店長視点 世界よ、平和に
僕の名前はトンバーサ。
いまは地球にいる。
僕はこことは違う世界で生まれた。
だいぶこの世界と似ているが、作られ方は全く違う。
僕のいた世界では魔法が使えたのだ。
とはいってもいきなり魔法が使える訳じゃあない。
小さいころから少しずつ魔力に変換させる練習をするんだ。まぁ、魔力がどうして魔法になるかはよく分かっていないんだけどね。
しかし、この世界ではどういう訳か魔力に変換できないんだ。
だからここでは魔法が全く使えない。
もとの世界でかけた魔法は効くんだけど。
じゃあなんでそんな世界にいるのかって?別に僕だって来たくて来たわけではない。
僕はもとの世界であの国の政治のやり方に不満を持っていた。たしかに皆が仲良かったが、あれでは他国に攻められた時に全く歯が立たない。そんな生ぬるいやり方は嫌いだった。
そんな時に僕はリーダーに拾われた。
リーダーも今のやり方に反発しているという。
他の人もやっていたからだろうか、僕はあっさりリーダーに名で縛られてしまった。名で縛るとはお互いが了承した場合に名前に誓って相手に一生従うという魔法だ。簡単にいえば契約みたいなものだ。
しかし、その後に知ったのだ。クーデターの計画を。
確かに僕も武力は必要だと思っていた。だが、その為に人が犠牲になるというのは嫌だった。
勝手な自己満足かも知れない。だけど、なるべく平和にしたいだけだった。
反抗しようにも僕はリーダーに名を縛られた身。どうする事も出来ない。
そんな時、僕に仕事が回ってきた。
地球へ行き、とある子のパソコンという物の中に魔力を籠める。その後、その子を自然に招き、幻覚を見せてから手紙を渡すというものだ。
恐らくリーダーは私が計画に反対している事を知っていたのだろう。
だから僕に魔法を使えないようにこの仕事を僕に割り当てたのだと思う。
断ろうにもどうすることも出来ない。
リーダーにこちらが善であることを伝えろと言われた。
そうして僕はこの世界へ来た。
僕はリーダーに言われた通りに魔力を籠めた。途中で目を覚ましてしまったが、恐らく僕の姿は見えてなかっただろうし、魔力も光にしか見えないだろう。
そして今はその子、鷹鷺心がやって来るのを待っている所だ。
もちろん魔力を与えるにあたって彼については詳しく調べてある。
それらの情報からおびき寄せるには書店が良いと判断された。
まったく、僕は店員とかやったこと無いんだけどなぁ…
お、心君がやって来た。
女の子を連れてる。彼女さんかな。
とにかく最初は夢として幻覚をみるはずだ。そこら辺はあちらの世界でやる筈だ。
入り口で倒れたらしく、連れ添いの女の子が運んできた。
奥で横にしとこ。
彼は30分もせずに起きた。
何か理由を言いつつ本を5冊お買い求め頂いた。
これらの本は自腹なので有難い。
後はさりげなく本に手紙を挟んで渡すだけだ。
・・・なんか連れ添いの女の子が妙な視線でこちらを見てくる。
もしかしてばれたとか?
まぁ、どうでもいいや。もう。
ところでさっき手紙と言ったが現時点ではあまり正しくない。
あれはまだただの紙で、リーダーが書こうと思った内容がそのまま紙に書かれる。心には最初から書かれているように見えるだけで。
だから僕にも彼が何を伝えられるか分からない。
ただ、彼には不幸になって欲しくない。
おこがましいかもしれないが、願わくば彼にあの国を救ってほしい。
昨日投稿予定でしたが、どうも間に合わず...
どうも申し訳ありませんでした。
なんか完結という雰囲気ではないですが、これ以上書く話もないので。
心のその後とか書こうかと思いましたが、あまりにも平凡すぎるので...
今まで多くのかたに見ていただき、ありがとうございました。
お陰で無事に完結することができました。
これからも宜しくお願いします。
という訳で、早速ですが、新作投稿してみました。
ガラリとジャンルを変えて今度はラブコメ(?)です。
「桜の舞う頃に」ぜひ見てください。




