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提案

気がつくと自分の部屋だった。


あれは夢だったのか?


一瞬思ったが、その考えはすぐに無いと分かった。

なぜかって?そんなの簡単だ。見れば誰でもわかる。


縛られたままなのだ。

ほどけよ。何の嫌味だ。全く動けないじゃないか。

しかも今日は学校があるんだぞ。行きたくないけど。


そんなことを考えているうちに兄貴に見つかった。

兄貴がまだいるんだったら学校は余裕だな、などと考えつつ、このままでは仕方がないので変な目をされながらほどいてもらった。


「俺は個人の趣味にとやかく言うつもりはないが、あまり人を巻き込むなよ。」


うん、そんな風に誤解されますよね。普通。兄貴にエクスクラメーションがつかないほどに引かれてまっせ。自分。

だから見つかりたくなかったんだ。見つからなければずっとこのままだったけれども。



なにはともあれ脱出できたのだ。喜ぼう。

ふと時計を見たらまだ4時だった。

そりゃ兄貴がいるわけだ。

しかし時間が微妙だ。二度寝したいけど今寝ると時間に間に合わなくなりそうだ。さて、どうしよう。


あっ。さっき会った彼女に言われた通り何か案を考えなきゃな・・・一応俺も原因の一端であるというのも間違ってないしな…はぁ、面倒臭さいな。


放置というのはどうだろうか。

いいや、駄目だ。彼女等は魔法が使えるんだ。最悪こっちの世界まで道連れにされそうだ。

彼女等は救うことは大前提だな。

いやいっそのこと店長側につくってのはどうだろうか。おぉ、良い案ではないか!


その時俺の携帯にメールが届いた。

なんだ?俺にメールする奴なんて家族以外にいるか?


見ると、送り先は知らない人だった。ちなみにソフ○バンクだ。


「最初から分かっていれば魔法の兆候は読み取れますからね。もし私達に危害を加えるよう力を使ったら・・・分かってますね。ちなみに私の名前はヴィーンです。彼女などと呼ばないで下さい。気持ち悪い。」


彼女からでした。

最近の魔法使いってメールも使えるんですね。わぉハイテク。

あと最後で思いっきり罵倒されてる気がする。うん、気のせいだ。そんなキャラじゃなかったもん。彼女、じゃなくてヴィーンさん。


とりあえずこっちの考えてることはお見通しってことですか。


じゃーどうしよう。

普通にヴィーンさんたちが勝った世界やもともと何も起きない世界を書けばよくね?


不意にメールが来た。だいたい予想つくけど。


「いいえ、彼らもあなたの事を警戒しているはずです。別世界の過去に干渉するほど大きな魔法に気付かれないはずがありません。」


だとすると干渉するのはこちらの世界のみ、しかしその結果あちらが助かるようにしろと。

王族はもともと強いらしいから過去の俺が干渉できなくすればいいってことか。


だとすれば過去の俺が今の様子を書かないよう書けばいいかな。それならば問題ない。


「いいえ、それはその場凌ぎにしかなりません。その場合、あなたの家族を人質にしてでも書かせるでしょう。」


そこまでして俺にやらせる理由あるのかな。ヴィーンさんにばれてるんだから俺がやる必要ないだろ。


「いいえ。私達はそちらの世界で魔法は使えません。あなたが特殊なのです。ところが厄介なことに妨害をするためには同じ世界でなくてはできません。そして一度そちらの世界へ行けば魔法が使えないため帰れないのです。」


つまり俺が魔法を使えば妨害するためにはこちらに来なくてはならないが、一度こちらに来ればもう帰れないと。


「そういうことです。」


なんと厄介な…

だとすれば・・・俺が思い浮かぶ案はひとつだけだ。


俺にもともと力が無かったことにする。

異世界人だって機械は使えます。電波は通っていないけれど、どうゆう理屈かメールは届きます。

そしてとうとう心の力がなくなります。

というわけで次回、最終回「すべての終わり(仮)」です。

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