ノベル10
友の声
焔篇…簡潔!
犬の声
簡潔じゃなくて、完結だろ!!意味分からんぞ!!
~第Ⅹ話 魔法の世界~
雨は止む気配を見せていない。
「…では私も魔法を使わせてもらうか。」
焔は片手を前に出した。
そして詠唱。
手の前に赤く光る小さな魔法陣が表れた。
…くるぞ、飛沫。
お嬢様の声が体内に響く。
「魔法なんて信じたく無いが…信じないといけなさそうだな。」
足を踏み締め、すぐに避けれる体制をとる。
男の詠唱が終わる。
「-インフェルノ」
魔方陣から大きな焔が列となり真っ直ぐ俺の方へ飛んでくる。
上級魔法!?あいつ、魔術師か。
その焔の列を跳んで避けた。
「単純な動きだなぁ、焔の速度が遅いぞ!!」
焔はあざ笑い、
「生憎この天気だからな…。
それと油断は禁物だぞ?」
また片手を上空の俺に向け、詠唱無しに魔方陣が表れた。
「-ヴォルケイノ」
陣から大きな焔が出てくる。
動きは遅いが、確実に落下してる俺に近づいている。
連鎖魔法! …こいつ、かなりの腕だぞ。
「そんなことより回避法を考えろよっ!!」
あぁ、そうだったな。手をあいつみたいに前に出せ。
俺は右手を前に出す。
同化したから私の魔術の基本の記憶は分かるはずだ。
「んなっ-!!」
焔はもう少しであたりそうだ。
目測で約30秒ほど。
やるしかないのか。
右手に全神経を集中させる。
…上条○麻じゃないからな。
そして、本当は目標が見えなくなるためにやってはいけないが瞳を閉じる。
-そして唱えよ。己を守る術の名を。
「-クリナム!!」
高圧の水が陣から流れ、大きな焔の球にあたる。
…しかし球は消えない。
「おい、消えてないぞ。」
焔の球にあたるまで約5秒。
…そう言えば初心者だったな。まぁ焔の球も小さくなったじゃないか。
「バーカ…。」
焔の球は俺にあたった瞬間に爆発した。
そのまま床に垂直落下し、背中を強く打った。
爆音が異世界にこだました。
「痛っ…!くそ、なんなんだよ!」
土煙が舞い上がる中、俺は口にした。
私も一応痛いんだぞ?同化してるからな。
まぁお前との同化率が低いから余り痛くないが-
「後で聞く、お嬢様。」
頭をこれ以上混乱させるな。
立ち上がって焔を見る。
…魔法は駄目だな。
雨で少しは増しても威力が低過ぎる。
お嬢様が体内で話し掛ける。
「だったら俺の得意分野でいく。」
焔は既に詠唱をしていた。
そして両手を前に出す。
「アルテマフレイム!」
両手で創られた大きな陣から焔の塊がとんでくる。
あれはヤバい、飛沫!!
避けろ!
「嫌だね。」
左肩は相変わらず痛む。
だが両足は健全だ。
地面から足が離れる。
足を空中で横に思いっきりふった。
「水刃脚!」
蹴を放ったところから水の衝撃破が生まれた。
それはかなりの大きさ。
焔の塊とぶつかる。
その瞬間、強い爆風が生じた。
水しぶきが上がる。
「うわっ、何だ!?」
魔法と魔法との相殺の時に生じる衝撃だ。
だがお前…いつからあんな力を?
「さぁな、俺も全然分からん。」
水しぶきが晴れだした。
男は笑っている。
「お見事、さすが巫女殿だな。
そして使者も。」
「-!!」
全身に違和感が走る。
どこかに…飲み込まれるような感じ…。
「おっと…もうこの世界はもう保たないか。」
焔は残念そうに言い、
「それではご機嫌よう。」
と頭を下げた。
「…飛沫。」
今度は後ろから声が聞こえる。
振り返るとそこにお嬢様がいた。
他にも一般人がいる。
帰宅しているもの、買い物に来たもの。
「戻った…?」
これが日常。
さっきの非日常から無理矢理引っ張られても余り実感出来ない。
夢…じゃないのか?
「左肩、まだ痛むか?」
そう言えば…スーツに穴が空いている。血も滲んでる。
…だが身体には怪我は無い。
少し痛んでるが。
「まだ少し痛い。ていうか全く理解できない。」
巫女ってなんだ?
使者ってなんだ?
異世界ってどこだ?
同化も…。
「…屋敷で色々説明する。だから帰ろう。」
「…そうだな。」
駅の切符売場に行く。
ガチャン
思わず溜め息が出た。
「お嬢様…。」
また改札口の扉が閉まってる。
警告音も鳴っている。
「すまない…行き方を忘れてた。」
屋敷の時計は7時をさしている。
そこで問題が起きた。
「あぁっ!買い物結局してないじゃんか!!」
もうここは屋敷の中だ。
「本当だな。忘れてたよ。」
「何しに行ったんだ…。」
一人落胆する。
「私は満足だぞ?飛沫と映画も見れたしな。」
笑顔で言われた。
自然と微笑み返した。
まぁ…いいか。
「じゃあ今日はお嬢様が嫌いなもの尽くしだ。」
「えぇっ!?何でだよ!」
「それが冷蔵庫にあったしな。我慢しろ、買い物行ってないんだから。」
「え~…。」
…やっと日常の実感を得たかな。
心の中でそう思った。
~ novel 10 end ~
友の声
ああ…おわったぜ
犬の声
それよりはやく、続きかけよ!
友の声2
そのうちな
犬の声
早くしないとストックが切れるぞ
友の声
う…………
依然として、友人は続きを書いている様子ではないので、ああ、このあとどうしよう