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迷子の子猫ちゃん 2

オレは猫族の息子だニャ。名前は家族にしか教えられないから、秘密だニャ。

カズサのとこからの帰り道で、甘くていい匂いがしたニャ。あらがえない匂いだったニャ・・・。

「ふぅ・・・アレわ、どうシヨうも無かッタニャ・・・」

体がかってに走り出して、匂いを追いかけちゃったニャ・・・。

カズサの家がある、お金もちの道を曲がった先で・・・目の前がくらくなって、気がついたらここに居たニャ・・・。

ここはくらくて、ジメジメしてるニャ。もう、家に帰るニャ・・・。


「ねえ・・・」

「ニャッ?!」

びっくりしたニャ!オレの他にだれか居たかニャ?!いったい、だれだニャ~?!!



***************



「・・・どうしたんだ?」

「ああ?何がだよ」

「何がって、凄く機嫌が悪そうじゃないですか?!」

「心配事があるなら、僕に相談して?」

夕飯を食いながら、俺はどうやらイラついた顔をしていたらしい。他の奴らが、俺の顔を覗き込んできやがる。


「ちっ・・・大したことじゃ無ぇよ。猫のガキが道草食って、まだ帰って無かったんだよ」

「え!それは心配じゃない!」

「おいおい、大丈夫か?もう家に居るんだろうな?!」

「もしも、何処かで道に迷っていたら・・・今頃、お腹を空かせているんじゃないでしょうか?」

眉尻を下げて余計な事を言う口を、両端から引っ張ってやる。そういえば、お前には借りがあったわ。

「いひゃっ!ひょっと?!」

ガイウスが手を伸ばしてきたので、手を放して下がった。同じ手は食わねぇ。


「はぁ・・・ちょっと見てくるわ」

「俺も行く!」

「僕も行くよ」

「私も行きましょう!」

「・・・全員で行ったら、目立つだろうが。・・・ユリウス来い」

ガキが怪我でもしてたら、ユリウスが役に立つだろう。俺お手製の回復薬を飲ませても良いが・・・ガキが飲めるかどうか、わかんねぇからな。

残りの奴らが不満たらたらだが・・・まぁ、旅の準備でもしてろや。


「何処か、行先に当てはありますか?」

ユリウスを連れて拠点のある通りを曲がった辺りで、ド派手な屋敷から、子猫が飛び出してきたのが見えた。

「・・・いたわ」

「え・・・?!」

「おい!ちび助!」

俺の声に振り返った子猫が、こっちに向かって走って来た。抱き上げて、怪我の有無を確認する・・・良し、どこも怪我して無ぇな。


「猫の親父が心配してんだろうが。何やってたんだ?」

子猫が足をパタパタ揺らしながら、ニャ~ニャ~言ってやがるが、人型じゃ無ぇから言葉が通じ無ぇ。

「その子が探していた猫ちゃんですか?」

ユリウスが不思議そうに、ガキの顔を覗き込んでいる。獣人の変身を見るのは初めてか?

「そうだ。はぁ~・・・取り敢えず、拠点に戻るか」


拠点に戻って、ソファにガキを置いた。その上に、洗濯済みの俺のシャツを掛けてやる。

「ほら、戻っても良いぞ」

シャツの中がもぞもぞと動いて、ガキが人型に戻った。シャツを着せて、袖を捲ってやる・・・腰に紐を巻いた方が良いな。

「うニャ~!カズサ、たいへんニャ~!」

ガキが俺に飛びついてきた。おら、よじ登るな!耳元で煩ぇぞ。俺の頭にしがみ付いたガキを、引っぺがした。

「落ち着いて、温かいミルクルをどうぞ」

ユリウスが温めたミルクルをガキに渡すと、おとなしく飲み干した。口の周りがえらい事になってんぞ・・・。


「おら、口拭くから動くな。よし・・・で、何処で道草を食ってたんだ?」

「え~っとニャ?カエり道で、甘い匂イがしたニャ!そレでニャ・・・オレぇ、がまんでキなくてニャ・・・」

「「・・・・・」」

ガキが一生懸命、説明した話によるとこうだ。拠点からの帰り道で、甘い匂いに誘われて抗えず、ホイホイと向かった先で攫われたそうだ。

目が覚めると暗くてジメジメ・・・地下か?地下牢に居て、そこから猫に変身して、檻の間をすり抜けて普通に出てきたと・・・。

「なかなか度胸の据わった子ですね。偉かったですよ」

ユリウスがガキを褒めながら、頭を撫でまわしている。確かに大したもんだが、問題はそこじゃ無ぇ。


「檻の中に、他にも誰かが居ただって?」

「そうニャ~!大きいコドモと、小さいコドモが居たニャ。くびにワッカして出れないッて言ッテたニャ」

眉尻を下げたガキが、ニャ~ニャ~と泣き出した。首輪で繋がれたガキ共か・・・胸糞悪いな。

「カズサ、たすケてニャ~コドモかわいそうニャ~!」

「どうした?見つかったのか?!」

「何か鳴き声が・・・良かった、見つかったんだね!」

ガキの鳴き声を聞いたカエサルとガイウスが、自室から下りて来た。俺にしがみ付いて泣いてるガキを見て・・・俺を見るんじゃねぇ。


「俺が泣かしたわけじゃねぇわ。はぁ~・・・カエサル、ちょっと頼まれてくれねぇか?」

「何?カズサのお願いなら、何でも聞くよ?」

気色を浮かべる意味がわからんが、手は貸してもらうわ。

「ガイウス、ここに猫の親父が住んでるから、呼んで来てくれ。ユリウスはちび助と留守番な」

「よくわからんが、行ってくるわ」

ガイウスが理由も聞かず、飛び出していった。さすが脳筋。ユリウスも頷いて、ちび助をあやしている。

「ちび助、泣かないで待ってろよ。カエサル、行くぞ」

「え、うん!」

カエサルを連れて、ド派手な屋敷に向かった。さて・・・どうしてやろうか?


読みづらい回が続いております。字並びが、しっくりこない方、ごめんなさい^^;

久々のカズサと2人のお出かけに、カエサルが喜んでおります。


ブックマーク、評価ありがとうございます!嬉しいです^^

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