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遠藤徹の視点 7

 血の気の失せた表情で黙っている徹に対して千里は楽しそうな笑顔を浮かべながら問いかける。

 「さてさて、証拠はここにある。きっと警察の方々もこれを探しているのでしょうね。それでは質問です。あなたは私達に協力しますか?」千里の楽しそうな笑顔に敗北感を感じているのか唇を軽く噛みながら徹は言った。

 「わかりました。」その言葉を聞くと千里は変わらぬ笑顔で白に話しかける。

 「聞きました?」

 「ええ、聞きましたよ。」

 「言いましたわね。」

 「確かに言いました。」

 「やりましたわ。」

 「流石お嬢様です。」感情がこもっていないような言い方で千里に答える白はやはり表情に変化はない。

 千里は問題の答え合わせをする先生のように僕に話をしてきた。

 「さて、疑問に思っている事でしょう。私達がなぜこの証拠を持っているのか、そしてあなたの母親があなたの気絶している間に現場になぜ居るのか。疑問でしょ?一つ目は私があなたを尾行するように白に命じていたから。二つ目は…。多分あなたの事だから予想出来ているのでしょ?」僕を尾行していたという事か?なんで僕みたいなただの人間を尾行していたのだろう?僕に力なんて無いのに。

そして母さんが井上を殺した犯人。正直信じたくないし、その証拠が作られた物だと思いたいが目の前で見せられ聞いてしまったのだから認めるしかない。仮に偽物の証拠だとしても母親が犯人という可能性は0%ではないのだから断る権利は無い。

もし、証拠が本物なら僕の母は人殺しだ。例えそれが僕を守る為だったとしても、いけない事だ。

『あんな人間に人を殺す勇気なんてないのだから助けに来なくても良かったのに』と母親を攻めたい気持ちになる。僕の尾行をしていたのだったら助けてくれても良かったのではないのかとか考えても無駄なのだろう。

 そして僕の母親が僕の居場所が解ったわけ。ボイスレコーダーの中に入っている発信器を使って僕の所に来たのだろう。電源が入ったら発信器も電波を発するように出来ているのだろう。ボイスレコーダーを一度解体した時に入っていた怪しい機械はそんな機能を持っていたのか。

 「表情から察するに答えが解ったのね。確認はしないけれどそれで正解ですわよ。じゃあもう一つ問題。私の特殊能力はなんでしょう?」

 彼女の質問に対して冷静に考えている自分がいた。人間意外と頭は回るものだな。特殊能力があるという前提で話は進んでいるが、この金持ちの心の病のせいでそのような事が起こっているという可能性が一番高い。だがそれを否定する立場ではない。もし否定をしてしまったら母親が警察に捕まってしまう。だから今はあの石板が生えてから超能力に目覚めたと考えるんだ。

 キーワードは僕を尾行していた理由。

Q.なぜ尾行していたか?A.僕に超能力があるから。

Q.なぜ超能力があると解ったのか。A.それを知ることが出来るのが彼女の能力。

Q.超脳力者の存在を感じ取る力?A.それだと未来の事は解らない。

Q.なぜ彼女は世界が滅びる事を知っているのか?僕以外の超能力者の存在も先ほどの言動から居るという事を理解していた。A.それを知るのが能力? 

「未来予知。」僕は考え付いた答えを呟くと軽く微笑み千里は言った。

「正解ですわ。私の能力は未来予知、とはいえ目覚めたばかりのせいか自分が見たいというタイミングではなくいきなり映像が流れ込んでくるのです。たとえば世界の崩壊、あなたの超能力開花。夢の中で流れる事もあれば起きている間に映像が流れてくる時もあるのよ。これをどうやってうまく扱えるようにするかが問題ですわね。」自分の説明をしたところで千里は少し咳をして再び説明を始めた。

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