女子校から転校してきた美少女が癖が抜けきれてなくて股を広げていたので「白パンみえてますよ?」と注意してみた結果
ことが始まったのは、夏休みが終わったばかりの始業式の日であった。
体育館で始業式を終えた次のホームルームの時間、担任教師が教卓で、話をしている。
俺、坂本佑は、前の席に座る親友の三門縁一と小声で話をしている。
「おい、今日から二学期だぞ。だるくね?」
そう言って机にダレる縁一。
「お前がだるいと思っているのは、二学期よりも夏休みの課題の方じゃないか?」
「は?なんだよ。アタリだよ。」
「奇遇だな。俺も困っている」
この夏休み。課題など手をつけなかったのだ。課題は白紙のままいたがっていた様だから。無理にシャーペンを走らせるのは、なんか心苦しかったのだ。
「なんだよ。写させてもらおうと思ってたのに……これじゃあ、終わりじゃん」
もう、絶望した様子で机に伏せる。
「よく言うよ。俺が課題をやって来ないなんて知ってただろ?俺はお前がやって来ないなんて知ってるから頼りにしてなかったぞ?」
「そこは頼りにしてくれよ。」
「課題を持ち帰ってないやつにどうやって期待しろと……?」
縁一は、課題を持って帰ってすらいなかった。しかも意図的に。課題を終わらせる気なんて夏休み前からさらさら無かったのだ。
俺が人のこと言えないが、もうここまでくると猛者だよな。
二人で課題のことを話しては落ち込んで、それを繰り返しているとなんか知らないが周りの生徒が騒ぎ始めた。
「なあ、なんだこれ?」
「さあ、話なんて聞いてもないからな。わかんね」
「そうだよな。聞いた俺がおかしかったな。」
二人で話していたから、縁一が先生の話を聞くなんてことできないのだ。縁一だから。
クラスメイトたちは、「え?え?どんな人だろう?」
「男子かな?女子かな?」と言っている。
もしかして、これは………
「縁一。俺、多分わかったぞ。」
「ああ、奇遇だな。俺もだ」
「「転校生」」
二人の声が重なった。まあ、そりゃそうだよな。これだけのお馴染みワードが出てくれば、察せてしまう。
で、いったい誰なんだろう。
転校生は珍しい。故に俺は興味津々だった。
「じゃあ、入ってもいいぞ」
サプライズ好きの先生は、転校生を廊下に待機させていた様子だった。転校初日に廊下待機なんて可哀想に。
本当なら迎え入れられるはずなのに、罪人みたいに廊下に立たされる状況。転校生のことを考えると少し同情した。
先生がそう言うと。一人の転校生が教室に入ってくる。
その転校生を見たクラスメイトからは歓声までとはいかないが、声が上がった。
何故かって?――美少女すぎたから。
「じゃあ、自己紹介頼むぞ」
「神原女子校から転校してきました。」
「え?神原ってあの女子校じゃん……」
と言う声が自己紹介の途中、聞こえた。
なるほど、転校生は女子校出身なのか……
「北橋千紗と申します。よろしくお願いします」
そう言って、転校生はお辞儀をした。その転校生に送られる拍手。クラスメイトは割れんばかりの拍手を彼女に送っていた。特に男子。
「うわ。転校生ヤバくね?」
「ん?ああ、ヤバイな。」
「あれ?反応薄っ……」
縁一はそんなことを言っているが、興奮してどうする。学園ラブコメでは、有るまいし興奮して猿みたいに、拍手を送ったところで、現実は何も変わらない。
悲しいだけの男になりたいか?
否だ。
だから、俺は普通を装っている――いや、装っていない。これがそのままの感情だった。
「じゃあ、席だけど……そうだな。一番後ろの佑の隣が空いてるな。そこにしてくれ。」
俺の隣の席は、誰も座っていなかった。もしかしたら……と思っていたが、やはりそうだったらしい。
転校生の沙希は先生の指示に頷いてこちらにくる。
ヤバイな。遠くでみても美少女だが、近くで見るともっと美少女だ。顔面偏差値が高くて怖い。
沙希は、無言で俺の隣の席の椅子を引いて座る。
挨拶は期待していなかったが、やはりしてくる様子はない。
まあ、俺なんかに挨拶するくらいならイケメンのところに擦り寄るよな。言うとただの偏見にしかならないが顔面偏差値が高い女は大抵メンクイである。
自分の顔がフツメンだと思っている俺はそう思う。
そういう風に思いながら横目で彼女を見ていると、彼女に動きがあった。ポニーテールで縛っていた髪をほどいて、ギブソンタックにし始めたではないか。
よく見てみると彼女の髪も、地毛というには茶色過ぎる。
まさかアレ系なのか?
思わず「マジかよ」と呟きそうになったが必死に堪えた。最初は、おとなしい系かな?と思ったが、初日から他の女子と同様ポニーテールを外すあたりかなりのやつかもしれない。
その後も沙希とは一言も喋ることなく、ホームルームの時間が終了した。
○
その休み時間、遠くの席に座ってる金崎颯斗が俺たちの席にやってきた。
こいつは中学からの親友で、ムカつくけど運動神経よくてイケメンだ。
「おいお前ら〜。まーた。先生の話聞いてなかったな?」
「当たり前だろ」
「右に同じく」
縁一がそう言うと俺も同調した。
先生の話なんてまじめに聞いたことがない。いつもボケーと魂の抜けたアルパカさんみたいにして聞くぐらいがちょうどいい。
「どうせ課題もやってないんだろ?」
「当たり前だろ?」
「右に同じく」
「はぁ……もっと真面目にならないとだぞ。」
「成績は悪くないんだから問題ないだろ?」
「右に同じく」
「ムカつくなそれ。」
縁一は、テスト学年3位で、颯斗が12位、俺が9位。縁一は完璧なる天才。颯斗は文武両道の化け物。俺は塾でめちゃくちゃ頑張っているためこの順位に君臨できている。
学校では何故かやる気が出ないのだ。
「なあー颯斗〜〜お願いごとがあるのぉ!」
縁一が気持ち悪いを通り越したような猫なで声で颯斗に頼みごとをしようとしている。
「いや、そんなキモく言われても困るんだけど」
「キモいじゃなくて可愛いって言って!」
「なんでだよ」
「くそっ!俺の可愛さでは効かないらしいな!たすくっ!出番だ!」
なんで俺なんだよ。そういう担当は全部縁一だろ?
そう心の中で毒づいたが、隣で縁一がとてもキラキラな瞳をこちらに向けてくる。女子高生なら萌える仕草かもしれないけど、やってる人間が最悪なんだよなぁ。
とか、思いながら俺は、縁一が言おうとしていたであろうお願いをする。
「おい、颯斗。課題写させてくれ。」
「ストレートに来たな……まあ、いいけど」
「え?なんで!?俺の可愛さではダメだったのに、なんでフツメンの佑が合格なんだよ!」
事実を並べるなんてひどいな。俺傷付くぞ。
「え?そうか?フツメン、羨ましいけどなぁ」
イケメンが言うともっとムカつくんだよな。
「はいはい、フツメンの話はいいから早く課題見せてくれ。一限のうちにやっとく。」
俺がそう言うと、颯斗が「マジか……」と驚く。
過去にバレてかなり怒られたのだ。けど、そんなの関係ない。バレなければいい話だから。
「じゃあ、おれもそうしよ」
「マジかよ。バレないようにしろよ?二重の意味で怒られるからな?」
そう言いながらも、颯斗は俺たちに課題を渡してくれた。
これでやっと、課題が出来る。休み時間が終わって、ふと隣の席を見ると、沙希は平然とした様子で、席に座っていた。
美少女だから集られて大変だと思っていたけど、案外そうではないらしい?
休み時間、彼女のことを見ていなかったし、そこら辺はよくわからないけど。
一限が始まった。
先生たちにバレないように課題を終わらせる。これは容易なことではない。けれど、俺たちだって課題を授業中にやるプロだ。
バレないように、机の引き出しの間でやっていると、
「うわ。プロがいる」
と隣から声がした。その方を見るとさっきの転校生、先の姿が、
えっと、なんと言ったらいいのかわからなかったから振り向くだけ振り向いて、何も言わずに再度課題を進めた。
その時間は、一教科終わらせることに成功した。
次の休み時間、俺は、縁一や颯斗と話しながら、片目だけ、沙希の方を見ていた。
彼女はクラスの人間に話しかけられるかと。
すると、二人組の女子が彼女に話し掛けた。
やはり、美少女は女子からもモテるらしい。悪びれることもなく盗み聞きしていると、沙希が妙にオドオドしている。次の男子たちが話しかけるときも。
もしかしてコミュ力割となし?
そう思いながら、片目で見ながら、盗み聞きをしていると、縁一が俺の腕をツンツンとして、俺を呼んだ。
「あ?どうした?」
「ちょっと耳かせ」
尋ねるとただ一言そういうので、彼の話を聞いてみた。
「おい、さっきからあの転校生ずっとみてるだろ?」
「まあ、少しな」
「お前もしっかり男子高生だな」
「は?どういう意味?」
「あの転校生、女子校だったろ?その癖が抜ききれてないのか、股をずっと開いてる。白パンが見えてるぞ」
そうなのか?と思い、見てみたらしっかりと白パンだった。
「ほんとだな。今気付いた」
「は?お前パンツ見てなかったのかよ」
「顔面しか見てなかった。」
「お前、ある意味変態だな。あの中途半端に見せてくるあたりエロすぎだろ。」
そう言われて再度見ると、確かに中途半端に見えるのだ。まあ、股を開いてガッツリ見えたらどんなスカートだよって感じだが……
「だから男子たちの視線もずっと下なんだな」
「そうだな。中途半端に見えたり隠れたり……これもう、一種のプレイだな」
俺たちが二人でコソコソと話していたため、痺れを切らした颯斗が割って入る。
「何をさっきから話してるんだ?」
「転校生のパンツのこと」
縁一は颯斗の耳元でそう言った。颯斗もそれを聞いて確認すると「マジかよ」と言う。単純に驚いているようだった。
「多分、男子たちも気付いてるけど、わざと言ってないんだぜ。女子も初対面で耳打ち……まあ、あれほどの美少女にパンツ見えてるよなんて言えないか」
縁一はコソコソそう言う。確かに初対面であの美少女に言うのは勇気いるな。仲良くなれたら言えるかもだけど………
「でも、流石にかわいそうじゃね?あれだとそのうち誘ってるとか言われてビッチ判定されるだろ」
俺がそう言うと、
「じゃあ、お前注意してみれば?」
と縁一がそう言う。確かにその通りだな。正直に言ってやればいいかもしれない。
休み時間が終わって、みんなが席に戻ろうとした時に、他人に聞こえないようにあまり大きな声で言わず、彼女に聞こえる声で注意してみた。
「あの……」
「は、はい?」
「思いっきり白パン見えてましたよ?」
現在進行形で股を開いている彼女にそう言った。向かい合っているため見えている。まだ夏でスカートも少し短くなっているので、股を広げたりしたらもう……
彼女は数秒後、ポカンとしていたのだが、次第にその言葉を理解したのがどんどん頰が紅くなる。
そして、
「ヘンタイっ!!!」
と大声で言ったのだ。クラスのみんなが、俺たちの方に振り向く。
いや、こっちは親切心でしかもあまり周りの人に聞こえないのように言ってやったのに、なんだこの反応は、ちょっとイラついたので、さらにこう言った。
「清楚になりましょうね?このままだとビッチですよ」
クラスの男子は事情を知っていた上に俺の性格も知っていてあちゃーとした様子。そう、俺にデリカシーとかいう言葉は存在しない。
一方で事情を知っている女子はドン引き。俺は男子とは仲よかったが、女子とは仲いいとは言えない関係だった。
事情を知っている女子が広めたら、クラス中の女子たちが俺を変態呼ばわりするだろう。
まあ、言われても構わないが。
大声をだして、自分が注目されたと気付いた彼女は無言で椅子に座った。
さて、世界一気まずい関係な人が隣にいるのに、授業が始まる。しかも次は英語である。
さて、どうするか…二人でする活動があったりしたら。
それだったら、少し面倒だな。
と思いながら俺は夏休みの課題を始めた。
○
昼休み。
英語の時間の内職がバレて放課後、職員室にお呼び出しがかかった、俺と縁一はどよんとしながら昼食を食べていた。
「あれは、お前らが悪いって……」
「いや、あのハゲが悪い」
縁一が英語担当の愚痴を吐く。
颯斗はそう言うが俺は縁一と同意見だ。解せぬ。あの、ソーラーパネルめ。
今度再生可能エネルギーの研究に使ってやる。
と毒を吐きながら、俺は昼飯を食べていると、
「それにしても、お前やったな……」
いつの間にか、俺の話題に転換していた。
『何が』とは今更言わない。やったと言ったらあれしかないのだから。
「は?親切心なんだが?」
「女子はドン引きしてたぞ?」
「男子が味方ならいい。なんで言ったんだ!拝ませろっていっぱい怒られたけど」
「このクラス、変態の宝庫だな」
それはそれでどうなんだと問いを投げかける颯斗。残念ながらこれは一生解決しない案件だろう。
「まあ、あの美少女は絶対にお前に懐くことはないな」
縁一が笑いながらそう言った。今、隣に沙希がいないため、好き放題言っているが案外チキンな縁一はいたら絶対言えないだろう。
「まあ、そうかもな」
俺も淡々とそう返した。
あまり気にはしていなかった。恩を仇で返す奴なんてどうでもいいと思っていたからだ。
○
放課後、職員室の英語担当の机にて軽いお説教。俺は下を向いてハゲ先生のいう言葉に「はい、すみません。再発防止に努めます」とどこぞの社畜が使いそうなワードをひたすら使って平謝りしていた。
そのおかげで俺は、反省文一枚で済んだのだが……
先生の話をボケェっと聞いていて、遠くの空を見上げていた縁一は、先生の頭に火を注いで、髪の毛を毛根から焦がしてしまったので、再度お説教。
俺だけ解放されて、自教室に戻ってきた。もう、ホームルームからかなり時間が経過していて、自分は結構いい時間、ハゲに捕まっていたのだと実感する。
次こそはもっとバレないようにしなければ……
そう思いながら、自分の机に向かうと、教室に一人ポツンと椅子に座っている人がいた。
北橋沙希。
今日、女子校から転校してきた女だった。
彼女は、俺を見ると、椅子から立ち上がりズカズカとこちらにやってきた。
そして、
「どーすんの!?あんたのせいで最悪な初日になったんだけど?」
と文句を言ってきた。
いや、そんなことを言われてもこちらは困る。だから俺は正直に言うしかない。
「こっちは、親切心でしかも小さく言ったんですよ?それを大声だして大ごとにしたのは、あなたでしょ?」
「だって、普通は男の子が女の子に言わないでしょ?恥じらいとかデリカシーはないの?」
「デリカシーなら今朝、駅前でデリカシーなくて困ってる人がいたので譲ってきました」
「そ、そうなんだ親切……じゃないじゃん!普通は渡せないし!!」
「心が通じてたからかもしれないですね」
「もう、そういう妄言はいいから。あんたが言ったお陰で女子たちが心配してたくさん声を掛けてくれた」
「よかったですね。打ち解けられて」
コミュ力低いけど行けたのか。俺のおかげだな。
でも、この感じ見てると低いようには見えないんだよな。もしかして、初対面がダメなタイプとか?
「よかったけど、よくなぁーい!ホントに最低!」
俺が色々考えている間も彼女の口は止まらない。
最低と言っているがアンタが言ったお陰と言っている時点で感謝されてるんだよな……
「もしかして、俺に言わせて女子たちが慰めてくるのを狙ってたとか?」
賢い女子には、そう言う手段も思いつくかもしれない。賢ければの話だけど。
「そんなこと考えているわけないでしょ?ばかなの?」
「そうですね。自分がバカでした。」
「なんか、すごく馬鹿にされた気がする」
「馬鹿になんてしてないですよ?バカだと思っただけです」
「おんなじじゃんそれ!」
と鋭いツッコミを入れてくるのだが、やはりこの性格だったか……
大人しくしてたのは、単に緊張していただけなのかもしれないな。
「だいたい、なんでパンツ見えてること言ったの?」
「そこに白パンがあったから」
「真面目に言え」
「可哀想だと思ったからですよ。このままじゃビッチ認定されると思っていたので」
「ふっ、ふーん。って!ビッチ認定!?なんでよ?」
やれやれ、彼女はやはり男女共学についてのマナーが全然わかっていないようだった。さては、小学校からずっとそうだったな。
「女子校は女子しかいませんから大股広げて白パン見せててもいいですけど、こっちではそうはいかないんですよ」
「夏は暑いから仕方ないんだし……女子校は、みんな気にせず開いてたから……つか、これ以上白パンゆーな。次言ったらキンタマ握って叩いて蹴るから。」
「やっぱりビッチか……」
俺は自分のアソコを押さえて彼女に視線を向ける。
「ち、違うからっ!!」
俺がやっぱりかぁ……という表情を見せると、彼女は慌てて否定する。
「男子はみんなアンタの白………下着を見て興奮してましたよ。」
実際、彼女の白パンは全部丸ごと見えていたわけではない。中途半端に見えるから男子たちは尚更興奮するんだ。
コイツ本当はわざとじゃねえの?
と思うほどに。
「あ、あんたは興奮した?」
彼女は頰を染め目をそらしながら、そう聞くが
「何言ってんですか?」
と敬語で言って見せたら慌てて、「わすれろっ!」を連呼する。なんなんだ。この女。
「俺は、アンタの白パ……下着をみても特に思うことはありませんでしたよ。あー、めっちゃ、見られてる。今晩のオカズにされるなー。とか……」
「こ、今晩のオカズ?」
彼女はキョトンとしている。
まさか、これは知らないのか?
「まあ、知らないなら、いいですけど。まとめるとビッチですね。」
「だから、ビッチじゃないってば!それに、私……しょ、処女だし……」
「ふーん。エッチじゃん。」
恥じらいながら、言う彼女がとてもエロかったので、そう言った。女子校だからそうだと思っていたし。別にエロいと思っただけでどうこうするつもりはない。
「だから、なんでエッチなの?全然エッチじゃないじゃん!」
そう言って彼女は一番近くの椅子を引いてどかっと座った。また彼女は股を開いていて、あれが見えている。
「ふーん。ビッチじゃん」
「だからなんでそうなるの!?」
「無意識で股広げてんなら、重症だよ。もうそっち路線で頑張った方がいい。女子からは嫌われるかもだけど……」
「なんで!?いやだ。せっかく仲良くなったのに、嫌われたくはない!どうすればいいの?」
彼女は動揺した様子で、立ち上がり俺のワイシャツを引っ張る。
「どうしろって言われても……癖を直すほかないんじゃないですか?」
「直すってどうやって?」
君は俺をなんだと思っているのかな?俺だってそんなことはわからない。だけど、彼女が本当に困っている顔をしていたので、、、
「清楚を目指す……」
自分でも気持ち悪くなるほど自信なさげに俺は口を開いた。
「清楚……なんで?」
「清楚はおしとやかで、礼儀正しいってイメージが強いからですかね?そういう女性を目指せば癖も治るんじゃないですか?」
「なるほど………」
彼女はしばらく考え込んだのち、
「ねえ、あんた協力してよ」
「は?なんで俺が……」
「だって、アンタが提案したことでしょ?」
「俺はそんな面倒ごとに付き合う気なんてさらさらないですね」
「あれ?そんなこと言っていいのかな?」
彼女は、まるで俺の弱みでも握っているかのような顔をして言う。
「どういう意味だよ」
不気味な顔に少々面倒な予感がして敬語を忘れた俺はそのまま尋ねる。
「セクハラ……」
「は?」
「あんたは、みんながいる前で、パンツ見えてるとか堂々とセクハラした。」
「あ、あれはだって親切心で……」
「さっきもたくさんセクハラした!」
「うっ……」
これを言われると言い返せない。ついつい口が滑ってしまい、自分でもセクハラしてたなと自覚している。
「これを先生に言ったらどうなるかな〜?」
そう言って俺の周りをぐるぐる回る彼女。
「成績よくて課題提出しなくてもそこそこの点数貰えてるらしいけど、これ言ったら流石に不味いんじゃないかなぁ〜」
なんなんだ。この女、急に頭が働き始めたぞ。バカだと思っていたのに、気付けば回避不可能な状況に俺が追い込まれていた。
「協力するだけでいいんだけど?」
「内容によるな」
「まだわからないけど、私がみんなから清楚なイメージを持たれるまで、色々してもらう。」
「だからその色々が気になるんだが?」
「まだ具体的な内容は決まってないけど、まず、私が股を開いていたら教えるからかな?癖はそうそう抜けないし」
「いちいちお前のパンツを確認するこっちの身にもなってくれ」
「な、なんでパンツを確認するの!?股開いているかだけでいいじゃん!」
彼女は紅くなりながらそう言う。
「いやぁ……同じかと思って……」
「お、同じじゃないし、バカっ!ヘンタイっ!」
恥じらうくらいなら言わなければいいのに。
そう思うほど、彼女の頰は紅かった。もう面倒になった俺は、スルーすることにする。
「悪いが俺だって、普通に学校を過ごさなければならない。気付いたら、何かしら合図するけど、気付けない場合だってあるからな」
こんなことを話してて、俺は何を言ってんだと自分の言動に恥ずかしくなった。
本当に今更だが、これ普通女子に頼まなね?
と思って言ってみたら「隣のあんたが適任」と返された。意味わからない。
ああ、こんな面倒ごとになるなら「白パンみえてますよ?」なんて言わなければよかったと親切心で言ったはずの俺は、何故か凄く後悔することになったのだった。
少し下ネタ多かったですかね?
思い付きで書いてみました。
作者のモチベのためにブクマ、評価、よろしくお願いします!