第一章7話 ???? 結婚式?
「ギャギャ?」
「ギャギャグギャ!」
-き、気持ち悪い...なにこいつら。
いくら光源があるとはいえ、洞窟内は基本薄暗い。
そこに両目を光らせた化物が道いっぱいにびっしりと埋め尽くされている。
-これ軽く100体は超えてるよね...流石にこの身体とはいえこの人数を相手に勝てるか...ん?なにか困惑してる?とりあえず今の内に『看破』してみよ...ってキングガリルの能力しか使えないんだったね。
能力説明欄に完全顕現したもの以外の能力は扱えないという記載を思い出す。
-なんでさっきから膠着状態が続いてるんだろ?あ、そっか。そういえばこいつキングガリルだったね。ははーん、見た目からしてキングガリルのお仲間だな。
先頭にいた1番背の大きい化物が喋り掛けてくる。
「ギャ!ギャギャグギャ?!...ギャギャ!?」
この身体のおかげなのか、何となくだが言っていることが伝わってくる翻訳するとこうだ。
(王よ、急に出て行かれてどうされたのですか?!...これは!?)
-まずい、キングガリルの死体の処理をしてなかった。
何か言い訳をしないと...
「こ、こほん。我々の縄張りを荒らすものがいたのでな、我が返り討ちにしてやったわ!」
(な、なんと!?こんな大事な日にそんな無礼者がいるとは!いくら同族といえど許せませんな!傷一つなく圧勝とは流石は我らが王!)
--ふぅ、こちらの言葉も向こうに伝わるようで良かった。大事な日って、何かあるのかな?
(そうだ!せっかくなら我らでこの死体を解体して今日の晩餐にお出ししましょうか?)
-こいつら同族でも食べるんだ、まぁ魔物に倫理観とかはないだろうしね
「そ、そうだなそちに任せてもよいか。」
(えぇ!任せて下さい!おい、お前ら何をぼさっとしてる!さっさといかんか!)
後ろにいた化物が何人かキングガリルの死体に急いで向かう。
(まったく、今日は王の大事な式があるというのに愚か者めが...)
吐き捨てるように、元王に向かって暴言を吐く。
「そ、そうであろう!こんな大事な式の日にこの愚か者めが!ん?式...?」
(ささ、戻りましょうぞ王よ!姫と対面して直ぐに出て行かれましたから姫も困惑してますぞ)
「ま、待て待て待て!式とはなんだ?」
(ご冗談を、今日は王と姫との結婚式ではありませんか!!)
「...はい?!??」