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第一章3話 ???? 初戦闘

「グギャーーーー?!!」


狭い通路にけたたましい叫び声が鳴り響く

それと同時に獲物目掛け真っ直ぐこちらに突進してきた。


「ちょちょ、待って待ってそんなテンプレいらないって!!」


幸い知能はそれ程までに高くないようで狭い通路にその巨体をぶつけている。

唯、その勢いは凄まじく壁を削りながら迫り来る。


-何こいつ"力こそパワー"を体現したような筋肉ゴリラめ!あんなの僕の紙装甲じゃ掠っただけで死ぬってば!


迫り来る化け物から逃げる為に踵を返し来た道を全速力で走り抜ける。


-このままだと、あの化物のせいで倒壊して瓦礫の下敷きになっちゃう。そんな無様な死に方だけはごめんだね!自分が元いたあの大広場に逃げれば通路が更に狭くなっているからあの筋肉ゴリラは来れないはず。


大広場に繋がる道が徐々に狭くなっていきやがて人1人がギリギリ入る広さになっていった。


-やっぱりつっかえてる、今の内に何か対策をたてないとあいつ完全に僕を狙っている。あの様子じゃしばらく諦めないよ...だってずっと僕に向かってドラミングしてるんだもん。


安全を確認し急いでステータス画面を開き直す。


-ずっと気になってた、『嘘偽り』の能力説明について

「対象の嘘・偽りも看破可能」

これはつまり相手の正体を暴くって事なんじゃない?

僕の予想が正しければ擬似的な()()もできるのでは?


筋肉ゴリラに目線を向けスキルを唱えてみる。


『嘘偽り-露呈』


level:42

名前:なし 種族:キングガリルLv7


「level42!?高すぎでしょ!序盤で出ていいモンスターじゃないって!!」


一部しか看破は出来なかったが、それでも十分である。


-こんな化物勝てっこない...相手が諦めるのを待つしか...


バキッ!バキバキ!

「グギャーーー?!!!!!」


身が竦むような叫び声と共に通路の壁を破壊し広場へとキングガリルが侵入してきた。


「嘘でしょ?!...壁をぶち破ってきた!!」


後ろは行き止まり、前には獲物をようやく追い詰めご満悦の化け物が顔を歪ませゆっくりと投げキッスしながら近づいてくる。


-逃げ場は、ない。やるしかない...


絶対絶命の状況、相手は圧倒的な強者であり。

対してこちらは一発でも攻撃を貰えば散ってしまう弱者である。

産まれたばかりの子鹿がライオンに挑むようなものである。第三者からみても一方的な殺戮が行われるのは予想がつくであろう。


-何故だろう。

危機的状況だというのに、怯えるどころか気持ちが昂っている自分がいる。


「もしかして楽しんでる?死ぬかもしれない状況で?」


その目は決して諦めていなかった。迫り来る化け物を睨みつけ相手を倒す手段を考える。


-ははっ、いいじゃん。

ぶっつけ本番になるけど、全ての能力を使ってあのふざけたゴリラねじ伏せてやる。




「グギャギャ!!」


開戦の合図のように甲高い雄叫びをあげながら

キングガリルが破壊した壁の岩を使い、凄まじい勢いでこちらに投擲(とうてき)を繰り出してきた。


『天邪鬼-反転』


その瞬間、飛んで来た岩が目の前で止まり、逆再生するように飛んできた数倍の速度でキングガリルに跳ね返る。


「グギャァ????!」


まさか自分に返って来るなど思いもよらないキングガリルは動揺しその岩の直撃をもろに喰らってしまう。


-やっぱりだ、想像していた通り飛んで来た岩の()()()()()()()させ相手に跳ね返す事ができた。


その強靭な巨体により岩は粉砕され、粉が散り散りに舞い少しの間目眩しとなった。


「ギャギャ??」


キングガリルの視界が開けた先には、先程までいた獲物が2体に増えていた。


『模倣』で自分を真似した擬似分身を作り上げたのだ。


-模倣は自分の身体を使うから、HP・MPも分身に分け与えなければいけなかったのは誤算だったけど、撹乱できればそれで十分。


自分の分身体を精密に作る場合本来であれば体積の半分、HP・MP値も半分させなければいけないのだが今回は体積もHP・MPも1割程度しか分身に分けていない。


ハリボテの分身で相手を()()()なら十分だ。


キングガリルは最初こそ戸惑いはしたが、本体が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()迫って来る獲物に対して一切の迷いなく巨腕を振り上げる。


ガシャンッ!!


その巨腕が鈍い音をたてながら、容赦なく撃ち砕く。

()()()()()()()()を。


「ギャギャ??!」


獲物は仕留めたはずなのに感触がまるでない事に不思議そうに腕を眺めている。


それもそのはず、『嘘偽り』の「嘘・偽りに対する補正極大」の能力によってハリボテの分身を本物だと信じ込ませたのである。


「僕はここだよ!」


飛び上がり、自分の右手に全神経を集中させキングガリルの屈強な腕を再現する。


「全身は無理だけど、片手だけならお前の腕も再現出来るんだよ!僕とお前のステータス()()しようよ!」


模倣で作り上げた強靭な腕が、屈強な巨体を軽々と吹き飛ばしたのであった。

ご一読頂き有難うございます。


面白いスキル・能力等あれば参考にさせていただきます!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『天邪鬼』の使い方が非常にユニークで「こう来たか!」と主人公に感心しました。 [一言] 続きも読んでみます!
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