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つまり、俺が彼女の夫でして  作者: 森都 めい
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12. 結婚祝いの宴 その2

行間の修正をしました。


笑顔が疲れてきたころ、やっと人足が少なくなってきた。

おお、このあたりだな、兄上に教えてもらったことを実践するのは!



「マーヤ、疲れただろう、ちょっと座っていなよ。」

俺は侍女のジゼルを呼んで、椅子に座るのを手伝うよう伝えた。

母上のほうを見ると、すでに椅子に座っていた。

さすがだ、状況をちゃんとわかっている。

そして、ここで間違えてはいけないってことだな。

「母上、何か飲みますか?

持ってきてもらいますけど。」

俺は兄上に教えてもらったとおりに、まず母上に声をかけた。

「コーリ、ありがとう。

そうねぇ、じゃあ白ワインをもらおうかしら。」

「わかりました。

マーヤはどうする?」

「では、ミカンのジュースをお願いします。」

「ジゼル、悪いけど持ってくるの、お願いできるかな?」

「かしこまりました。

コーリヒト様には何をお持ちいたしますか?」

「あ、じゃあ、俺も白ワインをお願いしようかな。」

「かしこまりました。少々お待ちください。

何かつまむものもお持ちいたしますね。」

おお、さすが貴族の侍女!隙が無いぜ。



少し休んでいると、向こうから俺を呼ぶ大きな声が聞こえてきた。

「コーリー、来てやったぞ。」

「久しぶり~、おめでとう~!」

「おー、ほんとに女性と一緒にいるぞ~。」

あー、あの声は!ほんとに声がでかいよな。


ゆっくりマーヤを立たせ、侍女にドレスの裾を直してもらって、飲み物を返して、としているとやっと近くに声の主たちがやってきた。

「おい、ほんとにコーリが女性といるよ。

明日は嵐じゃあないよな。」

「近くで見ても、すごくきれいな女性だぞ。

これは・・・、コーリ、大丈夫か? 俺が代わってやってもいいが!」

「コーリ、見ないうちに大人になって。

俺はうれしいぞ。」

お前は俺のおとんか!


「マーヤ、すまないが少しがまんしてくれ。

俺の幼馴染と、騎士学校の先輩たちだ。

そして、みんなこの街の警ら隊に所属しているんだ。」

「これは、コーリにはもったいないくらいの女性だ。

俺たちは、コーリの一つ上の学年だった、フムスと、」

「ウォルターです。 以後お見知りおきを。」

「俺たちは子供のころからの腐れ縁の、ウィーロとサンノとネイトです。

よろしく~。」

「リルマーヤと申します。 どうぞよろしくお願いします。」

「ほら、マーヤが困っているじゃないか。

今日はありがとうな。 じゃあまたな。」

「なんだよ~、コーリー。

久しぶりに会ったんだから、もっと話そうぜ。

あれやこれや、いろいろ聞きたいんだよぉ。」

「いや、俺は話すことはないから。 今日は来てくれてありがとうございました。

それでは、皆さんも忙しいし、俺も忙しいから。

じゃあ!」


わざわざ来てくれたのはありがたい。

先輩に対しても失礼なのはわかっている。

しかし! 早々に帰ってもらわないとコイツら、ヤバい!


「ま、冗談は置いといて。

それにしてもよかったな、コーリ、お前が結婚するなんて!

一生独り者かと思っていたよ。」

「まぁ、その点に関してはこの縁をもってきてくれた親父殿に感謝かな。

あ、さっき叔父上と話をした時に話題に上がった、俺が剣で勝てなかった相手がこいつ、ウィーロだよ。」

「まぁ、もっと屈強な方だと想像していました。

こんなにスラっとした方だったんですね。」

「何を俺の話で盛り上がってんだよ~。

ウィーロンドと申します。

コーリとは幼いころからの腐れ縁ですので、なんでも聞いてくださいね。」

「お前のこと、褒めていたんだよ。

こいつはこんな感じだけど、剣筋がきれいで、無駄がないんだよね。

剣も力だけではないってことだよな。」

「リルマーヤさん、何かあった時には駆け付けますので、どうぞお呼びください。」

「俺がいるから、お前は来なくていいんだよ。」

「あの~、そんな学年上位の人たちに守ってもらえる状況にはあいたくないので・・・」

「それもそうだな!」


大笑いしたところで、先輩が俺の首に腕を回してきた。

「コーリヒトくん!いろいろ聞きたいことがあってね、こっちはうずうずしてるんだよ!

奥さん、ちょっとコーリヒト君をお借りしますよ。

さぁ、あっちで酒でも飲みながらゆっくり話そうぜ、コーリ。」

「え、奥? あ、私のこと?

行ってらっしゃ~い。 ご武運を~。」

え、それ、今言うセリフで合ってる?

俺、今から戦場に向かうのか?

やっぱりこう来たか!


「ごめん、マーヤ、ちょっと席を離れるから~。」

俺は、別れの叫びもむなしく五人に俺の周りを固められ、その場から離れて会場の中に連れ出された。

そして、根ほり葉ほりいろいろと質問攻めにあい、親父殿に呼ばれるまで解放させてもらえなかった。

親父殿、もっと早く呼んでくれー。

五人からのあまりの突っ込みに、俺の心はノックアウト寸前だったぜ。


やっと帰る気になった五人を見送り、俺はマーヤの元へ戻った。

俺がもみくちゃにされ、這う這うの体で戻ってきたというのに、マーヤは母上と一緒に楽しそうに軽食をつまんでいた。

「あら、リヒト様、もう帰ってきたのですか?」

「コーリ、見ない間にやつれた感じね。」

マーヤと母上は、俺を見て笑っている・・・。

まぁーいいけどね・・・二人の仲がいいんなら・・・。



もうしばらくすると、人足が途絶えてきた。

「残っている人たちは私の知り合いだけだ。

あとは私とモルドで相手をするから、お前たちは休んでいいぞ。

一日ご苦労だったな。

リルマーヤさん、コーリヒトを頼みますよ。

こいつは、しっかりしてそうに見えるけど、どこか抜けていて、三男坊だから甘えん坊だし、なぁ。」

「もう、親父は一言多いんだよ。

では、お言葉に甘えさせてもらって、俺たちは休ませてもらいますよ。」

「お義父様、ありがとうございます。

これからよろしくお願いいたします。

すみませんが、後をお願いします。」


俺たちは二人、会場を後にして部屋へ行った。

母上は、一足先に休んでいるようなので、挨拶は明日となった。

宴の会場になっていた広間は別棟だったので、寝室のある母屋へ行き、マーヤに部屋を案内した。


「ここにいる間はこの部屋を使ってくれ。

今日までは侍女さんがいるけど、明日にはコンヴィスカント家に帰ってしまうだろう。

積もる話もあるだろうから、明日の朝はゆっくり起きればいいよ。

俺も明日の朝は遅めに起きるつもり。

あ、俺の部屋は隣だから、何か困ったら呼んでくれ。」

「ありがとうございます。 別々の部屋なんですね。」

「何かまずかった?」

「いえ、・・・お心遣いありがとうございます。」


あ・・・、ぼふんと言いそうなぐらい、多分俺の顔は一瞬で赤くなった、と思う。


「まあ、そ、そういうことは気持ちもあることだから。

一緒に住んで、お互いをよく知ってからでも遅くないかなって思っているけど。」

「そう言ってくださると、うれしいです。

ちょっと緊張していたので・・・。」

「マーヤもこれからの生活に慣れていかなくちゃいけないしな。

とりあえず、今日はちゃんと休んで。」


俺はどうしようかと思ったけど、マーヤの両手を取り、俺の両手で包んだ。

マーヤはシルクのグローブをしているけど、温かさが伝わってくる。

「おやすみ。」

「おやすみなさい。」

マーヤがドアを開けて入るのを見届けて、俺は自分の部屋に行った。


ふぅー、俺も緊張した。

これから、あの子と一緒に住んでいくんだよな。

全然実感がわかないぜ。

俺・・・大丈夫かな・・・。

自分のことなのに、全然わからない。

あれこれ考えてもしょうがないな!



今日は寝よ。



少し早いですが、HappyHalloween!

美味しいものをたくさん食べて、元気にお過ごしください。


読んでくださり、ありがとうございます。

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