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序章 8 四神

……数ヵ月も間隔が空いてしまった。

うぅ、仕事辞めたい……。


おにいちゃん視点です。

 俺の視線はバッチリ見抜かれていた……。

女性は男の視線を見抜いてるって話しは本当なのだなぁ、……去年行った海でのさとみの水着姿を思い出すと、どうしても視線が胸に、ふとももに行くのだが、仕方ないよなぁ?


「ふんっ! 重い女め!」

「うぇ?」


何だ?

突然の声に俺達が振り向くと、あれ? 何もいない?

……いや、なんか下から聞こえてきたな、そう思い下を見ると、ラグビーボールがあった。


「嫌なとこ直して、少しでも嫌われないようにか! 馬鹿めが! そこまで男に依存せねば何も出来んとはな! 何が神の子だ、笑わせるな小娘!」

「ななな、何だとう!? この可愛いナリしたラグビーボールめぇ!」


……さとみとラグビーボール……もとい、猪の子供、うりぼうとの言い争いが始まったんだが?


「やかましいわ! この、パンツ丸出しの変態娘が!」

「ふわぁぎゃ!?」


あーあ、そっか、尻尾生えたからスカート捲り上がってるからなぁ。


「な、なな何で誰も教えてくんないのー!?」


さとみが涙目で俺達を睨んでくるが、お前さっき姿見で散々確認してただろうが。

と言うか、9本の尻尾できっちりガードしてるから見えやしない。

そう、【下から覗きこまない限り】な。


「大丈夫だよさとみちゃん、尻尾で見えないからね」

「ふぇ? そ、そう……良かったぁ、でも教えてよゆかりちゃん!」

「くははは! 己のミスを人のせいにするか、とんだ未熟者よな!」

「ぐぬぬーっ!」


俺は、うりぼうの首根っこを摘まんで持ち上げる。


「な、何をするかこの無礼者! もっと丁重に扱わんか!」

「随分態度のデカイうりぼうだな、お前、あんまり度が過ぎるようなら鍋にして喰うぞ?」


ちょっと、イラってしたので軽く脅してみる。


「ピギーッ!? 貴様! 鬼か悪魔か!? この愛くるしい我を食うだとぉ!

この、ロリコン拗らせた変態めが! えぇいっ! いい加減下ろせ下ろせ無礼者! 我を誰と心得るかーッ!?」

「……あぁ、いいだろう、下ろしてやるよ」


俺はそう言ってうりぼうを、ゆっくり下ろす……途中で。


「そうそう、良いこと教えてやろうな、口は災いの元って諺なんだが……」

「ぴっ!?」


うりぼうを仰向けにひっくり返して、両手足を素早く紐で縛り付けて自由を奪う。

そして、おもむろにヤツの腹を~。


「わしゃわしゃわしゃーッ!」

「ぷぎゃ~! や、止め! 止めるのだっ! 止めるのだっ! あっ! ぷぎゃぎゃーッ!?」

「くっくっく……このまま笑い殺して、牡丹鍋としゃれこむとしようか?」

「ぷぎゃっ!? 止めろ、止めろーっ!」


牡丹鍋、俺食った事ないんだよなぁ~、美味いのかねぇ?

あ、そんな事考えてたらヨダレ垂れそう、じゅるりと我慢。


「ヒィぃっ! 貴様、本気だな!? 本気で我を食う気だな!?」

「うりんぼ~早く謝った方がいいわよ~? お兄ちゃん怒らせると恐いんだからね~?」

「まぁ、いつも口だけ達者なアンタには良い薬なんじゃないかしら~?」


珠実さんとトラちゃんは自業自得と傍観の構え。


「お前はコレを期に反省すると良いんダゾにゃぁ、うりんぼ?」

「んだなぁ~お前(おめぇ)さんはちぃっとばっかし図に乗り過ぎだべぇ」

「……ふふっ、ざまあ見ろです」

「うーちゃん、本性出てるよ、まぁうりんぼはいつも悪い事ばっかり言ってるから、同情する気にもなれないんだよね~」

「嘆かわしい、うりんぼ……往生際が悪いですよ? 潔く腹を切りなさい」

「さとみさんを侮辱するとは……命知らずにも程があるようですね」

「神子に対する愚弄は許さぬ、死をもって購え」

「と言うか、大した力も無いのにどうしてそんな大口叩けるのか疑問なんすけど?」

「雉の言う通りで御座るな、怠け者のお主が説法等と、何様のつもりで御座る?」


干支ーずの評価も散々だな、おい?


「き、貴様等ーっ! 薄情だろう! これでも我、仲間ぞー!?」


手の中のうりぼうが喚く喚く、ちょっとやかましい。


「ふむ、その辺で勘弁してやってくれ、天狐の娘の伴侶よ」


うぉ! すげぇ渋い声が聞こえた!

俺はパッと手を止めて振り向く。


「相変わらず此処は狭い~、珠実ちゃん、拡張してよ?」

「うむ、おちおち立ち上がる事も出来ん」


馬鹿でっけぇ狼と白熊が俺達を見下ろしていた。

……なんだろう、ダンボール箱に丸まる猫の如く、社の天井に頭を擦り付けて周囲を傷付けないように慎重に動いてる。


「ろーくん、ゆーくん、いらっしゃーい! だからもっと小さくなれるようになさいって言ったでしょう?」

「どうせ、そんな必要なんてないって、サボってるんでしょ~?」


珠実さんとトラちゃんが親しげに話してるとこを見ると、知り合いなのだろう。

先程七瀬が言っていた【天狼】と【天熊】じゃないだろうか?


「こ、これでも頑張って小さくなったんだよ~?」

「むぅ、主等は器用よな、ん? トラは人化せぬのか?」

「やだー、ろーくんのエッチ~そんなに私の裸見たいの~?」


いや、トラちゃん……虎の姿でそんなくねくねされても。

どうやらこの2体は人型にはなれないみたいだ。


「あぁーっ! 天狼様、天熊様~! お助け下されーっ!」

「やかましいぞ、うりんぼよ。貴様はそこで暫く己が言動を反省せよ」

「まったく……何で珠実ちゃん、天狐の娘さんを平気でディスるかなぁ?」


うりぼうと白熊と狼が何やら話しをしているが、どうでもいい。

今はさとみだ、ディスられて傷付いてないといいんだが……。


「さとみ~、あんまり気にするなよ?」


嫌なところを直して嫌われないように~なんて別に重くもないし、面倒でもない。

寧ろ、それだけ想われていて嬉しく思う……彼氏冥利に尽きるというものだ。


「いやいや! 何言ってんのおにいちゃん!?

パンツ丸出しは気にしなきゃダメでしょ~!」


おぅ、そっちかよ。

心配せずともディスられたことは大して気にしてないみたいだ。

メンタル強いな。


「ゆかりちゃん! ゆかりちゃん! これ、どうすればいい?

スカートに穴空けないと駄目かなぁ? うー……パンツも収まり悪い~!」

「大丈夫だよ、さとみちゃん。」


さとみのヘルプに七瀬がすかさずフォローに入る。

何が大丈夫なんだろう?

普通に穴空けるしかないと思うんだが……?


「服とかイメージ次第でどうとでも変えられるんだよ~ほーら!」


そう言って、七瀬がその場でくるんっと回ると、制服姿だった七瀬が私服に変わっていた。


「「うおおぉぉっ!?」」


俺とさとみは揃って声をあげてしまう。

いや、だって……ゲームのアバターがよくする早着替えを、リアルに目の前でやられたら声も出るって!


「そそそ、それ! ぼくも出来るの!?」

「もちろん、ちょっと練習すればすぐ出来るようになるよ。

私が教えてあげるね、っと……(あん)ちゃんはちょっと向こう行ってて!」


うわぅ、残念……七瀬にシッシされてしまった。

ちょっとって、どれくらいなんだろうか?


「あ~ゆかりちゃん、さとみちゃん、二人共ちょいとお待ちなさいな。」


珠実さんがそんな二人を呼び止めて、逆にこっちコイコイと手招きしている。

やっぱり、練習云々より先に色々話を決めたいのだろう、すっかり大人しくなったうりんぼと他干支ーズに天狼、天熊がこちらを見ている。


「うー、ままーん……落ち着かないよう!」

「はいはい、もう大丈夫よ~ほら、できた」


珠実さんがさとみの頭にポンと手を乗せると、捲り上がっていたさとみのスカートが元の状態に戻っていた、いや、戻ったというか……ちゃんと尻尾が出るように穴が空いてるようだ。

だから、戻ったと言うより変化した、と言うべきなのか?


「おぉ、凄い……パンツもオッケーだ……」

「うんうん、良かったわね、さとみちゃん」

「ありがとーままん」


 俺達が揃って皆のところに集合すると、おもむろに天狼が口を開いた。


「主等はこれより、かの地へと向かうのだろう?」

「珠実ちゃんが主体になって創った世界だけど、こっちに比べるととんでもなく危ない世界なんだよねぇ……」


天熊がそう付け加えてくる、まぁ、冒険者とかいう職が成り立つ世界と言うし、ファンタジー要素が大きいのだろう。


「モンスターとかが普通にいる世界ってことだよな?」

「そうよ~スライムからゴブリンとか、オークとかの有名どころもマイナーなのも取り揃えておりまぁす!」

「うえぇ、リアルにそんなの見たくないかも……」


珠実さんが嬉しそうに説明すると、さとみが嫌そうに顔をしかめる。

確かに、ファンタジーな世界に憧れはあるけど、ガチにラノベ主人公宜しく命懸けとかは正直御免だな。


「うむ、そこで我等が主等を鍛え上げようと思うのだ」


うんうん、と、頷く面々……どうやら修行パートを挟んでからの出発みたいだ。


 正直に言おう、俺は凄くワクワクしている。

今の状態でも充分、非現実。 物語の中にしか無いような状況に置かれるのがまさかの自分自身。

凄く、高揚する!


「わーぉ! いいね、強くてニューゲームみたいだ!」


さとみがいい得て妙な事を言う。


「そうだな、最初から最強で、無双……は、別にしなくていいな。 余裕でその世界を歩き回れるとか、観光気分で行きたいよなぁ」

「うんうん、ガチバトルとか絶対ヤだし……変な心配事とか抱えるのもごめんちゃいだよね」


俺とさとみの考えは一致してるようだ、まぁ、俺達今まで普通の一般人だったしなぁ。


「私も大事な娘とお兄ちゃんを危険な目に会わせる気なんてさらさらないからね、ここでガッツリお修行して私達くらい……んーん、私達以上につっよーくなっちゃいましょうね!」


お修行ってなんだ?


「おー! って、言いたいトコだけど、それって一体何年掛かるのままん?

ぼく達普通に学校とかあるんだけど?」

「俺はバイトもあるな」


珠実さん達以上に強くなれとか……ドラゴンの七瀬を創った人達より強くなれとか……何年どころか一生かけても無理な気がするんだけど?


「心配はいらぬ、伴侶よ時計を持っているなら見てみるがよい」

「秒までわかるやつがいいかなぁ」


時計?

天狼と天熊にそう言われて、俺はスマホを取り出して、時計をタップする。

確かこれなら何秒までわかるはずだ。


「……普通に動いてるが?」

「うむ、そのまま見ているがよい」

「いくよぉ~そ~れ!」


ピタッ。

えっ? 止まった?


「おにいちゃん? どったの?あぼーんな顔しちゃって」


どんな顔だよそれ?


「時計が止まった……」


俺はスマホをさとみに見せてみる。


「あれま、ホントだ……えぃえぃ! ん~、何の反応もないよ、おにいちゃんの履歴覗いてやろうと思ったのに……」

「おいおい、勘弁してくれよ」


どさくさに紛れて何しでかす気だよ?

……いや、別に見られても問題ないけど、あんまいい気分にはなれないので止めるように。


「ふふっ、驚いた? 私達以外の時間を止めたんだよ、だから反応しなくなったの」

「アポリも立ち上がらないでしょう?」


トラちゃんが楽しそうに説明しては、珠実さんが変な事を言う、アポリじゃなくてアプリです。


しかし……凄いな、時間停止空間なんて……。


「そう言うことだから、二人共、時間なんて気にせずいくらでも修行できるわよ!」


珠実さんにそう言われて、いよいよ実感が湧いてくる。

俺達、マジでここで修行して人外に足を踏み入れるんだな!


「改めて名乗ろう、我は【天狼】……この世創りし【四神】が一柱である」

「同じく、【天熊】だよぉ~、二人共、よろしくねぇ」


天狼と天熊がそれはもう、何と対称的な自己紹介をしてくれるのか。

方や厳格に、方や穏やかに……きっと、そういう性格なんだろうなぁ。


「も~、ろーくんったら! その物々しい喋り方何とかなんないの~?」

「そうだそうだ~! ろーくんのえばりんぼー!」

「むぅ、主等こそくだけすぎぞ……我等は神、威厳は示さねばなるまい?」


うーん、なんか始まったんだが……?

天狼の喋り方に対して、珠実さんとトラちゃんがぶーぶー文句を言えば、天狼も負けじとあーだこーだ……不毛だなぁ。


「ゆーくんの毛かたーぃ! ダメだよ! ちゃんとシャンプーしてる~?」

「う、僕シャンプーきらーい、ヤだヤだ!」


……さとみは天熊をもふろうとしてダメ出ししてるし。

グダグダだなぁ~、まぁ、嫌いじゃないがな。


中華まんが美味しい季節になってきましたね!

肉まん、あんまん、ピザまん、カレーまん、エトセトラ~♪

皆さんの好きな中華まんはどれでしょう?


私はあんまんが好きです、それもこし餡派。

肉まんやピザまんも、勿論美味しいのですが私はやっぱりあんまんなのです!


書いてたら食べたくなってきた~!

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