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第90話


「男子の成長とは目覚ましい。勇者殿には剣の際があったのやもしれません。しかし、そんな才ある若者を斬れねばならぬとは、少し悲しいものがありますな」


 アラダインの自信は揺るがない。当然のように勝利すると奴は言っている。自分に勝てないまでも、よく頑張ったと。大人が子供を褒め称えるように。


「うわぁぁぁぁ!」


 サトルの後方から悲鳴が聞こえた。

 アラダインに気を取られていたが、グングニールを掻い潜って来たのは奴だけではない。


「クソ!」


 振り向かずともわかる。サトルは騎馬隊を通してしまった。アラダインが直接率いた兵達がそこらの雑兵なはずがない。


 圧倒的経験値を持ち、馬を駆る精鋭達。


 対するは実戦も初めての新兵と、復讐心だけで立ち上がった民草。数人とは言え騎馬隊は一騎当千の働きを見せるだろう。


「マーダードールズ召喚!」


 サトルの呼び声に三人の少女が召喚される。


 大鎌を持ち、左側頭部に髪をまとめた赤のアインス。

 大の男の身の丈程もある大剣を携え、後頭部に髪をまとめた蒼のツヴァイ。

 二振りの刀を腰に差し、両側頭部に髪をまとめた黒のドライ。


「ニーアの指示に従って、後方の騎馬隊を倒せ!」

「「「イエス、マイマスター!」」」


 サトルの指示を聞き、三人は召喚の光も消えきらない内に後方へと飛び出した。

 

「サトル!」


 マーダードールズと入れ替わるようにサトルの隣に現れたのは槍を携えたマリーだった。

 本来、近距離戦まで持ち込まれた場合はマーダードールズとの連携で相手を倒す算段であった。


 しかし、後方の支援のために彼女らを使ったことで状況は一変。

 アラダインとサトルが一対一で対峙することとなってしまった。


 マリーはそんなサトルを手助けするために彼の隣に立ったのだ。


「マリーなんか策はあるか?」

「アラダインの戦いなら何度か見たことがあるわ。私がアイツの隙を作るから……その時は私ごとグングニールを撃ち込んで」


 それはマーダードールズを使用した際の作戦の一つであった。


 エクスカリバーに内包されてる歴戦勇者たちのスキルはどれも兵器級のスキルばかり。ここまでの近距離戦となればパナケイアを使うまでもなくサトルまえ巻き添えとなってしまう。


 それに相手がやり手の場合、そんな大技を使う隙を見せるかと言う問題もある。

 故に彼女らを使って距離を取って、隙を見せた際にスキルを叩き込むと言う単純な作戦。


「ば、馬鹿を言うな! そんなことできるはずがないだろう!?」


 それはあくまで、スキルの一部であるマーダードールズだからこその作戦であり、生身の人間、それもマリーを囮にしてやっていいような作戦ではない。



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