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第54話


「もう一つの理由は?」


 少し勿体ぶった感じに話すニーアに話の続きを促すサトル。


「エクスカリバーの特性かしらね。その刃に切れぬものなし、血には濡れず穢れ知らず。確かに何でも切れて切れ味が劣化しない剣なんて剣士にとっては垂涎の品ではあるけど、ただそれだけよ」


 ニーアの話によれば、一本の剣としては極上ではあるが、それだけ……との話だった。


「サトルがこっちの手の内にあることはメロベキアも気が付いてるでしょうけど、わざわざ剣術もままならないサトルを連れてエクスカリバーを取りに来るとは考えていないはずよ」

「ぐう……」


 木剣であの力である勇者が伝説の剣を持ったとしても敵ではないと言うことだろう。


 ニーアの言っていることはメロベキア側から見た事実なのだが、やはり女の子から弱いと言われてショックを隠し切れないサトルはぐうの音くらいしか出なかった。


「それでも、エクスカリバーは今までの勇者がずっと使ってきたの。勇者の分かりやすい象徴としても機能してたからね」


 勇者しか持てない聖剣を持つ者。それ即ち勇者。王様が豪華絢爛な王笏を持つのと同じかと一人納得するサトル。


 そんな品をわざわざ取りに、危険を冒してイガタ平野を目指す意味があるのかと考えたが、今までの勇者が使ってきた。と言うのがキモなのだろう。


「今までの勇者が使って来た聖剣なら、俺のスキルで使いこなすことができるかもしれないってことだな」

「その通り! さっきも言ったけど、恐らくメロベキアは聖剣の事は重要視していない。多少の危険はあれど、リターンに見合うリスクだと私は考えているわ」


 聖剣エクスカリバー……以前召喚された勇者が作成したただのレプリカではあるが、その名を冠する剣を所持できると言うことがサトルを高揚させた。


◇◇◇


「リーダー着きました!」


 サロメが到着を告げ、馬車が止まる。サトルが降りるとそこは林道から少し外れた場所であった。サトルの視線の先、林道の先には大きく開けた空間がある。


 あそこが、ニーアの話していたイガタ平野のようだ。


「よしサロメ。先の様子を見てきてくれ」

「了解です」


 そう言うと、彼は林の中に分け入って行った。


「俺のことを棚上げしてから言うが……大丈夫なのか?」


 正直サトルはサロメに関して懐疑的である。マリーとの決闘ではサロメは呆気なく倒れた。


「まぁアレでも期待の新人なのよ。戦闘に関しては私もそれなりに信用を置いてるつもり。まぁ馬鹿なのと調子にのるところが今後の大きな課題ね。こっちの想定外はマリーちゃんが予想外に強かったことよ」

「これでもハルツェンブッシュ家の娘ですから」

「ハルツェンブッシュ卿ね……それなら納得せざるをえないわね」


 どうやらマリーの父親はニーアにそう言わしめる程の人物らしい。



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