第一話 『迷子と勧誘』
この本を読んでくださる方たちへ
この作品は、私の処女作です。
ですので、誤字や脱字がたくさんあると思います。
その時は、コメントで思いっきりしてきしてやってください。
そして、
読む時に、詳しく考えないでください。
私は、考え過ぎて読むと内容の裏をかいてしまうと思っています。
一文、一単語を心で見てください。
そうすれば、どんな本でも楽しめると思います。
では、最後までお楽しみください。
「これは予想外!」
三条東哉はあまりにも大きい校門の前で、立ち止まっていた。
東哉は特別区受験で受けたから、ここに来るのはこれが初めてである。
特別区受験、通称『特験』。この受験方法は、この学校ならではの受験方である。それは、高校の先生が受験者の学校に行き、近隣の受験生の受験を一気に行うというシステムだ。なぜ、こんな方法があるかというと、この『月宮総合芸術学園』は、『アイドル科』『音楽科』に分かれている『芸能科』、『美術科』『文学科』に分かれている『文化科』があるからである。
そのため、他県からも絶大な人気を誇っている。
「噂には聞いていたけれど、これは予想外だ。少なくとも、ディ○二ーランド以上の大きさはあるぞ。」
東哉は驚きを隠せないまま、校門をくぐり、本校舎を目指した。
歩くこと五分、東哉は、本校舎を前にして、またもや驚いていた。
(ここ、本当に東京?どこにこんな校舎作る場所があるんだろうか?)
中に入ると、玄関ホールは人でいっぱいになっていた。みんな、自分のクラスの貼りだしを探しているらしい。
とりあえず、東哉も自分のクラスを探すことにした。
(音楽科はっと・・・C組か)
意外と早く見つかったので、廊下が混む前にさっさと教室を目指した。
(廊下まで広いな・・・王宮に劣らない大きさだ・・・。)
辺りをキョロキョロしながら廊下を見渡していると、ちょんちょんと背中を叩かれた。
ゆっくりと後ろを向くと、Мサイズの少女がたっていた。
しかし、Мサイズの少女は何も言わず、ポーっとしていた。
「どうかしましたか?」
東哉から声をかけてみた。
しかし、
「・・・」
反応はなかった。
「もしもし、どうしました?」
二度目の挑戦。すると・・・!
「はっ!すみません、ついポーっとしてしまいました。」
そう言って、Мサイズの少女はペコリっと頭を下げた。
「それで、俺に何か用?」
東哉が質問をすると、Мサイズの少女は少し恥ずかしそうに言った。
「はい!アイドル科のクラス棟を探しているのですが、どこかわかりますか?」
Мサイズの少女がいう『クラス棟』の意味がわからなかった。
「ごめん、クラス棟って何?」
そう東哉が言うと、Мサイズの少女は、少し驚いていた。
「何って、クラス棟ですよ。学科別で分かれているじゃないですか?」
(・・・思い出した。確か、学科ごとに、東・西・南・北と中央の五つの棟に分かれているらしい・・・)
東哉は申し訳なさそうに
「んーごめん、わからないな。」
と言った。
続けて東哉はこういった。
「あの、俺も自分のクラス棟わからないし、一緒に探さない?」
Мサイズの少女はパァっと笑顔で
「是非、お願いします。私は、アイドル科一年C組の一宮 姫海です。よろしくお願いします。」
と言った。
「俺は、音楽科一年C組の三条 東哉。こちらこそ、よろしく。」
お互い自己紹介が終わったところで、各自のクラス棟を探すことにした。
探し始めて三十分後・・・
「まさか、最後まで当たらないとは・・・」
完全にお疲れモードの東哉。
南→東→北→西の順番で探していたけれど、
見事に外れた。
姫海に至っては、ヘトヘトで、何も喋っていない。
「まあ、何はともあれ、HRに間に合って良かったよ。」
と東哉は疲れきった声で言った。
姫海も、なんとか笑顔を作って、
「はい・・・ありがとうございました。」
と今にも途切れそうな細い声で言った。
「一息ついたところだし、俺も、自分のクラス棟にもどるよ。」
そう言って歩きだそうとした東哉に姫海は
爽やかな笑顔で、
「本当にありがとうございました。これから三年間、よろしくお願いします!」
と言って、控えめに手を振った。
それから五分後・・・
(やっぱり広いな・・・。)
東哉はクラスホールを見ても、もう、驚かなかった。というより、耐性がついてしまった。クラス内を見渡しても、驚いている生徒はいなかった。
自分の席に着くと同時に、先生が教室に入ってきた。そして、お決まりのあの言葉が出てきた。
「みんなー席につけ、HRを始めるぞ。」
そうして、高校最初のHRが始まった。
それから数時間・・・
入学式など一通りの日程が終わり、放課後になった。生徒の大半は、部活動見学に行くらしい。
しかし、部活に入る気のない東哉は真っ先に玄関ホールに向かった。
途中には、たくさんの勧誘チラシが貼ってあった。
(結局、高校生になっても、かわらないのか・・・)
そんなことを考えながらチラシの前で立っていると、ちょんちょんと背中を叩かれた。
もしやと思って振り返ると、そこには、今朝のМサイズ少女の姫海がいた。
「どうしたんですか?そんなところでぼーっとして。」
と、にこやかに言った。
「いや、まあ、考え事。」
「・・・?」
「そういえば、入る部活もう決めましたか?」
姫海は深く追求せずに、話題を変えた。
「俺は、部活はやらない予定だけど・・・。
一宮は?」
「んー、私はね、アニメーション制作部に入ろうと思ってるんですよ。」
意外だった。見た目からして、アニメとは無関係そうなのに。
「よかったら、三条くんも一緒に行ってみませんか?」
「まあ、暇だし、見学だけなら。」
せっかくの誘いを断るものわるいし、特に忙しいわけでもないので行くことにした。
東哉と姫海は、校舎から少し離れたところにある文化部棟を目指して、歩き始めた。
歩き始めて約五分。ようやくついた文化部棟は予想どおり、かなり大きかった。
「いい加減このでかさにも慣れてきたな。」
と呆れた顔と声で東哉は言った。
「そうですね。このくらいの大きさじゃもう、驚くことはありませんね。」
苦笑いをうかべ姫海も同じく呆れた声で言った。
「とりあえず、そのアニメーション制作部部室に行ってみるか。」
そう言って二人は、門をくぐった。
部室探しから二・三分・・・
文化部棟の中に入ってからはすぐ見つかった。
「ここが、アニメーション制作部部室。」
「なんか、変なオーラがドアからでてるな。」
見るからに怪しいオーラを放っているのは二人共すぐにわかった。
少しためらったものの、深呼吸してから、ドアをノックした。
コンコンッ
「はーい。どうぞ!」
部長と思わしき男の人の声がした。
「失礼します」
と二人で言ったあとに、姫海が、
「部活の見学にきました。」
といつもの笑顔で言った。
部室を見回すと、パソコンやら、スケッチブックなどが、ずらりと並んでいた。
ドアの前から部室内を見ていると、まるでアニメ制作会社のようだった。
「見学の方ですか?どうぞお好きに見て回ってください。」
メガネの女生徒はそういって、視線を分厚い本に戻していた。
「こらっ紗映!もっとにこやかに話さんか!二人共困っているだろ!」
そう言って奥の部屋から出てきたのは、先生だった。
「すまんな、コイツも悪気があったわけじゃないんだ。もともとこういう奴だから、気にしないでくれ。」
と先生は苦笑いしながら言った。
すると、メガネの女生徒はムッとした顔で
「余計なお世話です!」
と言って再び視線を本に戻した。
先生と部長と思われる男子生徒は、苦笑いをしていた。
東哉と姫海が、どうしたらいいかわからないで戸惑っていると、男子生徒が二人の前にたって言った。
「俺は美術科三年で部長の鳳 慎だ。立ち話もなんだし、中でお茶でも。」
そう言って、お茶の準備をし始めた。
言われるがままに席に着き、出された紅茶をすすりながら一息着くと、部長の慎は、
「とりあえず、自己紹介と部活動の説明を終わらせちゃおうか。紗映よろしく。」
メガネの女生徒は、『なんで自分が』と言いたげな顔で説明を始めた。
「私は、文学科二年の小峰 紗映です。では、部活動の説明に入ります。」
ととても不満そうな顔で自己紹介を済ませて活動の説明に入った。
「この部活は、名前から分かるように、アニメを制作する部活です。現時点では、私達を入れて、五人います。」
・・・・・。
沈黙があったので、東哉は恐る恐る聞いた。
「以上ですか?」
そうすると、紗映は面倒くさそうに、
「以上ですが何か?」
と言った。
慎はため息をつき、紗映の説明に付け加えをした。
「年二回夏と冬に行われる、学園祭で出展したり、ネットアニメとして公開したりと、いろいろな活動をしていくんだよ。」
部長は続けてこういった。
「こんな部活だけど、俺たちは、本当にアニメーションの制作が好きなんだ。俺は思う。『楽しいことはスクリーンの中にある』と。」
慎が、名言のように言った言葉は、妙に頭の中を循環した。
ガラッ!
姫海は、勢い良く席を立ち、大きな拍手をした。
「感動しました。なんと素晴らしい言葉なんでしょう!」
ひと呼吸おいてから姫海は言った。
「私、この部に入部します!」
慎は、とても嬉しそうに言った。
「本当か?君の名前は?」
「はい。アイドル科一年の一宮 姫海です。これからよろしくお願いします。」
と光るような笑顔で言った。
それから姫海は、部活の詳しい活動内容や、活動歴、アニメーション制作のジャンルなどいろいろなことを小一時間ほど聞いていた。
「さてと、一通り語り尽くしたし、今日はお開きにしようか。」
と慎は言った。
「はい。今日は本当にありがとうございました。明日から、よろしくお願いします。」
と満足した顔で言った。
帰りの準備が終わり部室を出ようとしたとき、
「ところで君の方はどうだい?部活。」
と慎は期待した顔で東哉に勧誘をしてきた。
しかし東哉は、
「すいません。まだ決めきれません。」
と申し訳無さそうに言った。
「そうか。まだ時間はたくさんあるし、焦らずゆっくり決めるといい。気が向いたら、また見学をしにこい。」
と少し残念そうにしながらも、期待感のある顔をしていた。
その期待は、東哉にとっては、辛いものだったが、東哉はあまり目を合わせないようにして会釈をし、部室を去って言った。
その後、成り行きで寮まで一緒に行くことになった姫海と東哉は、少しの間、沈黙にあった。
しばらく沈黙が続いた後、姫海が口を開いた。
「なんか、楽しそうな部活でしたね。」
「あぁ。そうだったな。」
と東哉も反応はしたものの、そこはかとなく元気がなかった。
「三条くんも一緒に入部しませんか?」
と、気を使いながらも、誘ってくれた。
東哉は言った。
「ごめん。さっきも言ったとおり、まだ決めきれない。」
と少し笑いなが言ったものの、その目は曇っていた。 一話完。
この度は、『俺たちのアニメーション制作はこれからだ!』を読んでいただきありがとうございます。
はじめましてウット!です。
まず、短くてすみません。
私は、アニメが大好きです。
でも、アニメになっているようなシナリオは書けない。
その時ひらめいたのが、この作品です。
『シナリオの中でシナリオを作る!』
しかし、始めての作品のため、とても短いです。
なので、このあとがきまで読んでもらえるのは、もうたまらなく涙が溢れてきます。
定期的な掲載はできませんが、これからも勉強をしながら続きを書いていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いします。