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第50話


「ルールは至極簡単。相手に参ったと言わせたら勝ち。殺しは無し」


 ニーアはマリーとサロメにルールを説明して、二人を向かい合わせて後ろに下がった。この決闘の噂を聞きつけたのか、暗い森の中から数人の黒ローブが影のように現れる。


 これ程の人間が森に潜んでいたのかと驚くサトル。


「いつでもいいぜ。元貴族様のおママゴトを見せてくれよ」


 武器も構えず、正面のマリーを睨み付けるサロメ。

 黒ローブに隠れているため彼の得物ははっきりと知ることはできない。しかし、隠し持っているのは短剣であろう。


 であるならば、サロメに勝ち目などない。

 短剣と槍には絶対的なリーチの差があり、リーチとは武力だ。


 マリーは槍を構え、その矛先をサロメへと向ける。

 両者の距離は約五メートルほど。準備が整ったと判断したニーアは大きく右手を振り上げ――


「はじめ!」


 掛け声と共に振り下ろした。

 開始直後、サロメはローブの中から短剣を二本引き抜き、逆手に構えた。徒手の延長線で扱うような持ち方だ。


 それから両者は硬直。相手のスキを伺っていると言う雰囲気ではない。お互いがカウンター狙いなのではないか。


 先に動き出したのはサロメ。どうやら痺れを切らしたようだ。サトルも感じていたが、彼は第一印象まんまの人間のようだ。


 サロメは五メートルほどの距離を二歩程度で縮め、マリーへと正面から近付く。

 それに対して彼女は真っ直ぐに槍を突いた。だが、それはとても弱弱しいように見える。


 ただ、腕を前に出しただけと言わんばかりのひ弱な突き。

 だからと言って、回避しなければその切っ先は間違いなくサロメへと突き刺さる事だろう。


 そんな勝負の最中、サトルの視界の端に捉えたニーアが俯き嘆息している様子が見えた。


 サロメは右側に回避し、マリーへの距離をさらに詰める。槍のいつ側に入って見せたサロメはここで勝ちでも確信したかのような笑みを零した。


 次の瞬間、彼の顎をマリーの持つ槍の石突が叩いた。

 サロメは前のめりの姿勢のまま、マリーの足元へと転がった。


「はぁー勝負ありね」


 ニーアは終始呆れたような様子でマリーに近付き――


「まぁ約束だしね。歓迎するわ」


 マリーへと握手を求める手をだした。マリーはそれに答え、よろしくねと返した。



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