ヴィーン視点 提案
お久しぶりです。ヴィーンです。
そんなに時間はたっていないから「久しぶり」というのはおかしかったでしょうか。
先程心を送り返してから仮眠をとったのですが、未だに疲れが取れません。
こちらの世界と心の世界は時間の流れが違うようで、私が10時間程寝てようやく心の目が覚めたようです。
心をリンクさせておけばお互いの状況がある程度分かるし、私程になればこちらの状況を悟らせない事も可能なのです。
早速彼の世界を覗いてみましょう。
この水晶に魔力を流すだけで見たい場所を自由に見れるのです。便利でしょう。
…別に私にストーカー癖があるから知ってるわけではなく、敵の動向を探る為に王族に伝わっているだけですからね!勘違いしないでください!
あ…心を縛ったままでした。
暴れられたら面倒だったので縛ったのですが、反応が面白かったのでほどくのを忘れてしまったようです。
まぁ時間はあるでしょうし、お茶でも飲みながらゆっくり観察しているとしましょうか。
ふふっ、抜け出そうと必死な様子を見ていると面白…いえ、心が痛みます。
そんな様子を察したのか、お兄様がいらっしゃったようです。
ほどいてしまうとはつまらない。
まぁ心様が勘違いされたようでざまあみろなのです。
おほん。とにかく早く変えて貰わなくては。別に後でも大して変わらないのですが、そこは気持ちの問題です。
あと、モタモタしている間に魂を破壊された時点でもう手遅れなのです。
そんな気持ちが伝わったかのよう彼はパソコンに向かい始めました。
にしてもパソコンに魔力を宿したのですか…感心できる事ではありませんね。
通常は魂を削って魔力へと変換します。私達の場合は幼いころから少しずつ練習させられるため、効率良く変換する事ができます。しかしあちらの世界では練習することが無いため無駄に魂を削る事になります。そのため下手したら一度の魔法で魂が砕けてしまいます。
しかも未だに解明されていませんが、あちらの世界ではあまり効率良く魔力への変換が出来ないのです。
一説によるとあちらの空気に我々が馴染んでいないからとも言われますが、実証するにはリスクが高すぎて研究は進んでいません。
しかしパソコンに魔力を宿せば彼自身は魔力へ変換する必要がありません。
なので魔力の持つ限り魔法は使えます。
しかし問題はその魔力をどこから持ってきたかです。先程説明したように魔力は魂とほぼ等しいので、魔力を抜かれれば魂を抜かれるようなものです。
一体誰の魔力なのやら。
そんなことを思っていると心が不吉な事を考え出した。私の敵に回ろうと言うのだ。
全くそんな事を考える余裕があるとは。服従魔法とかかけておいた方が良かったかしら。
とりあえずメールで釘を刺しておかねば。召喚した時にメアドも確認しておいたから問題はない。電波のみを適当にあちらへ飛ばせば届くことは既に確認済みだ。
そういや名乗っていなかった事も思い出したし、ついでに名乗っておこう。
その後も案を考えていたが、適当な理由を付けて却下しておく。あっさり通してはつまらないもの。
そしたら彼は驚く案を出してきた。
力を捨てるというのだ。
・・・何を考えているのかしら。そんな事をしたら私の暇潰しが減ってしまうじゃない。
でもコレまでの案を却下してしまったのは私だ。
さりげなく引き返すようリードしてみるが、彼の決心は強い。
これはもったいない事をしましたね。
でもまぁ、それが今のところ一番確実ですし、諦めるしかないですね。
最後に念押しをして、後は下らない話を続ける。
彼女は自分の心に穴でも空けてしまったような不思議な気分だった。
ヴィーンはツンデレでした。心と似ています。
時々口調が変わるのは私の力不足です。
次回は店長視点で完結予定ですが、読みたい視点などございましたら容赦なく教えてください。
これ以上キャラはいない筈ですが...




