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Phase4 仮想世界 オルテート

 雛は、ゆったりとした部屋着に着替え以前兄 涼がデザインコンセプトをプロットして構築した

仮想世界 ”オルテート” をどうしても見たくて兄には内緒で作成した アバター(仮想体)

”ヒナ” で黒澤くろさわから兄を救い出す目的で開発に作成してもらった


武器

メイン武器 レアアイテム 錫杖 エレアザル 

近接武器 レアアイテム 氷柱の乙女 グラソン・ピリエ

 

をオルテート内のNPC”大熊の手のギタリ”より受け取るため リンクイン のコマンドを

発行した。


 兄の件もあり些か不安では有ったが、全てのダイブプロセスは滞り無く進み

適当に設定したホームの ポータル・オベリスク 始まりの噴水 に降り立った。


 始まりの噴水 は初期設定での ポータル・オベリスク でもあり

イゲン・ルート・オンラインを開始すると仮想世界 ”オルテート”に最初に降り立つ場でもある。


 かつてファンタジーと言えば〇〇風等と言われていたが

ここオルテートの世界はそうではない 建物の大きさや形に統一感はなく

なんとなく各種族が好みそうな意匠デザインの建物がバラバラに寄り集まっていて

郊外を見れば其処かしこに”古代文明”の名残であろう 

崩れかけた遺跡群・遺構群が遠目にも散見されていた。

〇〇風等とは遠くかけ離れていた。


 彼女 ヒナは医者でもあるので 実際の躰とアバター(仮想体)かけ離れ無いよう

現実リアルに近い体躯と性別も同じにしてある。


 臨床心理学の学位も修めている彼女は

実際の躰とアバター(仮想体)かけ離れて起きる

乖離性仮想体症候群(かいりせい かそうたい しょうこうぐん)

通称:アバター(仮想体)シンドロームに陥らないように最新の注意をはらっていた。

   

ノリの良くない兄が、あんな少女のアバター(仮想体)でVR空間に捉えられている事を

考えると、余計な老婆心がわく。


「涼兄ぃったらアバター(仮想体)シンドロームにならなきゃいんだけどな」

と一人、ウンディーネ族の特徴でもある闘魚ベタのようなニ対のヒレ状の翅(?)を

揺らめかす。


髪は銀光沢のフロスティブルーでゆるいウェーブロングで長い

やや童顔で

唇はピンクベージュ

瞳はオーキッドグレイの眼を凝らすが映像で見た”フレイメア”と”ネーベリア”は見つからない。


 兄は今回が初めてのダイブとも言っていたので、

”ナビゲートマウント”も無いはずで遠くには言っていないと踏んでいた。


(先ずは、武器交換ね でも最優先な事が有るわね)

とヒナは考えとりあえず他の ”肉入り” キャラに声を掛けた

「あのぅ」

「おっ! ウンディーネ族のお嬢さんオレになんか用か? 」

と屈強なウル族の男性が気さくに返事を返す。

「最近ココらへんで 可愛い少女のアバター(仮想体)を見かけませんでした? 」

「そう突然言われてもな アバター(仮想体)はココにゴマンと居るし SS(スクリーンショット

持って居ないか? 有ったら見せてくんなよ」

とニコニコ顔で返してきた。


「あっ、コレですこのです。 この

先の映像の”二人”のSS(スクリーンショットを透明なゼリー状の

腕輪を操作して彼に見せた。


「あぁ、あの ”NPC” なら見たぜ あのギルドの中に入って行ったけど”NPC”がなんで

宿に行くんだ? 最近のAIはまた一段と進化したのか

”NPC”といえば天候が変わると建物に引っ込むぐらいか突っ立っているくらいか

能が無いと思っていたんだが? 」

重要な”NPC”は現在でもプレーヤーの利便性を考えて、屋外にいる”NPC”は

”雨”に変わると建物のなかに引っ込むくらいで移動はあまりしないのが普通であった

”吟遊詩人”の様に各地を巡っていて依頼を出す”NPC”は極わずかであった。


「えっ! ”NPC”って? 」

「言葉の通りだが? ステータス水色だったもんよ ”NPC”と区別する為に

アバターネームと種族名の色が違っていたからな なぁヒナさんよ 

あんた”肉入り(プレーヤーキャラ)”だろ? 」

「えぇ、そうよ」

とヒナは当然の様に返した


そう仮想世界 ”オルテート”では”NPC”と”肉入り(プレーヤーキャラ)”と区別するため

”NPC” は赤で プレーヤーキャラは緑 特殊な属性キャラは水色である

 ステータスに関してはお互いを見れるようにはなっているが種族と

アバターネームのみで後はフレンドでもならない限り

細かいステータスは確認出来ない 当然と言えば当然である。



 特殊な属性キャラというのは  ナビゲートバディなどの”NPC”は

大抵はソロ専かこの世界をあくまでまったり楽しみたいプレーヤー向けに

高額な”NPC”パックを購入して拵える事の出来る相棒である そのナビゲートバディは大抵普段は人型で魚・トリ・イヌ・ネコ・等の動物や小さいサキュバスやインキュバス・ドラゴン等の魔物に

姿を変えられるという物あった。


 コレは”NPC”任せかマスター(購入者)が指示して

戦闘時は人型にして、普段連れ歩く時は動物や人外型に変化させて楽しむ物である。

人型や人外型に関わらすこのゲームではそれぞれに特徴あるスキルを備えていてどちらの形態でも

活躍する場もあり単なる賑やかしとして侍らす事も自由であった。


 ここで問答してもしょうがない

有る程度の合理思考者でもある彼女は

「そうそれ わたしのナビゲートバディなの 購入したはいいけど中々イン出来なくて 待機させていたんだけど

思考実験とやらの対象キャラに選ばれたらしくどっかに行ったのよ」


 このコンテンツサービスは政府の肝いりである。 ゲームのていではあるが

思考実験やら新しい試みが、政府指導で行われていてもおかしくはないし

実際、色々な企業体が政府の許可のもとこのサービスを通じて試行錯誤する場でもあった


「ほぅ、思考実験ねぇまぁ 魔物連中があまり賢くなってもオレは困るんがな

この見た目どおりオレは

冒険者のロールプレイを愉しんでいるんでな。 

さっきの話しだが 二人は多分あの宿だな 入ったきりでてこねぇし

ウチのパーティー連中も最初は注目していたんだがな

”NPC”と分かった途端、興が覚めたらしくてなそれぞれどっか行ったさ

まぁ”迷子”を早く見つけてやるんだな ハハハ」


と彼もヒナをそういう迷子探しのロールプレイをしている一人と思われたらしい

中には兄弟・姉妹が居なくてそれの代替をナビゲートバディに求めている人もいるのだから。


 彼は、嫌な顔せずギルドの看板を指差す。

「ありがとう。 いきなりインしてモニターしてくれなんて困ったわ」

とヒナはいかにもな方便でごまかした。


 ちなみに ここ仮想世界 ”オルテート”の世界はストーリーも

なくラスボスも存在しない 

自分で自分の物語ストーリーを作って楽しむ世界である 

自分で英雄や勇者の物語を作ってもよし

生産職で大商人に成り上がるのもよしでそのための”魔物”や”素材”がこの世界には

用意されている。

 ただまったりと過ごすのもよしでそのために一般的にあるRPGゲームの様な

”レベル”制も導入していない

”レベル”上げにやっきになり殺伐としないように考慮もされている。


プレーヤーキャラ同士で勝手に”討伐隊”と称して大物の魔物退治もよし

世界を渡り歩いて素材を売り歩いてもよし

”NPC”の王や貴族のご機嫌を取り、貴族の称号を得るのも自由である。

(これは、ドレスコードと遥か昔の宮廷作法を知らないと躰の

動作で評価が決まるので”謁見”しても所作一つ一つが評価チェック対象になり難易度が高く

無作法が有ると門前払いか酷いと不敬罪扱いで牢に入れられて信用度が下がり

クエスト料金が跳ね上がったり、有益な情報を”吟遊詩人”から得られなくなどの不利な

点が多く、よほどの好事家や、大昔の作法の研究者ぐらいしかこの貴族称号はなかった)


 更にこのゲームではPKプレーヤーキラー行為にも許されていて街の外には

ヒールプレイ専門のプレーヤーもいるので

自ずと、商人のロールプレイをしているプレーヤーには冒険者のロールプレイをしている

キャラが護衛に付く事にもつながるので活気が出るというもの


 冒険者ロールプレイをしているプレーヤーも魔物退治やMOBの野盗退治依頼は”NPC”から

商人レーヤーからヒールプレーヤーからの護衛の依頼などが提案されるので

”ネタ”にも困らないシステムである。

 各地のギルドの武器・防具・アクセサリーも品揃えも当然違うので更に活気が生まれていた。

  

 ”攻略”には興味が無いヒナはフレイメアの所在は確認出来たので

彼を救う事に繋がることにもなりそうな武器を交換に

武器屋 ”熊の手”にはいる。


「おう、いらっしゃい 何か 御用で? 武器の購入かな? それとも武器の指南で? 」

とウル族男性  NPC ギタリが問いかける


「そうね、先ずはコレを交換して頂戴」

「ブツ見せてくんな」

「はい、これよ」

と初期武器である錫杖とレイピアを見せた。

初期職業はアバター(仮想体)を作成する際にどれかは選ばなくてはならないので

現実リアルの職業に近い治癒師ヒーラーを選択していたその初期の武器で有る

錫杖と戯れに剣士に転職した際にレイピアを手に取ったのでコレがあったのである。


「うむ、名はヒナか ...で交換コードをこれで入力してくんな」

と今や遺物にも近い手打ちのタイプライター似た魔器で手打ちをする

「了解、これを受け取ってくんな とこれまた羊皮に羽ペンと世界観に則ったオブジェクトに

電子承認をする。

「はいよ、大事にしてやってくれ」

渡されたのは

彼、黒澤にたのんで意匠デザインをこだわって作って貰った


メイン武器 レアアイテム 錫杖 エレアザル 

近接武器 レアアイテム 氷柱の乙女 グラソン・ピリエ

を受け取った。


そのころ、フレイメアは自分のアバター(仮想体)を観察していた

どう考えても腑に落ち無いことばかりで納得がいかなかった。


 確かに可愛いアバター(仮想体)ーではあるが元の本来のアバター(仮想体)で有る”リョウ”は

何処へ言ったのか、自分がなぜ少女体のアバター(仮想体)に感覚が強制リンクさせられたか等

疑問に思うことは山程あった...が...先ず自分の姿やステータスを確認しなければならなかった。

可愛い花輪の腕輪を操作して確認すると


フレイメア (斎木涼サイキ・リョウ

愛称: フレイ 又は メア

種族: ホムンクルス族 

 

背:150センチ

髪色:パウダーピンク

瞳:ラベンダーアイス(左)とウイスタリア(右)のオッドアイ

唇はローズピンク

足首まであるウェーブロングで毛先がカールしている

ローズダストのメッシュが血管の様に入っている


職業 : 召喚士

召喚獣  ケルベロス x1

     ヘルハウンドx2

     大氷狼フェンリルの子供x1

上位召喚:遺産の少女ライブ・アーテファクトx2 10体の内どれか2体のみ



メイン魔導書 レアアイテム 旧き闇の蛇

サブ武器 レアアイテム  鞭 骨噛みの尾


とあり使える属性も当初のヒム族のオールマイティな属性と異なり

闇、魔、冥(隠し属性) しか扱えず


戦闘ステータスが高いものの・防御ステータスが低めで

マギステータスが高め ヒールの受ける量が少ないとあり

姿は勿論髪型も一切変更不可になっていた。


 しかも...右こめかみ付近から一際長く伸びて別れた二本の房が自由に動かせるのだ

参考にした”オルティア・レコード”の作中にも髪を自在に操るキャラクターが多数登場していたが

まさか自分がそれを備えるとは思わなかった。

試しにネーベリアの同じく左のこめかみから伸びている髪に絡ませると

デバッカーソフトウェアの如く色々な情報が多数のホログラムデスプレイとなって

脳裏に浮かんで来るのが分かったツリー状の物、ヘキサグラム上の物、機械語の羅列まで

全て手に取るようにわかるのだ


「すごいな、まさかこんな能力ちからまで備わっているなんてな」

と驚くと


[ ダメですよ、フレイ 勝手にわたしのコードを読まないで下さいね 恥ずかしいの♡ ]

とネーベリアが訴えた。

「ご、ゴメンって”恥ずかしい”って分かるの? 」

と本来ただのAIで有るはずの彼女が”恥ずかしい”と言ったのだ。

[ ふふ、当然ですよ OS:シーディアの末端たるベリアですよそれくらいの感情表現は

外部のクラウドサーバー群 ”ヒュードラ” のAI及びディープラーニングと巨大なアーカイブ

データ群 ”アルカーナ” と密接なリンクがありますもの

日々蓄積されていくデータから最適化とディープラーニングを

行い人々がそれらにアクセスする度に賢くなっていってますよ

 ”新暦(世界歴)”から5xx年の蓄積は伊達ではないです えっへん! ]

とドヤ顔を見せた。


[ ただし先の説明の通りそれらに問い合わせをすると

”リソース”を食べてしまうので

この世界の破壊不可能オブジェクトデータが犠牲になります尤も、すぐに復活するとはいえ

...ですが、再構築の際はシステム上に大きなセキュリティーホールが生まれます。

構築中はデータが不確定な状態なのでどんな異質な情報にすり替わるかも

知れません例え草一本のブジェクトデータでさえそうなると

連鎖的データパンデミック(崩壊感染)を起こす可能性は捨てきれませんので

わたし経由でのアクセスはなるべく避けるのが賢明ですよ。


 データの場合はハードウェアのプルアップ・プルダウン回路の様にはいきませんのでご留意を ]

と説明をうけた。

父から教わったハードウェアの知識が有って良かったと感じた瞬間でもあり

おいそれと彼女に問い合わせは出来ないなとも感じたのである。


「それにしてもこのアバターは可愛いな」

と改めて自分の分身であるこの少女体のアバター(仮想体)を自己ステータス画面で確認する。


もしボクが結婚して可愛い娘が出来たらこのアバターを譲ってやりたいが

それも不可能のようだった。


 何しろステータスの下にはこのアバターは斎木 涼のエルマーチップと完全に紐付けされており

いかなる理由があろうとも譲渡・削除・外観の変更は出来ませんと警告が表示されていた


 ボクの時代ではこのゲームに限らずVR利用可能空間内では全て共有のアバター

(仮想体)を使えるのだ

スキルなどはソフトウェアに則したものになるが外観は変わらないのである。


勿論、複数のアバター(仮想体)を持つ事も可能だが

ステータスの特記事項には こうも記されていたのである。


斎木 涼のエルマーチップのアバター専用領域は既に容量一杯で空きが有りません。


とあり先の警告文を合せて解釈するとVR利用可能空間内ではボク 斎木 涼は

いつもこの姿(アバター(仮想体))であるということである。

アバター領域でも数EBエクサバイト別途確保されているのだがコレが一体のアバターで

ほぼ占有しているとなるとどれだけの潜在能力ちからがあるかボク自身でさえもも分からなかった


 ともかく半ばうんざりしながらも誰も見ていないことをいいことに

ちょっとは、スカートを手で持ってみたりつまんで見たりくるくるまわって見たりと少女の

ロールプレイをしていた。

 今まではガタイのいい男だっただけにこの感覚はわりと新鮮だった。


「ふ〜〜ん お兄ぃったら随分と楽しそうじゃない これは開発のみんなに報告しなきゃねぇ」

となにやら聞き覚えのある口調で、扉を開けて其処には

ウンディーネ族の少女が立っていた。


「やっほー 涼兄ぃ わたしも自キャラで来ちゃった うわぁ 可愛いわぁ

近くで見ると違うわ んーかわいい 早速パーティー登録していい? 

って なにNPCって 涼兄ぃってNPC扱いなの」

と聞き覚えのある口調のキャラに頭を撫でられた

ボクを涼兄ぃと呼ぶただ一人の肉親であり妹の 斎木 雛 その人であった。




「どうかね、黒澤君 雛君はリンクイン出来たかね? 」

「はい、新国にいくにさん 無事リンクインプロセスが完了して今VR空間内ですね

此処かからは我々、開発ですら介入出来ません 後は雛さんに任せるしか手は無いですね」

とやけに真顔の黒澤


「所で彼の私が見せて貰った紳士風のアバター(仮想体)はどうしたかね? 

完全にロストしたのかどうかも含めて調査してくれたまえ 

データロストの可能性があるとなるとVR可能空間利用者にとっては大事だからな

我々の今の生活基盤であるITの根本が揺らぎかねんからな御神楽には私から伝えるが

二週間は社内でなんとかできるが次の定例会議まではどんな些細なことでも報告せねば

ならん 分かるな? 」

「はいっ 直ちにプロジェクトチームを開発内で立ち上げ調査いたします。 」

と黒澤は顔を強張らせた。


「あと なんだな 雛君にも彼との連絡役をやって貰うしか無いな

この中でアバター(仮想体)持ちは? 」

「あっ オレ持ってますよイゲン・ルート用に拵えていたのがあるんで」

「そうか、まぁ”暇”なときでもいいから 彼の手助けしてやってくれないか

あと部内でも共有アバター(仮想体)を拵えるとするか 経理に何と説明するかな」

これは、黒澤にとってふって湧いた幸運だった。

なにせ将来義理の兄になるかも知れない人物である

色々と心象を良くしておいて損はないと、大雑把な思考の持ち主である彼もこの時ばかりは

素早く算段が巡った。


「 ・・・ここで、午後のニュースです。 〇〇政令ブロック△△市付近で微量ながら

放射線が検出されました 身体には害の無いレベルですが△△市自治区の

住人は緩和減速剤の配布を受けて下さい 尚...... ...

政府では緊急に ”比良坂ひらさか会議” を... ...以上でニュースを終わります・・・ 」

と社内で昼休みにはいつも電源が入っているホログラムデスプレイにニュースが流れる。


 1000年前、今でこそインフラは日本では太陽光・地熱が主で

各家庭にも太陽光発電が100%普及していて

地熱は時常時電力を必要とする病院等の施設や家庭の夜間の時間帯のみ使用だが

過去は原子力発電をしていて使用済み施設毎地下の厳封施設 ”虚構の墓場” に

封印処理したと記録にはあるがそれも世界的事変で地形も変わり正確な所在は

政府の高官と関連技術者しか知らないと言う。


 それが時々、漏れて今だにこうして世間を騒がすのである。

「やれやれ、またか過去の負の遺産だな 半ば押し付けられた形とは言えいい迷惑だ」

新国にいくには目を細め剣呑な顔つきになる。


新国にいくにさん? 」

剣呑な顔つきの新国にいくにに黒澤は及び腰で問いかける。


「あぁ、済まない黒澤君ちょっと私事でね。

気にしなくていいよ まぁともかくこの件は君に任せる もし上との交渉事が生じたら

相談してくれていい」

「はいっ」 といつもの快活な顔に戻り早速開発内では

アバター(仮想体)捜索のプロジェクトチームが組まれたのは言うまでもない。



「って!っ ヒナ? 何で? ここに! ちょっと説明してくれるかな? 」

まくし立てたウンディーネ族の少女を可愛い姫袖をパタパタやって制した。

「ふふ 可愛いわ やっぱり ...って説明だったわね

んとね 端的に言うと涼兄ぃの ”救出” を志願したってわけ 丁度アバター(仮想体)も

有ったし こっそり兄ぃの創った世界って見てみたくてねちょくちょくインしてたのよ」

「それで現実リアルのボクの躰は? 」

「私の、職業何だと思っているの 医者よ医者、今は特別室で完全介護のベッドで保護されているわ

あたしね んとねぇ カテーテル挿しちゃったお兄ぃのアレに♡ 」

「うぅわ〜 サイアクだーぁ」

涼は可愛い少女姿でモジモジ照れて妹の顔に視線を合せて居られなかった。


「別にいいじゃない小さい頃よく一緒にお風呂に入った仲じゃない」

「でも、あの時とは違うじゃないか お風呂でいきなり引っ張られた時は流石にどうかと思うよ」

「アタシには無いからつい面白くて にょ〜ん と伸びて面白かったわ」

「もうその話はやめやめ でボクの躰の見立てはどう? 雛センセ? 」

これでも涼は雛の医者としての実力も実績も知っている。


「はいはい ...で、バイタルは意識レベルを除いて代謝も含めて全て正常よ 出る物も出てるしね

後お兄の髭剃るのにちょっと手間取って一杯傷付けちゃった ごめんね」

「帰還したら顎が無くなって居ないか確認しなきゃな で今は誰が現場の指揮を? 」

「相変わらず こんな状況でも仕事のことなんて真面目ね 

今は、 黒澤 健吾さんよ 知ってるでしょ? 」

「あぁ、彼か 信頼できる人物だ 流石、新国にいくにさん 人選に抜かりはないね。 」

「あとねぇ〜」

ボクは不安になっていた 雛がこんな口調で物言いする時は何か悪戯をして隠しているときだからだ。


「何? 」

「今度ウチの医療部門にイプシウス社製の最新の医療機器が入る事になったの」

「へぇそれはすごいね 良くそんなコネが有ったもんだ それとボクとの関係は何かな? 」

「えーとね、機器導入の件で御神楽氏と新国にいくにさんで取引をしたらしいの

お兄ぃのメディカルデータ全て提供する見返りにお兄ぃはその機器の恩恵に預かれるって訳

あとウチが専属の代理販売会社の契約も締結済みよ」

「ボクが、一番危惧してること分かる? 」

「お兄ぃの事だからまたファームウェアにバックドアやらマルウェアがーとか言うんでしょ? 」

「そう、よく分かったね。 」

「何年、お兄ぃの妹やっていると思っているのよ

新国にいくにさんも済まないと言っていたし とにかく承諾の電子サイン頂戴」

「しょうがないな今は事が事だいいよ と彼女の腕輪に電子サインデータの暗号列を送信する」

「はい どうも」


「所で、お兄ぃの状況聞かせてよ本来の目的はコレよ」

「実は... ...というわけで ボクだけがリンクアウト出来ない状況でね

ベリアも話した通りでやたら外部アーカイブにアクセスも出来ないから途方にくれていたトコ」

「そうねぇ現状はお兄ぃは此処では”NPC”扱いで誰かに聞き取りしようにも相手にされないって

事かぁ だから パーティーを組みましよってこと

お兄ぃとベリアはあくまで私のナビゲートバディ扱いになるからわたしが聞き取り等は

代わりに とりなしてあげる。

その代わりお兄ぃはお兄ぃで、システムをかいくぐるうまいやり方で情報収集をお願い

これ開発に持って行くから」

 流石は、合理的な思考を持ち合わせている彼女である 説明は理路整然としていた。

「うんそうだね とりあえずその方針で進めるかな あと気になったことが有ってね」

「気になる事? 」

「そう ボクのダイブプロセス中にシステム音声に割り込んで来たモノがいてね

そのモノが言うには


{貴男をお待ちしていました サイキ・リョウ 今から貴男はわたくしの用意する特別な肉体いえ

この世界ではオルテートでのアバター(仮想体)と呼ぶんでしたね

これに貴男の五感を接続します。


 それと貴男の腕を見込んでお願いがあります 

そこで貴男は、オルテートで世界樹ユグドラシルを見つけ

”混沌” を祓うのです そうすれば貴男の願いも自ずと叶うでしよう そうすれば

オルテートはふただび平穏になり貴男も貴男の世界へ戻れるでしょう

”特別な肉体”はこれからう一人の貴男なのです 

良いですか 頼みおきますよ これが貴男に取って良き冒険に成りますよう}


と言うんだよボクはコンセプト設計は関わっていても全てを把握しているわけじゃないから

雛はこういう謎解き好きだろ 考えておいてよ」


「分かったわ それと此処ではお兄ぃお兄ぃじゃなく ”フレイメア” なんだから自分のこと

”フレイ”と言ってよ ここで現実リアルネームはまずいしね?? 」

「うぅ、努力しよう」

「それで宜しい それにしても可愛いわぁ 

こんなにリボンやらチョーカーやらで着飾っちゃて まぁ」と

ぽんぽん 頭を撫でられる。


「やめてくれ 完全に今はこちらに感覚がリンクしているからサワサワするんだよ

女の子の感覚って初めてでね」

「当たり前じゃない コレが初めてじゃ無かったらドン引きしてたところよ

そのリボンやチョーカーて外せないの? 」

ボクの髪にはリボンやらがコレでもかというぐらいに

散りばめられていて、おまけに可愛いチョーカーまであり触ると


今は機能がロックされていて使用出来ません


 と警告がでるのだ

何か隠し能力ちからが有るかも知れない。

「それがダメなんだよ フレイメアの〇〇と言う名のアクセサリーと挿げ替えらしくてね

つまりリボンは同じフレイメアのリボンという別のデザインのと

交換出来るだけで無しには出来ないんだ ボクが身に付けているモノは全てさ まぁ

汚れる訳じゃないからこのままでも問題は無いけどね。 」


ふーんとうなずいたヒナは何を思ったのか、今度はベリアに

「ねぇベリアはフレイをどう思う 貴女の所見を述べて頂戴」

と学者の様な言い回しで問うた。


[ そうでですね端的に言えばすごく可愛いです ”妹” としては

フレイは誉高き ”姉” ですよ ]


「ふぇぇ、驚いたこんなに滑らかにすらすら所感が出てくるなんて

さすがは5xx年モノね ......あっそろそろ帰還の時間だわ

パーティーと身内登録お願い フレイ? 」

「いいよ 当然だろ」と

承認のメッセージが出てヒナとパーティーと身内登録が済んだ同時に

彼女のステータスも見えたがヒナは

「やはり ”フレイとベリア” は水色ネームでわたしのナビゲートバディ扱いよ」

「そうか、こちらは全て開示可能情報は見ることができるけどね

流石にアバター(仮想体)の身体基本データは不可だけどね 涼もといフレイはにやにやする

「もぅ、フレイのエッチ♡ 」

とこんな会話の後、


「うわ もう時間だわ 次回の非番まではイン出来ないから後出来る調査はお願いね

じゃ〜ね フレイ かわいいわたしの”妹”ちゃん」

とヒナはポリゴンブロックになってリンクアウトしていった。


帰還した雛は慣れないダイブ後の疲労感も何処へやら暫くニヤニヤ笑いが

止まらなかった。


「あ〜ぁ、行っちゃった とりあえずリンクアウト出来ないこの身である

階下の NPC リア にもう一晩泊めてくれとお願いしてみるか」

と階下に行き NPC リア に聞いてみた

「あら、フレイじゃないもういいの? もっといていいのよ」

と驚くべき返答が返ってきた

「お金無いんですけど いいの? 」

と聞くと 

「同じ ”NPC” 同士でしょ遠慮しなくていいわ」

とまるで”NPC” 同士のコミュニティが有るかの様な反応である。


「ふふ、驚いた? 私達 ”NPC” ってね独自のコミュニティがあるの 知ってた? 」

「いいや、」 と答える。


 当然である

システムの窓口でもある彼ら(NPC)はあくまでもシステムの一部であるので

住人では無いからである。


「まさか、本当に異世界に迷い込んだ? 」

「ふふ、そう感じるのも無理は無いでしょうね私達”NPC”って基本的には

あのポータル世界から出入りしてるエトランスとは事務的な反応しかしないもの

彼らには彼ら、私達には私達の”世界”があるの


「私達は私達で独自のネットワークがあり、あのポータル世界から出入りしてるエトランスとは

違うわ貴女も 新米の ”NPC” でしょ時々あのポータル世界から産まれるの

貴女の様ながね ほらあの人の横をご覧なさいな」

と噴水型のポータル・オベリスクから今まさに 

”NPCパックを購入してかわいいサキュバスの” がプレーヤーにつき従うところだった。


「あら、今度はサキュバスのね可愛いわ でも貴女フレイはマスター無しで彼処から生まれたの

初めてよ こんなこと

しかも ”ネーベリア様” まさか貴女様まで此処に降り立つとは思ってもいませんでいたわ

その”ネーベリア様” のマスターでいらっしゃる貴女フレイは何者? 

...... まぁ、私達が推し量るべき事案ではないですね。 でも貴女フレイは”NPC”の中でも特異な存在

で有ることは確かなこと。 


 驚いた事に”NPC”視点からは

一般プレーヤーはどうやらポータル世界から出入りしているエトランスという認識らしい。

OS:シーディアの一部でもあるネーベリアは”NPC”達の間では大きな存在で

しかもボクはその大きな存在のマスター扱いらしい事も今の会話から読み取れた

一体、どうなっているんだ? それも含めて調査の必要が有った。


「では明日、ナビゲートマウント手に入れるまでいていい? 」

「当然よ、貴女のような可愛いは大歓迎よ 後貴女の事は”NPC”達に明日になれば

全部知れ渡るわ 仲良くしましょ メアちゃん」

と気さくに声を掛けられた。


 何はともあれ、活動拠点を定めねばならずベリアにナビゲートマウントの事を聞いてみた

「ねぇ、ベリア ボクはナビゲートマウント購入の権利はある?。 社会人だし既定は満たしていると

おもうけど? 」


[ 購入の権利は勿論有るわフレイ 貴女にはナビゲートマウントを一刻も早く手に入れて貰いたいわ 

ベリアもそこで早くゆっくりしたいの ]

と最早、驚きしか出ない反応でおねだりをされる。  


「そうだねここは ボ......いや フレイにまかせてポケットマネーで購入するから」

と早速ポータル・オベリスクで腕輪を操作して結構な金額のナビゲートマウントパックを

購入した そして大人数用のナビゲートマウントを引き当てる事を祈ってパックを開封した


えい、ままよ


と するとおめでとう御座います

激レアアイテムを引き当てました


レーヴェンティール (マンタ型浮遊タイプ)

最大サイズ (一辺が2.5kmの正方形に収まるくらい 最大高さ500m)

小さな森やポータル・オベリスク (オベリスク名:レーヴェンティール)付きです


 と手の平サイズのサンプルデータを良く見ると

オニイトマキエイ(マンタ)型のナビゲートマウントで

背に当たる部分には杜が広がっていて可愛い家までついていて一本の大樹の根で

覆われていたポータル・オベリスクはどうやらこの大樹らしい

コレは嬉しかった。


他にも

ハーピー 足に掴まれて運ばれる 

ガーゴイル 手に抱えられて運ばれる

グリフォン 背中乗り

ワイヴァーン 背中乗り

ユニコーン 背中乗り

ペガサス 背中乗り

ディアボロス(悪魔)手に抱えられて運ばれるか背中乗り用がある。


 等でオーナー登録制で未登録品は売買可能で価格も様々であり

ゲーム内ショップで売られてもいるが

今回のマンタは激大当たりで世界でも数年に数本しか出ないうえ

しかも杜や拠点付きとなると更に確率が低いと後にヒナから聞いて

ボクはびっくりしていた。


オーナー登録しますか?

  

はい いいえ


の選択肢が出てボクは迷わず はい を選択した。

すると アイテム名が フレイメアのレーヴェンティールに変わり正式にボクのモノになった


このナビゲートマウントは以降チョーカーから呼び出せます

ポータル・オベリスクに触れることでホームに変更可能です


但し、郊外で呼び寄せて下さい街内では呼び出し不可

現在上空待機中

 

 のシステムメッセージが表示された

行って見たいのはやまやまではあるがもう何者も奪うことは事は出来ないし

今日はもう眠い、アバター(仮想体)とはいえ実際は脳が活動していることには変わりは無く

宿の部屋で一泊することにした。


チョーカーを触ると今度はメニューが表示され


レーヴェンティール喚び出し

の項目が追加され


 コレはフレイメア専用メニューですメニュー項目は更に拡張可能です

一部開放に伴いネーベリアのデバック機能の全てを移動しました


 とあり腕輪のネーベリアのデバック機能全ての項目がグレーアウトした

ままチョーカーメニューに移動していた

もとより外すことは不可能ではあったが

これでますますチョーカーは手放せなくなってしまった。


 眠気が襲いベッドに靴のまま横になるが中の人は生粋の日本人である

どうにも落ち着かない。

流石に靴だけは脱げるだろうと試したら

やはり女の子用の靴 普段現実リアルで履いているサンダルやごついシューズととは違い

足の甲が大きく開いていて大きなリボン飾りもついている乱暴に扱わないようおそるおそる

丁寧にストラップを外す

今の時代では当たり前だが、こういう所までこのVRは再現していた。


 コレは簡単に脱げてフリルのソックスでワンピースドレスのまま休む

アバターの目が閉じると同時にボクの意識もまた睡魔に誘われ無事一日は終わった。

次回 5話 ポータル・オベリスク 〜レーヴェン・ティール〜

お楽しみに


活動報告にフレイメアの拠点とネーベリアの第二形態二種を追加しました

みてみんのリンクに飛びます

リンク貼り忘れ修正しました


注 作中のプルアップ・プルダウン回路はデジタル回路が誤動作しないようにするための

回路です


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