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エルフと幼女と俺。

翌朝の朝食後に、ミアを連れて図書館へ向かった。

「・・・幼女・・・貴方のお子さんですか?」

クレイアが無表情で、俺と俺に抱っこされているミアの顔を交互に見た。どう見ても似てねぇだろうが。

「俺のガキじゃねぇ。保護者は冒険者で、今日は依頼で不在だ。こいつも一緒に連れて行っても良いか?」

「そうでしたか・・・ええ、構いませんよ。初めまして、お嬢さん。私の名前はクレイア・リュヌと申します」

クレイアがミアの手を取って、薄く微笑んだ。こいつ、笑えたんだな。


「ミア」

ミアが俯きながら名乗ったのが不思議で、覗き込んだら顔が若干赤かった。まさか風邪か?おでこを触ってみたが、熱は無いようだな。

「ミア、調子悪いのか?」

「・・・わるくない」

直ぐに顔色が戻って無表情になったミアが、フイッと顔を逸らした。葉っぱみてぇな手で、ペシペシと俺を叩いてくる。全然、痛くねぇわ。

「でりかしー、ない」

「んだそれ?」

クレイアに目をやれば、口元を隠して笑っていやがった。


「中央都市ザランには古書店が5つあります。商店通りに3つ、王城付近に1つ、裏門付近に1つです。先ずは商店通りから行きましょうか?」

「おう。案内頼むわ。ミアは歩くか?」

「あるく」

商店通りへ向けて、ミアと手を繋いで歩いた。ミアは時たま、隣を歩くクレイアを見上げていたが、目が合うと俯くのを繰り返していたわ。

商店通りにある古書店は3つ共、可もなく不可も無くって感じだったな。既に読んだことがある本が多くて、最後の店で見つけた“薬草を美味しく食べる方法”ってのが気に入って買ったくらいだ。


「次は王城付近と裏門付近のお店、どちらに行きましょうか?昼食をとるなら、王城付近の方がお店は多いですよ」

クレイアがミアの方をチラリと見ていった。ここから王城まで歩いて・・・ミアが居るから、馬車を使うか。古書店を覗いて、昼飯には良い時間かもな。

「じゃあ、王城の方で。気を使ってくれて、サンキュな」

良くできた奴だ。クレイアの金色の頭をヨシヨシと撫でてやった。今日は髪を結んでなかったから、若干ぼさぼさになっちまったが、気にすんな。


「かみのけ、きれい」

乗合馬車に乗った後、手櫛でクレイアの髪を梳いてやっていたら、ミアがクレイアの髪をジッと見ていた。

「ああ、そういや金色は珍しいか?」

俺はカエサルとかシズクで見慣れているが、暖色系の髪色が多い南方では珍しいのかもな。エルフの郷に行けば、金髪ばかりなんだろうが。

「クレイア、後でお前の家に行きてぇんだけど、良いか?」

「は?!」

危ねっ他にも乗客がいるから、クレイアの耳元で聞いたんだが・・・急に振り向くから、口が掠っちまったじゃねぇか。


「きす」

「・・・っ?!ち、違・・・っ」

目を見開いて赤くなったクレイアを、ミアが下から覗き込んでいる。今度はお前が風邪なのか?クレイアのおでこを触ってみたが、熱はねぇみたいだな?

「風邪か?大人なんだから、体調管理はしっかりしろよ?」

「でりかしー」

「・・・っ」

半眼のミアと、親の仇でも見るような目でクレイアに睨まれたわ。何でだよ?

ちょっと短めです。エルフと幼女と、カズサの古書店巡りの始まりです。

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