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飯が美味い宿は、良い宿だ。

俺の両側のカウンターに野太い手が置かれて、デカい筋肉男達に挟まれちまった。しかも同じ顔だ・・・双子って珍しいよな。

「お前らが依頼者か?」

「「おう、そうだぞ!いつ行く?今からでも船は出せるぞ!」」

暑苦しいうえに、酒臭ぇ・・・。お前ら、さっきまで其処で酒飲んでただろうが。

「今夜・・・晩飯を食った後に、船を出してくれ。俺は港近くの宿屋に泊まってるから」

「「了解だ!」」

「・・・っ」

両側から野太い腕に肩をガッチリ組まれた・・・痛ぇ・・・そして重てぇんだよ!俺は身体強化を掛けて、双子の腕を振り払った。背後で歓声があがったが、無視だ。


宿屋に戻って、動きやすい服に着替えた。海面での討伐なら、ひらひらしたローブは邪魔になるからな。

「お客さん、お待たせ!今夜のメニューは紅魚のムニエルと、海鮮スープだよ!」

「おおっ」

1階の食堂で出てきたのは、俺の顔の長さ位ある紅魚のムニエルと、魚介がたっぷり入ったスープだ。海藻サラダと焼き立てのパンも付いてきた。

先ずは紅魚のムニエルをひと口・・・噛むと、美味い脂がじゅわっと口の中に広がった。塩加減も丁度いい。パンを一口サイズに千切って、ムニエルと一緒に口に放り込む・・・パンの甘みが加わって、これも美味い。


次は海鮮スープだ。貝類とエビの出汁に、キャメツとタメネギの甘みが溶け込んでいて、口に運ぶ手が止められねぇ。

「俺にも、あの兄ちゃんと同じものをくれ!」

「俺も!」

「あいよ~!」

瞑目している俺の背後で、客達が注文する声が騒がしい。今日の晩飯は人気メニューなんだな。なるほどの美味さだぜ。

最後のスープも残さず飲み切り、感嘆の溜息を吐けば、店主が俺の目の前にプルプルと揺れる何かを置いた。


「お客さん、これサービスだよ。魔鳥の卵のプリンだ」

「プリン・・・」

スプーンでひと匙掬えば、光沢のある滑らかな黄色がプルプルと揺れた。慎重に口に運べば・・・しっかりとした卵の味わいと優しい甘さが、口の中いっぱいに広がって美味い。ソースの後からくるほのかな苦みも良いな。

「お客さん、料理評論家かなんかか?」

「ああ?んなわけねぇだろうが」

微妙な顔で笑った店主が、客に呼ばれて「あいよ~!」と威勢よく返事をしながら、接客に戻っていった。この店もザランの宿屋同様、繁盛しているようだな。

まさかの、1話分すっ飛ばしてました!双子の筋肉に出会ってから、オオタコを獲りに行く間のお話しです^^;すみません。

カズサの晩御飯のシーンが無いな・・・あれ~?と思って気が付きました。

ブックマーク、評価、読んで下さってありがとうございます!嬉しいです^^

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