俺様系 アドルフとの出会い
短くてすみません。
宜しくお願い致します。
「私、エメリーヌと申します。」
「……おう。」
「私、エメリーヌと申します!」
「……?わかった。」
「私、エメリーヌと申しますが…。何か言いたいことはありませんか?」
「……。」
もう、こっちから聞いちゃだめなら、ごり押しで名乗らせる。あたしが名乗り続ければ、あっちも名乗ってくれるかもしれない。と思っていたけど……4回目には、無視されてしまったのですが。もう一回言ったほうがいいのかしら?最後、名乗れやっていう気持ちがあふれてしまって、「何か言いたいことはありませんか?」って聞いたんだけど。無意味だったかしら?
「あ……。」
もう一度言ってみようかしらなんて思っていたら、睨みつけられてしまった。ここは黙っておいたほうがいいかもしれない。何事もなかったかのように前を向いて式にシュウチュウしよう。
彼の中で、ちょっとかわいそうな庶民から、頭のおかしい庶民に格下げになったかもしれない。
こういう時、勉強にしか興味のなかったエメリーヌが恨めしい。あの努力にかける情熱がコミュニケーション能力にも向いていれば、こんな対応にはならなかったのに。……えっ?前世はどうしたって?いやー自慢じゃないんですけどね。家族と親友に恵まれまして……黙ってても勝手に話をすすめてくれるんですよ。こんなんじゃダメだなって思うんですけどね。ほら、私死んじゃってますからね。しょうがないですよね、過去は、過去。今を私たちは生きている!
そういや、彼みたいにすごく服を着崩している俺様キャラが「さくメモ」のゲームにもいたわね。名前が……なんだっけ。ア……アト、アド、4文字だった気がする。ア……
「アドルフ。」
そう、アドルフよ!
こじらせ系俺様キャラ。見るからに問題児感ある彼だが、幼少期からこんな自分勝手な感じであったわけじゃない。
今じゃ想像もつかないけど、優秀な魔術師の家系に生まれたことを驕らず、努力し続けたことで、世間から「次世代も安泰だ」そう思わせていた。だけど、天賦の才を持った弟が生まれてから、「頑張っているけど、本物の才を持った弟には敵わない。後継ぎは、弟にするべきでは?」そう言われるようになってしまう。そこからは、皆さんが思っている通り、グレまくって、家族も自分自身も手の付けられない悪ガキになっちゃって。
そして、ヒロインに出会って……まぁ、アレよね。色々あって、いい感じになっていくのよ。そこは、おいおいね(うろ覚え)。
それより、エメリーヌとしての知識を使わず、よく名前を思い出せた!ゲームだけは唯一やる気を出しただけあるわ!あたしもやればできる!
なわけなく。……うん。どう見ても、隣の彼から聞こえたのよね。彼が、アドルフか。現実に見ると、人見知りと言う名のコミュ障には、刺激が強すぎるけど、危険な香りもいい。やっぱ、かっこいいわぁ……。
ちらっ、ちらっ。ちらり。じーっ。
エメリーヌの無遠慮な視線が彼、アドルフに刺さる。貴族様への感謝の気持ちを先ほどまで持っていたとは思えない状況である。
『「さくメモ」のゲームで誰が推しですか?』って聞かれたら、もちろん「全員です!!」って元気よく答えられるんだけど。みんないいところがあるのよ!見た目だってもちろんいいんだけど。アドルフは……ね、特別なのよ。切れ長の目と黒に近い紫色、夜が朝に変わっていく瞬間、太陽が光だけをこぼれさせている時間を現したかのような髪は、あたしの好み、直球ど真ん中の容姿をしている。みんな大好きなのは間違いないんだけど、容姿で1人だけを選ぶなら、グッズでだれか1人のしか買えないなら彼を選ぶ!
「何か言えっていうから、名乗ってやったんだ。それ相応の対応を期待してるぞ。」
眉間にしわを寄せながら、俺様系らしく上から目線で要求する。
おお……これがリアル俺様。
「はい、善処します。」
当たり前のことを改めて、上から言っただけで、なぜこんな「わがまま感」が出てしまうのだろうか。
アドルフは、見た目9割:中身1割の俺様だからね。(もはや、俺様ではない)あんまり、心配しなくても、1回お手伝いしただけで期待に応えられるはず。ゲームでもそんなシーンがあった気がする。まぁ……ヒロインがそんなので満足できるはずが無く、頑張ってた気はするけど。あたしは頑張らない予定。
アドルフに尚も熱い視線を送っていたが、
「新入生代表挨拶」
という司会の声で我に返った。
壇上には、話半分くらい集中を傾けていたので、気づくことができた。エメリーヌが努力する中で身に付けた0.01%単位で集中力を制御する技法である。意味分からないと思うけど、あたしもよく分かってないから安心して。どこに基準があるのよ!とかいろいろ突っ込みたいことはあると思うけど、とりあえず飲み込んで欲しい。1つ1つ説明してたらキリがない!
「はい!」
ここ最近、近所迷惑にならないように、近場の森に出かけて発声練習しただけあって、いい声が出た。我ながら、よく響く声が出たわ~。ついでに頭にも響く~。「はい」ばかり言いすぎて、怪しい魔獣でも住み着いたんじゃないかって噂が立つくらいは、頑張った。もはや、馬鹿なの?と恥ずかしさを通り越して呆れる。
右手と右足が一緒に出てしまうなんてことも無い。最近のれんしゅ…(以下略
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