序章 5 男の子の憧れ
少年時代に憧れたもの…沢山あります。
それは…
RPGの世界観、剣や魔法、強大なモンスターだったり。
はたまた…
テレビ画面に映る巨大なロボット、変形するロボット、合体するロボット。
そして…
漫画誌で必殺技を放つ主人公だったり。
皆さんの思い出の憧れは何だったでしょうか?
さとみちゃん視点です。
もぅっ!
おにいちゃんのぇっち! 女ったらし!
やっぱりうーちゃんの事ぇっちな目で見てたんじゃないか!
ぅあきはダメだよ、絶対許さないんだからね!
……もしかして、おにいちゃん、欲求不満なのかな?
ぼくとおにいちゃんのお付き合いは、両家共に両親が認めてくれているんだけど、条件が出されてるんだよね。
と、言うのも……ぼくが高校を卒業するまでは健全な交際をしなさいってこと。
つまり、えっち禁止。
交渉の末にキスまではOKにしてもらったんだけど……やっぱり不満なのかも。
男の人は性欲強いって言うしなぁ~。
ともあれ、今はうーちゃんだよね、マズイよ……きっともう落ちかけてる。
ぼくの勘がビシビシと訴えてくる、『奪われるぞ、気をつけろ』って。
「うーちゃん……ちょい、ちょいこっち来る」
「え、私ですか……さとみ様?」
うーちゃんを手招きして呼んで、少しおにいちゃんから離れてヒソヒソ話しを始める。
ちゃんと確認して釘刺しておかないとね!
「あ、あのぉ……さとみ様、私、何か粗相を……?」
昔から少し不思議に思っていた事がある。
それは、相手の感情や考えが判るって事。と言っても、何となくでしかないんだけど。
小学生の頃、クラスの子に驚かれて以来、『あぁ、これ、普通じゃないんだな』と理解してからは、誰に話すでもなく処世術として活用していた。
悪いこと、卑しいこと、酷いこと……そう言った悪感情が特によくわかるのは、多少気持ち悪いけど事前に接触を避ける事が出来るので、今までトラブルもなく平穏無事に過ごせてきた。
……でも、何でか絶対って言っていいほどおにいちゃんには通じないんだよねぇ。
ホント、何でよ? 一番知りたい人なんだよ?
まぁ、そんな不思議な事も今なら何となく判る、きっとままんの娘だからだよね。
そんな訳でさっきから、じぃ~っとうーちゃん見てるんだけど……。
「あ、あのぉ……さとみ様ぁ、うぅ……まるで天狐様の【看心】です……」
「うーちゃん」
「はっ、はい!?」
「……駄目、だよ?」
「っ!!」
「判る……よねぇ? 許さないよ?」
うーちゃんからはぼくに対する畏怖の感情が一番大きく見える。
でも、それを使って上手におにいちゃんへの感情を隠してる、この子油断できない。
……舐めないでよ?
おにいちゃんの事ならぼくは鬼にもなるんだぞぅ!?
精一杯『キッ!』って睨み付けて、声のトーン落として言ってやった。
うーちゃんは今にも泣き出しそうな顔になるが、まだ僕への畏怖とおにいちゃんと親しくなりたいって気持ちは五分五分みたい、むぅぅ……。
「こらこら~、さとみちゃん……うーちゃんを苛めないの!」
「ままん!」
「もう~、お兄ちゃんが絡むとすーぐ悪い子になっちゃうんだから!」
いつの間にか側に来てたままんに一瞬で見抜かれちゃった。
だって、しょうがないじゃないのさ……今でこそ【彼女】っていうポジションに居るけど……。
【条件】のせいでいつかフラれるんじゃないかって不安と恐怖が付き纏うんだよ!?
特にうーちゃんみたいな可愛い子をぇっちな目で見るおにいちゃん……コレが慌てずにいられる!?
おまけにうーちゃんも満更じゃないってカンジだし!
「ぷぅっ! ままんだってぅあきは絶対許さないでしょ~?」
「当然よ~絶許よ、でも大ちゃんはそんな事しないって信じてるからね!」
えっへん! と胸を張るままん、ぐぬぬ……そんなの【条件】無いから言えるんじゃん!
ぼくがその事について言及しようとしたら……。
「因みに、条件はさとみちゃん達より厳しいのが5年あったのよ?」
「ふぇ!?」
「会えるのは週一回、えっちは勿論、キスも駄目……それが5年……よ? ママ、よく耐えた……うん!」
5年!?
それは長いね、ぼくは高校に入学して、おにいちゃんに告白してから条件出されたので3年間だ。
しかもえっちもキスも駄目で、会えるのは週一……うわぁ~……。
ままんとぱっぱがしょっちゅうイチャイチャしてるのはその反動なのかも。
「ままんはともかく、ぱっぱはよく我慢出来たね」
ぱっぱの若い時の写真見たことあるけど、結構なイケメンだったから女子にも人気あったと思う、……当然だけどおにいちゃんほどじゃない。
「そうねぇ、大ちゃんの事は信じてたけど……やっぱり不安は大きかったわぁ~、今のさとみちゃんみたいにね、大ちゃんモテたし」
「あ~やっぱり……で、ままんはどうしたの?」
「……この【条件】っていうのは、お互いの信頼関係を築く為に付けられるものなのよ?」
真剣な顔でままんが語り出す、真面目に聞こう。
云わんとしていることは判る、えっち無しでもちゃんと自分を好いてくれるか?
また、自分は相手を信じていられるか……男女共に試されるって訳だね。
「……そうして築き上げられた信頼関係は将来揺るぐ事ないでしょう!」
「おぉーっ!!」
ままんが語り終える頃には、結局みんな集まってきて、変な演説みたいになっちゃった。
うーちゃんとナイショ話で終わらせるつもりだったんだけどなぁ~……。
「凄いですね、珠実さんと大さんは、その5年間で大きな信頼を築いたって事か」
おにいちゃんがしきりに感心してる。
確かに5年も耐えた二人は、ぼくも凄いと思う……正直真似できそうにないよ。
「そうよ~ママ、頑張ったんだから!」
「ヒロりんにさりげなーく、【たまみん以外の女が近づくと気分が悪くなる】って呪いかけてね~♪」
は? 何ソレ?
ぼくの横に来たトラちゃんがそう言ったんですけど?
ままん以外の女が近づくと気分が悪くなるって……ままんしか近付けないじゃん。
「あら、トラちゃん違うわ、【おまじない】よ~?」
「おまじないって、【お呪い】って書くんだよ、たまみん?」
……ズルじゃん。
ままんはトラちゃんにダメ出しされて、そっぽ向いて、吹けもしない口笛吹いてるし。
みんなも思わず苦笑いだよ、はぁ~感心したと思ったら……。
「だって! 無理よ!? 5年も不安と恐怖に耐えろなんて!」
あ、開き直った……ぅん、やっぱり同じだよねぇ。
「そしてママは天狐です! 何とか出来ちゃうチカラを持ったおきつね様なのです!」
あ~そういうこと……何とかしちゃおうとそんな呪いかけたのかぁ。
「うー……でもでも、ママがやったのはその呪い……おまじないだけで、他はちゃんと守ったのよ!?
それでもキツかったけど、今まで何千年って生きてきたなかでいっちばん! ながぁぁい5年間だったけど、ママ頑張ったんだからね!」
「……当時は『時間を加速させてやろうか』とか、『いっそ記憶を改竄してやろうか』とか、不穏な事をブツブツと呟いておられまして……気が気でありませんでしたよ」
「はぁ……男って、信用無いんだなぁ~……」
ままんの開き直りに遠い目をする神主さんとおにいちゃん、うぅ……そんな顔しないで~!
自分がいたたまれなくなるよ。
「男の信頼つーよりも、アレだべぇ……ソレ以上に女は強かだがんなぁ」
「にゃふぅ、牛田の言う通りダゾにゃ~、この大人しそうな顔したうーも結構な腹黒ダゾにゃん」
「はうぅっ!? わ、私そんなんじゃありません!」
そう、そうなんだよ! 女は基本そういうことになると強いんだ。
好きな人に見てもらう、振り向いてもらう、古い言い方なら見初められる? その為なら沢山努力するし、その人好みの女性を精一杯演じるだろう。
『貴方色に染まります』なんて聞いたことない?
アレって結構本気であるんだよ?
そして……隠すことにも長けてくるんだ、狡くなると言ってもいい。
その人の前ではその人の好みの女を演じ、裏でライバルを牽制したり……嫌がらせしたり……。
あ~自分で言って何だけど、女ってコワイよねぇ……?
「ふぅ、とにかく今のままだとさとみちゃんが悪い子一直線だから……お兄ちゃん?」
「はい、俺にもそのおまじないとやらを掛けるって事、ですかね?」
「う~ん、それは皆が出揃ってから相談しましょうか、今は他の子待たせてるからね!」
あぁ、そうだった……まだ5人?5匹?
いやいや、神主さんにうーちゃんは今見た目人間だし……5人でいっか。
後7人いるんだねぇ、楽しみだよ。
「そうでしたね! 次はいよいよ龍ですよね、俺すげぇ楽しみです!」
そっかぁ、何かさっきやたら目をキラキラさせてたと思ったら……ぷふっ♪
普段の落ち着いてて格好いい大人なおにいちゃんも大好きだけど、こうして子供みたいにはしゃぐおにいちゃんも大好き!
「おにいちゃん、すっごい嬉しそうだね♪」
「ああ! 龍にワクワクしない男子なんていない!」
「それじゃあ、期待に応えないといけないわね! さぁ、お出でなさい!」
ままんがそう言って、両手を大きく広げて前方に振りかざすと、大きな火柱が立ち上った!
ゴォォーッ!! って音が凄い! お腹に響くよ!
って、ちょい! 燃える燃えちゃうよ!? 火事になる!
ぼくがそう思った瞬間火柱はバアァーンッ! ってまたでっかい音を立てて弾け、爆煙を撒き散らす。弾けた火柱が形を変えて、あ、凄い! コレ演出だ。
「うおおっ! スッゲー!!」
「見て見て! 火がドラゴンになって行くみたいだよ!」
「にょろにょろじゃない方で来たか!」
ゆらゆらと火が揺らめいて、いよいよそれが姿を見せる。
でっかい、トラちゃんもかなり大きかったけどこちらは縦にでっかい。
10mはありそう、見上げたそこには黒い、でも所々に紅色のラインが入った竜がぼく達を見下ろしていた。
西洋の竜、よくRPGに登場する翼のある竜だ。
カッコいい……全体的に尖ってるけどそれはベクトルが統一されて綺麗な流線型を形作っている。
アルファベットのAを逆さにした顔、4本のでっかい脚、ぶっとい尻尾、角みたいのが付いたコレまたどでかいコウモリみたいな翼……ドラゴ~ンだよ!
「……すげぇ、チョーカッケー!」
「おにいちゃん、語彙力……」
口をあんぐりと開けっ放しのおにいちゃんが何言うのかと思ったら、そんなお子ちゃまみたいな感想を口にしたので思わず言っちゃったよ。
小学生じゃないんだから。
「こーんにち、わぁぁ~♪」
「ふぁっ!?」
うわ、びっくりしたぁ~!
めっちゃフレンドリーに挨拶されたんだけど、声まで大きいよ、何かこう、『バオオォォッ!!』って感じの効果音付き。
というか、今の声って。
改めて、目の前のドラゴンを見ると膝をペタンって折って、お腹を床につけて、尻尾を自分の前脚まで丸めてる……ネコがよくやる【箱座り】してるんだけど、ドラゴンもやるんだね。
【箱座り】、【香箱座り】っても言うんだけど、中国のお香を入れた箱の形状にそっくりだからそう呼ばれるようになったんだって、リラックスしてるけど直ぐに危険から飛び退ける事が出来るっていう体勢らしいけど、ふふっ、凄くお行儀よく見えるよね。
「珠実さんに呼ばれて参上だよ~辰のグロウ・アーガです、よろしくね!」
「……なんか、めっちゃ聞き慣れた声なんだけど……もしかして、ゆかりちゃん?」
「ピンポンぴんぽーん! さとみちゃん大正解~ぴゅーどんどんぱふぱふ~♪」
バオ、バオ、バオー!
天井に向かって口から3回火を吹いて。
ビッタンビッターンって尻尾の先っちょで床を叩いてはしゃぎだすドラゴン。
え~……マジでゆかりちゃんなの?
「お披露目済んだし、いつものカッコに戻るね」
「はいはーい、良い演出だったわよ~ゆかりちゃん!」
「えへへ、ありがとうございます珠実さん! 結構頑張りましたよ!」
そう言ってままんと和やかに挨拶すると、ドラゴンはどんどん小さくなって人の姿になった。
その姿はぼくがいつも学校で見てる馴染みある姿、クラスメートで入学して直ぐに友達になった、『七瀬ゆかり』ちゃんだった。
七瀬ゆかり、ぼくの友達でクラスメート。ゆかりちゃんだよ。
高校入学時に同じクラスで、席が隣だったから「よろしくね」って声かけたんだよね。
そしたら、「うん、こちらこそ!」って返してくれて、そこから仲良くなったんだ~。
ゆかりちゃんは、ぼくと違って女の子にしては160cmっていう身長で、すらーってしたスレンダー美人。
そう、美人、可愛いより綺麗って言葉が先にでる系美人。
身長、スリーサイズ、脚、身体全身のバランスが凄い整ってるから羨ましいんだよね~。
童顔のぼくに比べて卵を逆さにしたようなシャープな顔立ちに、少しつり目だけど全然キツイ印象は受けない目。
何より特徴的なのが髪、お腹くらいまで伸ばした綺麗な黒髪は毛先に向かうにつれ、紅いグラデーションがかかってるんだ、前髪には同様に紅色メッシュが入れてあって正直カッコいい。
頭も良いし、性格も明るくて優しくて結構な人気者。
「やっほーさとみちゃんに兄ちゃん!」
「やっほー♪ ……じゃ、なくて!どいうこと!? ゆかりちゃんどらどんだったの?」
「ドラゴンね~私はこれから二人が行こうとしてる世界……異世界の出身なんだよ!」
「うえぇっ!? どらどんで異世界人!?」
「ドラゴンよ~さとみちゃん、いや~ママ流石に辰は悩んだのよね~、最初はタツノオトシゴでも捕まえてみようかなって思ったんだけど……それだとお披露目でガッカリでしょう?」
言われて考える……さっきの演出でいざ出てきたのがタツノオトシゴだったら、ぅん……確かにガッカリだね、何だそりゃぁーっ!? て思っちゃう。
特にすっごいワクワクしてたおにいちゃんなんてショック大きいだろうねぇ……そいえばさっきからおにいちゃんが大人しいような?
「おにいちゃん?」
気になっておにいちゃんの顔を覗き込んで見ると、何かすっごく冷めた目をしてた。
あ~コレは期待が外れたって顔だね、理由は間違いなく……。
「何で七瀬なんだよ!?」
ドラゴンの正体がゆかりちゃんだったって事だよねぇ。
「むっ! 何よー兄ちゃん、カッコいい演出だったじゃん! 自信あったんだけど!?」
「うるせー! 俺が文句あんのはその後だ、何でフレンドリーな挨拶かましてんだよ!?
あそこはもっと、威厳に満ちたまるで、どこぞの拳王みたいな渋カッケぇ重低音ヴォイスで、『さぁ、願いを言え』とか言うべきだろうがぁっ!!」
「お兄様、それはにょろにょろの方よ~?」
「ゆかりさんの場合、『世界の半分をくれてやろう』の方が似合いそうですが……」
おにいちゃんがゆかりちゃんの演出にダメ出ししてるとすかさず、トラちゃんとうーちゃんがツッコんだ、どっちも超有名なアレだよねぇ。
「畜生……ガッカリだ、ドラゴンは世界中の男子のロマンなんだぞ?」
「う、そこまで凹まれると流石に私も傷付くんだけど!?」
「さとみ、慰めてくれ」
あー、はいはい♪
すっかりヘソ曲げちゃったおにいちゃんを抱きしめてよしよしって頭なでなで、こんな情けないおにいちゃんも大好き~♪
「ゆかりちゃんも、あんまりおにいちゃんの戯言真に受けないでテケトーに流していいんだよ?」
「はぁ~そうするわぁ……全くコレだからお子ちゃまは、やっぱり渋いおじ様じゃないと駄目ね、私は」
「相変わらずだねぇ、その好み……それはそうと、ゆかりちゃん異世界どらどんなの?」
「ドラゴンだよさとみちゃん、そう、私は異世界【イーダ・ミーティマ】の【竜帝グロウ・アーガ】、天狐様、天狼様、天虎様、天熊様の四神が創り出した管理者だよ」
「ほへぇー……とんでもなくスケールでっかいねぇ、ぼくと同じ学校なのは?」
「さとみちゃんが産まれた時にね、珠実さんが、いずれ【イーダ・ミーティマ】に連れて行きたいわぁって言ってたから、どんな子かなぁって暇見つけて会いに来たの、ふふっ♪ 会って友達になってみたら凄い楽しくて帰るの忘れそうになったよ!」
「わぁ、嬉しいな! ぼくもゆかりちゃんと友達になれて毎日楽しいよ!」
ゆかりちゃんとはすっごく気が合って、一緒にいて楽しいんだよね!
これからも一緒にいたいね。
「うふふ、ゆかりちゃんにはついでにさとみちゃんの護衛も任せてるからね! おにいちゃんも安心していいわよ~」
「……そうか、七瀬がさとみの側にいてくれるのは有り難いな。これからもよろしく頼む。」
「オッケー、任せなさーい!」
「七瀬」
「ん、何兄ちゃん?」
「黒・紅ってネーミングセンスはどうなんだ?」
へ?
くろあか?なんぞソレー?
「……珠実さんに言って」
ゆかりちゃんは一瞬驚いた顔をしたと思ったら、直ぐに困った顔になって俯いてはそう言った。
何の話しなんだろね?
「珠実さん、いくら大さん好きだからって世界の名前にまでしますか、普通?」
「しーまーすぅ~! そんなの当然ですぅ~!」
「なになに? さっきから一体何の話し~? ぼくにも判るように言って~!」
我慢できずにそう言って話しに混ぜてもらう事にする。
仲間外れはヤだもん。
「簡単な話なんだけどな、さとみ、さっきの七瀬どう見えた?」
「え、でっかくて黒くて紅いライン入っててカッコよかった!」
「うん、何て名前だったっけ?」
「確か、【グロウ・アーガ】じゃなかった?」
「うん、じゃあもっかい聞くけどどんな色してたっけ?」
「黒くて紅い……くろいあか、クロイアカ……クロイ・アカ」
あー、そう言うことか~簡単な文字遊びなんだ、コレ、ままんの考えそうな名前って言えばそうだねぇ。
異世界の名前……【イーダ・ミーティマ】だっけ?
あれもままんの考えた名前ならこうなる。
まず【イーダ】はぱっぱの名前大、普通に『だい』って読んでひっくり返す。
【ミーティマ】はままんの名前を連呼すると、たまみたまみタマミタマミ……ミタマミタマ……ミータマ、ミーティマって訳だね。
「たまみんってば言わなきゃ良いのに、嬉々として話すんだから……ろーくんもゆーくんも呆れてたわよ?」
「う……だって私が中心になって創った世界なんだから名付けは好きにしていいって言ったじゃないのよ~!?」
「そうだけどね、そんなトコでまでおのろけ全開しなくていいわよ~まったく……」
ふふっ、ままんってばよっぽど嬉しかったんだろうね、好きなものに好きな人の名前入れちゃうとかはぼくもよくわかるなぁ♪
トラちゃん達は呆れて思わず苦笑いってトコだろうけどね。
「まぁ、何も知らない人が聞けばそれなりの名前だとは思いますよ。俺達は判っちゃったってだけですから、実際どうなんだ七瀬? その、【イーダ・ミーティマ】でのお前の評判とかは?」
「おー! よくぞ聞いてくれました兄ちゃん!
向こうじゃ私、何と言っても神様だからね! そりゃあ崇められてるし、恐がられてるよ!」
「ゆかりちゃん恐がられてるんだ、ってそりゃあどらどんだもんね」
「ドラゴンだよさとみちゃん、たまに向こうでもこの姿で冒険者とかやって遊んでるけどね!
その時は正体バレてないせいか、みんな親しくしてくれてるよ~♪」
おぉ、冒険者とか普通にあるんだ、何だかオンラインRPGみたいだね……行くの楽しみになってきたよ!
やっぱり、ドラゴンは一番の憧れかもしれません。
ゲーム然り、漫画然り…その圧倒的な存在感、強さ、何もかもが深く印象に残りますよねぇ~。カッコいい…。
しかし、最近暑くなってきましたねぇ…コロナ対策でずっとマスク付けているので汗をかくと苦しいんですよね。
オマケにマスクの紐で耳が痛い。
はぁ、夏場耐えられるかな…。




