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第46話


 ちょっと違うと言ったニーアは少し悲しそうに顔を伏せた。


「もしかして……ニーアさんは戦争孤児なのですか?」


 マリーが少し遠慮がちに聞く。


「そうよ。メロベキアは領土拡大にいろんなところに戦争をしてる。勇者と言う力を使ってね。サラニアはそんな戦争で居場所のなくなった人々を受け入れてる国なのよ」

「そうなのか……」


 こんな時サトルはどんな言葉を掛けていいかわからないでいた。ただ平和な世界で生まれて、そんな平和世界に飽いていた自分が彼女にどんな言葉を掛けられるのだろう。


 きっとどんなことを言ってもそれは全て安っぽい同情や哀れみでしかない。


「別に私の話はどうでもいいのよ。このメンバーもみんなメロベキアに恨みがある連中だしね」

「申し訳ございません」

「貴方が謝る事でもないわ。えっと――」

「マルグリットです。マリーとお呼びください」

「私はニーアよ。マリー、貴方もメロベキア王の犠牲者なんだからそんなこと気にしない方がいいわよ。それに、年も近そうだしそんなに畏まらなくてもいいわよ」


 そう言ったニーアから少し嬉しそうな気持を感じ取ったサトル。マリーを連れて行くことに関して、「別に一人が二人になったくらいでどうってことない」とニーアは言ったが、単純に同年代の マリーと言う存在が気にかかっていたのではないかと、ふとサトルはそんな風に感じていた。


「さぁ今日はここらで野宿ね」


 日がすっかり落ちて辺りは真っ暗になった頃、ニーアがそう言う。荷馬車を下りると、眼前には森が広がっていた。


 暗く飲み込んだものを絶対に吐き出さない、そんな気配を感じる不気味な森だ。


「ここは帰らずの森なんて言われてる森よ」

「そんな名称も納得できるくらい不気味だな」


「まぁメロベキアの人間には結構有名だから寄り付かないと思うわ。追ってが出るのは恐らく明日からだろうけど、念には念を入れてね」

「明日に追っ手が出るなら夜の内にもっと進んだ方がいいんじゃないのか?」


 ニーアの憶測ではあるが、明日に追っ手を出すと言うのが本当だとするなら、今の内に距離を離しておくことがいいのではないかと考えるサトル。


「ここらって結構物騒なのよね。メロベキアが無理矢理に領地を拡大してるせいか治安が良くないの。だから盗賊なんかが頻繁に出没するのよね」

「農民に偽装してるから襲われる可能性が高いってことか?」


 盗賊からすればいいカモという事だろう。だが、騎士相手にあれだけ圧倒できるニーア達がそこらの盗賊程度に後れを取るとは思えないが……

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