とある研究員の日記
以下は千人塚研究室によって回収された書類の写しです
■月■日 前々から検討していた生協への加入だが決断して正解だった。これで私の研究も大きく進歩することだろう。■■も中学校へ進んだ事だし学資積立もやってみようか?
■月■日 生協の持っている知識には舌を巻く。色々相談に乗ってくれる外交員の岡部さん、彼はまさに天才だ。今は仕事上の話ばかりだが今度飲みにでも誘ってみようか?
■月■日 ■■も岡部くんによくなついている。父親としては複雑だが、彼のような婿であれば……いや流石にまだ気がはやいな……今日は心地よく酔ってしまったからまだ気分が高揚しているのかもしれない。
■月■日 世の中皆馬鹿ばっかりだ!! 私の研究を企業に持ち込んだが誰もこの素晴らしさを理解しようとしない! いや落ち着こう、大丈夫だ……価値のわからない愚か者の手にこの研究を委ねずに済んだのは幸いだったのだ。そうだ、これは喜ぶべき事なのだ。
■月■日 今日の八重垣建設への持ち込みには岡部くんが同行してくれることになった。業務のうちには含まれないだろうに面倒見のいい男だ。支えてくれる彼や■■のためにもこの持ち込みは成功させねばならない
■月■日 先日の結果が八重垣建設から届いた……やった! やったぞ! 流石は超大手だ! ついにこの価値がわかる相手が見つかったのだ! ささやかな祝いの席だが今回の立役者の岡部くんも呼ぼう! 三人で祝うべきことだ!
■月■日 慶事は続くものだ。岡部くんが出世して営業所を任される事になったらしい。外交員として顔を見せてくれることこそなくなったが友人の立身は素直に嬉しい。
■月■日 新たに私の担当になった服部さんという外交員もとても親切だ。彼の勧めもあって生体工学にも手を出してみよう。こんな余裕が生まれたのも三柱建設との契約のおかげ、すなわち生協のおかげだ。本当に加入してよかった。
■月■日 生体工学というのは中々奥が深いがその分面白い。特に『st.ジョージ』彼の著書は難解だが非常に興味深い。読み進めるのに必要な論文も服部さんが一緒に届けてくれたおかげで門外漢の私でも快適に知識を得ることができる。
■月■日 初めは知識を蓄えるだけと考えていたが、中々どうしてこの分野は興味深い。新たに八重垣建設との契約で入った金で『ステップアップ! 超常生体入門キット』というのを購入した。色々可能性が広がりそうで今から楽しみだ!
■月■日 本で読むのと実際に作るのとでは難易度が段違いだ。だが、わかりやすくて助かる。これは楽しくなるぞ!
■月■日 なんということだ……■■が学校からの帰りに交通事故にあった……幸い命は助かったが植物状態……■■が一体何をしたというのだ……
■月■日 何も手に付かない……何も考えられない……
■月■日 判読不明の文字列
■月■日 判読不明の文字列
■月■日 そうだ! そうだ! その手があった!! きっとこの分野に惹かれたのは導きだったのだ!
■月■日 今日■■を病院から連れ出した。ただの病院などに置いておいても決して事態は好転しない。大丈夫、主は私を祝福している。
■月■日 主よ、これが試練なのですね……私はあなたの恩寵を信じます。挫けることは決してありません
■月■日 昨夜私は天啓を得た。■■、もうすぐだ……あと少しでお前の笑顔を再び……
■月■日 経過は順調だ。日が出るころには■■は新たな身体を手に入れて再びあの日々が帰ってくる。ああ、主よ恩寵に感謝いた(汚損が激しく判読できない)
(ほぼ判読の出来ないページ)
もどして ころして もど して て
■月■日の日記を書いている最中に対象が制御を外れて当該研究者を殺害したものと思われる。
最後の日付と死亡推定時刻は概ね一致しており、これをもとに追加の調査を行う。




