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つまり、俺が彼女の夫でして  作者: 森都 めい
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2. 親子の気持ち

初めて投稿します。

よろしくお願いします。


誤字の訂正と、行間の修正をしました。


◇ランスロット・ヴォルグ(コーリヒトの父親)



コーリにこんな話をする日が来るとは思わなかった。

いや、コーリの結婚相手は私が見つけなければと思っていたし、そろそろ考えないと、と思っていたからいいのだが、相手がなぁ。

もっとコーリのことを考えて見つけてあげたかったと思う。


コーリは、父親の私が言うのもなんだが、いい子だ。

いい男になったと思う。

コーリが生まれたときは、私も仕事が忙しくなり家にいることが少なくなっていた時だったが、兄2人がかまってくれて、3人で父親1人分だったような気がする。

子育てといっても、3人目の男の子となると『まあ、いいか』という気持ちもあって、平民の子が行く初等学校に入れてしまったし、そのあともあまり考えもせず男子中等学校に入れてしまったし。

中等学校を卒業したら本人から騎士学校に行きたいと言われたから、全寮制の一番近いところに行ってもらったが、結局中等学校から男子校で、近しい女性といったら母親か、侍女と使用人しかいない状況になってしまった。


次男のトリスは、顔が母親似で優しい顔をしているせいか女性の友達も多くて、コーリのことも気にかけて友人の女の子を紹介していたみたいだが、当の本人は女性が苦手らしく、私もちょっと心配していた。

それなのに、結婚相手が貴族のご令嬢では、コーリには荷が重すぎるのではないだろうか。


顔合わせは2週間後と伝えたけれど、実は、お話を子爵様から頂いてからかなり日が経っている。

どうやってコーリに伝えようか思案しているうちに1週間程経ってしまった。

なるべく、重い話にならないように結婚話を軽く言ってみたけれど、あの話し方でよかったのかわからない。


コーリには、この話は私たちにはお断りすることはできない、と言ったけれど、子爵様としては多分、私たちが断ってくることも考えていると思う。

あの方は、権力で他人に何かをするような人ではない。

私も20年以上も子爵様のもとに仕えているのだ、そのぐらいはわかるさ。

ただ、そうしなければならない何かが起こったから、私たちを頼ったのだ。

私にできることなら、子爵様のことをお助けしたい。

それがたとえ、私ではなく息子が被ることでも・・・コーリには悪いが。



子爵様の家ことで、いやな噂が流れている。

私も真相はわからないが、その噂はアグラン市の隣にあるこの町にも届いている。

娘が老婆になる奇病にかかったとか、子爵様に隠し子がいたとか。

もちろん噂を信じるつもりはないが、火のない所に煙は立たないのではないか、ご令嬢との縁談は噂と全く無関係とはいいきれないだろうと、私は思っている。

顔合わせまで、子爵様からの言葉でお話を聞くまで、コーリの耳にこの噂が入らないように願う。



◇◆◇



◇コーリヒト・ヴォルグ



は~あ。


親父殿の話を聞いてから、ため息が止まらない。

何かをするたびに思い出し、ため息をついてしまう。

俺は、何をしたんだ?

全く身に覚えのないことで、いつ子爵様に目をつけられたのか・・。

俺が結婚するってだけでもハードルが高いのに、相手が貴族のご令嬢だなんて!


ご令嬢のイメージなんて、わがままで、価値観が庶民と違っていてさ、あ~、家のこともしてもらえないんだろうか。

それって、ちょっと寂しい。

やっぱりさぁ、家のことをいろいろやってくれて、帰れば笑顔とおいしいご飯を作って待っててくれるのが理想じゃん?


俺は、町長をやっているが、結局は庶民だよ。

料理人もいなければ侍女もいないし、執事もいないよ。

そういうこと、わかっててお嫁に来てくれるんだよね。

いやいや、家のことはちゃんとやってもらおう。


どんどん気持ちが沈んでいく・・・、よし、ご令嬢のイメージをいい方向で考えてみよう。

美しくて、髪が長くて、いい香りがして、きれいなドレスを着ていて。

そう言えば、兄になるキースライノ様は、目は切れ長だけどきれいな顔をしているよな。

あの女性バージョン・・・うーん、全く想像できない!

キースライノ様がドレスを着ているだけになってしまう。

俺、想像力ないのか、ちょっとへこむ。

でも親父殿も、彼女はかわいらしい顔をしていたって言っていたし。

可愛い人が俺のお嫁さんか・・・。

だめだ、そっちもハードル高すぎる!


あー、頭の中がごちゃごちゃしている。

考えすぎて頭が爆発しそうだ。

とりあえず、一人で考えていたって結論は出ないんだし、顔合わせの時にいろいろ説明してくれるっていうし、今は考えても無駄なことを気にしたってしょうがない。


それより、顔合わせ当日何を着ていけばいいのか、その方が大問題だ!



読んでくださり、ありがとうございます。

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