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7/25

第一章5話 ???? 完全顕現

level:42

名前:???? 

種族:キングガリル Lv7

加護:なし

称号:なし

HP:2000/2000

MP:80/80

攻撃:2125(+325)

防御:1000

魔法:0(50)

抵抗:10

技巧:10

速度:200

技能:

 Epic Skill:王者の覇気/筋力増強Ⅲ/筋肉ダルマ

 Rare Skill:猪突猛進/衝撃波

 Common Skill:嗅覚強化Ⅰ

耐性:

 物理耐性 Lv3

 破壊耐性 Lv2

 打撃耐性 Lv5

 斬撃耐性 Lv5

 刺突耐性 Lv5


「……」


思わず言葉を失った。


(僕のステータス……攻撃も防御も“1”。それが今は攻撃2125、防御1000。桁どころか世界が違いすぎる。

この攻撃表示の横に描かれている( )はスキルによる補正値だろう。

そもそも比較すること自体が間違ってるな。僕は紙切れ。こっちは鋼鉄の城。どうやって勝ったんだよ、僕……)


自嘲混じりの笑いが漏れる。

けれど同時に、背筋を震わせるような高揚感が込み上げた。

――今、その“鋼鉄の城”を纏っているのは、他ならぬ自分だ。


そのとき、画面の奥にうっすらと“もう一つの枠”が透けて見えた。


(……あれ? 裏に僕の本来のステータスが残ってる?)


覗き込むと、「Lv6/ナニカ」の数値。

そこからスキル一覧を呼び出し、『模倣―完全顕現』のスキル詳細をタップする。



《unique skills『模倣―完全顕現』》

•Active Skill

魔石を消費し対象個体を解析・模倣、その存在に完全に成り切る事が可能。

体積超過対象も模倣可能。

但し完全顕現中は模倣対象の能力しか扱えず、HPとMPは本体とは別枠で模倣対象を参照する。

ストック数1/5


(……別枠!? 顕現した姿が倒されても、本体は無傷……!? しかもストックは5つまで!?)


衝撃に思わず喉が鳴る。


「……これ、命を着替えの鎧みたいに使えるってことだよな。実質、残機が5つ増えたも同然じゃないか」


鳥肌が立った。

あまりに理不尽な性能に、頬が勝手に緩む。


「ふ、ふふっ……僕、最強になっちゃった?」


自分で言って、自分で赤面する。

もし鏡があれば、筋肉ゴリラがにたりと笑っている不気味な姿が映っていたことだろう。


(あー……ダメだ。客観的に見ればただのホラーだな、これ)


「それに...」


ちらりと視線を擬態している壁に向ける。


(先程分身を作り擬態させていた壁は解除されていない、恐らく()()()()()に使用したスキルは問題ないのであろう...これは夢が広がるね。)


興奮しきった思考から冷静さを取り戻そうと、深呼吸を一つ。

だが――。


「ギャギャ! ギャグギャ!」


洞窟の奥から、不気味な咆哮が響いた。

擬態させていた壁が振動でビリビリと揺れる。


(……!? まだ何かいる!)


慌てて壁の擬態を解除すると――。


一本道の通路を埋め尽くすように、無数の小型の猿型魔物が姿を現した。

体長は1メートルほど。キングガリルを縮めたような容貌。

赤い瞳が一斉にこちらに向けられ、牙を剥き出しにする。


「「「ギャギャギャァ!!!」」」


――洞窟の空気を震わせる、群れの咆哮が響き渡った。

ご一読頂きありがとうございます!


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