表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/14

第五話 角娘ちゃんの初体験

「半年……半年かぁ」


 角屋ちゃんに自らの角を売ってから数分後。

 現在、角娘ちゃんはもわもわした気分で通りを歩いていた。


 角娘ちゃんがもわもわした気分になっている理由は、角が高く売れなかったからではない――角娘ちゃんの角は凄まじい高値で売れた。


 しかし、角娘ちゃんはそれでももわもわしなければならないのだ。

 なぜならば。


「半年過ぎたらどうすればいいんだろう……まだ片方の角は残ってるけど、合わせても一年しか暮らせない」


 そう、角娘ちゃんの悩みとはそれである。

 現状、唯一の財源というべき自らの角――それがなくなれば、当然角娘ちゃんの収入は途絶えてしまう。

 そうなれば、角娘ちゃんは再び無一文に戻ってしまうのである。


「はぁ……」


 故に、角娘ちゃんはお金の入った袋を大事に抱きしめ、再度特大のため息を――。


「わ、きゃっ――」


 吐こうとした瞬間、そのため息は悲鳴に変わる。

 理由は簡単、何者かに突き飛ばされ尻もちをついてしまったからだ。


「痛っ……!」


 角娘ちゃんはお尻を撫でながら、自分を突き飛ばしたに違いない何者かに文句を言おうと視線をあげる。

 しかし、角娘ちゃんはそこで気が付いてしまうのだった。


「あ……え?」


 先ほどまで角娘ちゃんが抱えていた袋がなくなっていることに。

 見知らぬ男が袋を抱えて走り去っていく姿に。


「え、えぇええええええ!?」


 この時、角娘ちゃんは異世界に来て初めてお金を盗まれたのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ