと友達に聞いたって言われて……なぁ、どう思うよレド! 足フェチのどこが変態なんだ! オレに教えてくれ!」

 

「女性の情報網すごいな。お前の悪名どれだけ広まってるんだよ」

 

 しかし、ウェイの足フェチなんてエルゼやグレイ陛下に比べたら全然マトモな部類に思えるんだけどな。比べる対象がよろしくない気もするけど。

 

 いや、そもそも国王のドMに寛容な国民の感性と、俺の感性を一緒にしないほうがいいのかもしれない。

 

「……まぁ、その、なんだ。いろいろ諦めたほうがラクかもしれないぞ」

 

「お前まで足フェチを変態呼ばわりするのか!」

 

「そこまでは言わないけど、俺は別に足フェチじゃないし──」

 

 

 ──ふと酒場のテラスに目をやると、リコが一人夜空を眺めていた。

 

 

「あーはいはい、お前には姫殿下がいるもんな羨ましいよ」

「俺とリコは別にそういう関係じゃ」


「オレなんかに構ってるヒマがあるなら、さっさと姫殿下のところにいってこい。……大切なものを見落とすと、一生後悔するぞ」

 

 いやお前から絡んできただろ。

 

 とツッコみたいところだったが、いつになくウェイの真剣な表情を見て、俺は素直にリコの元へ行くことにした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 性王国の素敵な彼女 これは誤字かあえてか・・・
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