遠藤徹の記憶 2
時間が時間なのか通行人は自分達の他に老人しかおらず、彼等は千里と白の方を珍しい物を見るような顔で見つめているが徹の方には視界入っていないようだ。
「明日、私達は人を殺します。」千里は歩きながら突然言う。
「次の敵はまたあなたと同じ学年の生徒。この方はとある理由から母方の交際相手を殺します。罪悪感に心を壊された彼女はいずれ力を制御しきれなくなり世界を崩壊させます。」
「明日殺さなければ、人間は全て死にます。」淡々と千里は語る、徹と白は無言で彼女の言葉を聞きながら歩いている。
「…さて、着きましたね。」千里が歩くのを止めた数歩先には地面から2.5m程の巨大な岩が生えていた。
木の様に地面から生えている岩は所々から緑色の苔を生やしており、じっと見つめていると中から青色に光る文字が浮かび上がってきた。
【力を持つもの。他の四つの力を壊せ。さすれば貴様の願いは叶う。】
「…四つ。」徹の呟きを聞いた千里は徹の横に並びポツリと呟いた。
「見えますか。」
「あぁ、力を持つもの。他の四つの力を壊せ。さすれば貴様の願いは叶う…。」徹の言葉を聞くと表情を変えぬまま話を続ける。
「そうですか、私と違いますね。」
「違う。」
「ええ、私には【力を持つもの、全てを予知し、その身を捧げよ】と書いてあるように見えるのです。」徹が驚いたように千里の方を見るが表情を変えぬまま淡々と言葉を続けた。
「多分、力を持っている人は全てを終わらせたら神様かわかりませんが、願いを叶えてもらえる権限があるんですよ。でも私には無い…。だから私は最終的には殺される運命なのです。」千里は諦めたような顔をしてそう言った。




