第3話
「この周辺の地図、それと今までの天候、流行り病の症状を教えてほしいのだが」
「はい、すぐに用意させます」
近くの神官に声をかけて、俺がいったものを準備させるようだ。
「至聖なる神。お疲れは出ておりませんでしょうか。こちらの世界へ旅をなされ、お疲れになられる至聖なる神々もおられますゆえ」
「心配はありがとう。だが、今は大丈夫だ……」
と言ったとたん、腹の虫が大騒ぎを始める。
それを聞いてか知らないが、神官がこちらの世界のごはんやらを持ってきてくれた。
「準備にしばらくかかると思いますので、どうぞその間にお食べになられてくださいませ」
「ありがとう」
答えながら、ごはんとしてその陶器のような皿に盛られた、見た目はブドウや柿のような果物類を眺めていた。
白米がすでに懐かしいものの、ここではどうやらこれしかないらしい。
「……いただきます」
ゲテモノが出てくるよりかははるかにマシだ。
思いながら、まずは柿のようなものを一つ手に取り、そのまま食べる。
これらは調理する、というものではなくそのまま食べるのが正式のようだ。
「うっまっ」
思わず声が出る。
甘さはもちろん、脳が完全に覚醒する、うまさが直撃し、何も考えられなくなる。
したことはないが、アッパー系の麻薬でも打った時はきっとこんな感じなんだろう。
全知全能、万能完璧、今ならばきっと空だって飛べることだろう。
そんな、とてつもないエネルギーを秘めたものだ。




