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プロローグ

 筆者は初心者です。

 誤字、脱字、文法間違い等が多々あると思われます。

 稚拙な文章ですが、よければ見てやって下さい。

 覚醒と半覚醒の間をゆらゆら行き来する感覚。

 視界が右から左へ自然と流れ、往復。手足がずんと重く、動かそうにも億劫で……心から沈んでいくような不思議で、妙に心地の良い。それは自覚したらどこかに消えてしまった。

 ふと気がつくと俺は教室の教卓、黒板の前に立っていた。

 右を見て左を見る。はて、俺はいったい何をしていたんだろうか?

 かしげる首を外にやると夕暮れに染まる校庭が見える、とうに下校時刻は過ぎているだろう。

 黒板の上に設置された時計に目をやるが、ぼやけて針が見えない。おもむろに目頭をもむもむ。


「春幸?」


 不意の声にはっとし、振り返ると教室の後ろ出入り口の戸に手をかけ、意外そうな顔で俺を見つめる男がいた。

 はるゆき?

 ……そういえば俺の名前は春幸だった。

 桜坂春幸、生まれてから17年ずっと付き合ってきたこの名前を一瞬でも忘れるとは……。普段から「お前ってぼけーっとしてるよな」とかよく言われるが、これは流石に笑えない。


「こんなところで何してるの? ……って春幸、聞いてる?」


 机の間を縫って友人である小暮秋広(いま思い出した)は近づいてきた。


「ああ、悪い。ちょっと考え事してた」


 視線を下にやる、とても同い年とは思えないちっこい可愛らしい感じの生き物がむっとした表情で俺を見上げていた。アキは同年代の中でも特に身長が低い、加えて童顔。まあ俺が育ち盛りの成長期真っ只中ってのもあるかもだけども、頭一個分ほど違うと流石に……ねえ。

 念のため先に言っておくが、俺にそっちの趣味は無い。あしからず。


「ホント春幸ってぼけーっとしてるよね」


「それほどでもない」


「んー、褒めてないんだけどね。っていうかさ、ここ……」


「ここ? 教室みたいだけど……俺らのじゃないな、どこだここ?」


「……え? 教室ってなにが?」


「なにがって、ここだろ。ここ」


「んー、ここって言われても……」


 なんだか話が全く噛み合わない。凄くどうでもいいんだけど、さっきからここここ連呼してる気がする。いや、実際しているんだけど。

 頭を掻きつつ思考していると、道端に見たことのない植物がポツポツと生えているのに気がついた。

 それらは妙に葉が大きく、二枚しかない葉の間にちょこんと綿菓子を置いたような、まるで子供が書いた出来の悪いたんぽぽみたいな、言葉にはし難い形を……ん?


 ……道端?


 慌ただしく周囲を見渡すと、そこは教室ではなく見知らぬ住宅外だった。

 並ぶ家々はどれも似たような形、その周囲は塀で囲まれていて人の気配は全くしない。

 俺たちはその塀で作られた十字路のちょうど真ん中に長い影を引いて立っていた。


「えっ、あれ? アキ、きょ、教室どこいった?」


 アキは何言ってんだこの人って顔を数秒、一転して満面の笑みを浮かべ


「んー、春幸君? 失礼ですが、頭大丈夫ですか?」


 殴りたい、この笑顔。

 可愛らしいからよけいに腹立つ。


「あれ、俺さっきまで教室にいたのに。お前もさっきまで……」


「……さっきまで?」


「教室に……」


「教室に?」


「いたじゃん!」


「え? いた覚えないけど……?」


 俺が言葉に詰まるとアキはくりんと癖ついた前髪を触り出し、少しうつむいた。

 言葉を選んでいるようだった。

 

「……んー、よく分からないけど僕はさっきからここにいたよ。春幸を見つけたから……ぼけっとつっ立って何してるのかなー、って声かけだんだ」


 つっ立っていた? このどこかも分からない道の真ん中で?

 訳が分からない、頭の中がぐるぐる回る。

 寝ぼけていたのか、白昼夢でも見たのか、確かにさっきまで俺は教室にいた……はず。

 再度周囲を見ると、夕暮れから多分さっき教室にいたときと同じくらいの時間だと想像出来る。街並みはどこか嘘くさく、現実味のないぼやけたような妙な感じ。

 凝視するとちゃんとそこにあるんだけど、視界の隅では捉えられないような、なんというか変な感じ。

 違和感を感じる、これが一番手っ取り早く的確な表現。


「なぁ、アキ。ここどこだ? ってか俺、ここに至るまでの記憶が全くないんだけど……」


「ここ? ここは……」


 一瞬、視界にノイズが走る。視界というか空間がブレて歪んだ。耳鳴りのおまけ付き。

 ここは……? なに? 肝心なところを聞き逃した。ブレる? 世界が?


 ……え?


 気がつくとアキの左手が砂時計のように少しずつ、きらきらと輝きながらその形を崩していた。

 アキはそれを気にとめる様子もなく、急に眠たそうな表情を作ると目頭を擦り、その形を崩していく左手をぼんやりと見つめていた。

 とっさに声が出る。

 が、耳鳴りで聞こえない。

 消えかかった左腕を掴むが触れた瞬間に拡散。きらきらと周囲を彩り雲散霧消。

 反射的に後ずさる。

 よく見ると左腕だけではなくアキの全身が少しづつ左腕と同じように消えていく。

 再度声を出す。なんて言ったか自分でも分からない、聞こえない。

 周囲の全てがぶちまけたビーズのように粒子状に分解され始める。

 世界が解けていく。


 「アキ!!」


 俺が大声でアキを呼んだ途端ノイズは消え、さっきまで頭が割れそうなほど鳴っていた耳鳴りもおさまった。

 異常な状況について行けない俺はアキの方に手を掲げたまま硬直、静寂がその場をつつんだ。

 

 無言。


 しばらくしてアキはふと笑みを浮かべ「……僕もう行かなきゃ」そう呟くと一転して表情を寂しげに変えた。

 アキの声にビクッと反応する、俺は状況が把握できず思考が完全に停止していた。

 出た言葉といえば凄く間抜けな声、久しぶりに自分の声を聞いた気がした。


「待ってアキ、行くってどこに――」


 再びノイズが走る。視界が歪む。


「ご……春幸、いま……う……けど……き…………」


 壊れたラジオみたいにアキの声が途切れ途切れに聞こえる。

 え? ごめん、なに? よく聞こえない。

 俺が声を出す間もなく、突如として周囲が完全に解ける。

 ついに俺の手までも粒子状に分解され始め、手から肘、腕が完全に解けて鎖骨まで分解が進み、本気でヤバイと思ったその刹那、暗転。


 俺の意識は消えた。



 読んで頂きありがとうございます、感謝感激であります。

 初めて小説を書いてみましたが、本当に難しい……。

 書くの遅いですが頑張って書きますので、良ければ次も見てやってください。

 感想にダメ出しして頂けると嬉しいです、喜びますMなので。

 それではまた。

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