ガイダンス 後編
失神していたらしい。知らない場所にいた。さっきの生首が脳裏をよぎる。
「キャー!」
「うるさいわね。」
さっきの彼女がこの部屋に入ってきた。
「た、助けてください。あの寮長、オバケなんです。」
「何、寝ぼけたこと言ってるのよ。そもそも寮長ってだれよ。」
「いや、さっき……じゃなくて昨日?いや、一昨日?まあ、あの私達がはじめてあったときにいた、あのおばさん。」
「ああ、基地長のことね。」
「きちちょうってなんですか?いや、それより助けてください。」
「ガヤガヤ、うるせーな。」
わたしが、一生懸命話していると突然四方のうちひとつの壁が割れた。
「キャー」
「うるせえ!」
恐怖でうずくまるわたしの背中が、なにかに叩かれた。
その一発のソフトさで分かった。この人いい人だ。
そして顔を上げる。予想以上に壁が割れている、と言うより吹き飛んでいる。放心状態になっていると寮長(?)が来た。
「何、壁を壊してるんだね。」
「あー、ばあちゃんわりいわりい。」
「わたしは、まだばあちゃんって歳じゃないよ。ちゃんと基地長と呼びな!!」
「生首!!!!」
まだ寮長が話終わる前に、叫んでしまった。
「あんたは、探知だけでなく読みもできないのか。」
寮長が、わたしを睨んでいる。
ここは、どうなっているんだー!