閑話 魔石と魔法陣の話
今回のお話は、主人公二人のストーリーから少し外れていますが、この物語の世界観を感じていただければと思います。
話の進行は、コーリヒト視点です。
この世界には、魔石と魔法陣がある。
魔石は、火、水、氷、土、風と、聖属性がある。
この魔石と魔法陣をつかって、俺たちの暮らしが便利になっている。
そして、この世界の理念は『すべての物は大地から生まれ、そして大地に帰す』ということ。
人も動物も植物も、そして魔石も大地から生まれ、大地に帰ると言われている。
魔石は大地に埋めておくとほぼ永久的に魔力が注がれる。
魔石の魔力は大地から得ているのだ。
だから、人間は大地を耕し植物を植え、活性化させる。
動物や植物は大地から得たものを食べ、大地に返す。
大地が潤うことで魔石に魔力が溜まり続けるのだ。
昔、国同士での戦争があった。
人は戦争に行き、土地は戦場になった。
そして戦争が終わり、国が滅んだ・・・負けた国も勝った国も。
耕されない畑や、植物のない大地は活性化しない。
そうすると魔石に魔力がたまらない。
途端に人々の生活に影響が及ぶ。
国々は、その時の教訓を生かし、今は国同士が干渉しあわない同盟が結ばれている。
さて、魔石の使われ方だが、まず家には、石路という魔石からの魔力を流す通路のようなものが巡らされていて、魔法陣も使うことで、家の中を温かくしたり冷やしたりすることができる。
台所のかまどには、火属性の魔法陣が記してあり、点火はできる。
しかし、持続はできないので薪を使って調理をする。
水を使うところにも水属性の魔法陣が記してあるので、水が溜まった状態になっている。
家のほとんどには地下があり、氷属性の魔法陣を記すことで物を冷やしておくことができる。
土属性の魔石は、畑に置くと植物の成長が早い。
寒い地方では、冬は土と火の属性の魔石を埋めるらしい。
土の中が温かくなり、雪が解けるそうだ。
風属性は、馬車に利用して馬を早く走らせたりする。
手紙や荷物を運ぶ商売の馬車や、乗り合いの馬車にも使われている。
追い風のような感じになり、馬を後押ししてくれる。
風属性の魔石と魔法陣を使うと、短い文章なら遠いところにも文字を送ることができる。
この魔法陣は国家機密なので、郵便局にしか扱われていない。
速達便を送るには、郵便局に行って特別料金を支払い、文字を送ってもらう。
受け取る方は、最寄りの郵便局に文字が届くので次の日には手紙を受け取ることができる。
普通便だと馬で運ばれるので、近いところで2~3日、天候によってはもっと日数がかかるため、この速達便は結構利用されるようだが短い文章しか送れないのが玉に瑕。
各国同士の間もこの風属性の魔法陣でつながっていて、連絡が簡単にできる、と聞いたことがある。
聖属性の魔石は契約に使われる。
婚姻の儀に使われたり、家を購入するなど大きい契約時に簡単にお互いが放棄できないように魔石を使って契約を交わすのだ。
聖属性の魔石は国によって管理されている。
国には魔力の泉がある、というか、魔力の泉があるところに国が興った。
だから、各国には必ず魔力の泉があり、その泉があるところに王宮が建てられた。
魔石を砕いて魔力の泉に沈めておくと、大きく育っていく。
聖属性の魔石は、契約で使われるときに砕いて使ってしまうので、石はなくなってしまう。
魔力の泉で作らなければいけないのだ。
そのために聖属性の魔石は国によって管理されている。
聖属性の魔石は、値段も安くはないし、取り寄せるのにも時間もかかる。
契約も神殿に行って行わなくてはならないし、そこでもまたお金がかかる。
契約期間前に破棄する場合は、契約するときの3倍もの金額を払わなければいけないらしい。
だから、庶民でも貧しい人たちやあまりお金をかけたくない人、契約に関心がない人は魔石での契約はしない。
ではなぜ、婚姻の儀のときに魔石による契約がされるのか?
人は大地で育った食べ物を食すことで、魔力を少しずつだが体に取り込んでいる。
その体に取り込んだ魔力は、契約の時に使った聖属性の魔石をアクセサリーとして身に着けることで、活かすことができるのだ。
魔力があると、あまり病気にもかからないし、怪我も治りやすい。
もちろん、全く病気にならないというわけではない。
リルマーヤ様のように罹ってしまうこともある。
でも、魔力があるとないとではやはり違うのだ。
庶民の子供は多いが、亡くなる数も多い。
それに比べて、貴族の子供は少ないが、亡くなる数も少ない。
それは魔力のおかげだと言われている。
子供は親から魔力を受け継ぎ、20歳前後でその受け継いだ魔力はなくなるそうなので、結婚適齢期は18歳前後が一般的だ。
親から受け継いだ魔力がなくなる前に婚姻の契約をして、聖属性の魔石で体にたまる魔力を、今度は自分で活性化させていくのだ。
契約の時に使われる聖属性の魔法陣は特殊なので、秘密を守るために契約に関わる人しか立ち会うことができない。
婚姻の儀の契約も『あれは不思議だよなぁ』と親父殿から聞いたので、違う面からもちょっと楽しみなのだ。
今回で“出会い編”が終わりです。
次回から、少しずつ二人を中心に物語が進んでいきます。
今後ともよろしくお願いします。
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