第八話 角娘ちゃんは遭遇してみる
「おい、門番ちゃんはなにしてたんだよ!」
「誰か……誰か早く兵士ちゃんを呼んで!」
角娘ちゃんが大通りに行くと、最初に聞こえてきたのはそんな声だった。
彼女はそのまま人垣を潜り抜け、人々の視線が集まる方へと自らの視線を重ねてみる。
すると。
「ま、魔物!?」
そこに居たのは、歪なこん棒を持った緑色の子鬼。
ゲームなどでよく見かけるゴブリンだった。
ここは危険だ。
角娘ちゃんの直感が告げている。
角娘ちゃんはOLちゃん時代に酷い目に沢山あった。なので、危険感知能力に優れているのだ。
(地球でいったらこれ、強盗犯を近くで野次馬しているようなものだよね。それってすごく危険だし……うん、ここから離れよう)
角娘ちゃんがそんな合理的な判断を下したその時。
「うわぁあああああああああああああんっ!」
聞こえてくる声。
角娘ちゃんがそちらを見ると、そこに居たのは少年である。
母親とはぐれでもしたに違いない。
その少年は泣いているためゴブリンに気付かず、そちらへ近づいていってしまっているのだ。
角娘ちゃんの嫌な予感は当たる。
ゴブリンは醜悪な笑みを浮かべ、少年へ走り始めたのだから。