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scene1

ついに始まった高校生活。転校先で、リアラは馴染むことができるのか。


春が始まって少し経ったころ、私は転校先の学校に来ていた。ここ、夢ヶ咲学園で私の新しい学校生活が始まる。普通、新しい学校生活頑張るぞ‼︎とかなんとかなるんだろうが、人見知りで引っ込み思案な私は残念ながらそんなことにはならず、不安しかない。それに家庭の事情で引っ越したものの、体調を崩してしまい3日ほど学校を休んでしまった。やってしまったなぁ。そんなことを考えながら、私はとりあえず職員室へと向かった。


職員室の前に、少し気の弱そうな男の人が立っていた。

「あ、綾崎リアラ(あやさき りあら)さんかな?」

男性が私に話しかける。緊張のせいか声が震える。

「…はい」

「ようこそ、夢ヶ咲学園へ‼︎とりあえず中に入って」

私は誘われるまま職員室に入る。男性は一つの机に座る。ここが彼の机なのか、私物っぽい物が置いてある。大抵電車関係の物だ。

「あ、そうだ。自己紹介がまだだったね‼︎僕はアールグレイが苦手なアルグ・怜(あるぐ れい)だよ‼︎現代文担当だ‼︎君の担任さ‼︎よろしくね‼︎‼︎」

「……?」

「…アールグレイが苦手な、アルグ・怜だよ‼︎」

…これは一体どうすればいいのか。反応に困る。これは笑えばいいのか………?

私が真顔で突っ立っていると、先生が咳払いをして言う。

「これ面白くない?誰も笑ってくれたことがないんだけど…」

じゃあやらなきゃいいのに。この人メンタル強いな‼︎

なんて口には出さず、私はただ苦笑する。

「ま、いいや‼︎君は今日から2年B組だよ。あと5分でSHR開始だからその時にクラスの皆の前で挨拶してね」

出た…自己紹介……。一番憂鬱だ。したくないな。顔に出てたのか、先生が言う。

「別に僕みたいに面白いこと言わなくてもいいよ〜。普通で大丈夫だから‼︎」

…これはツッこむところなのだろうか。


5分なんてあっという間だ。既にチャイムは鳴り終わり、先生は教室に入っていった。

「皆さん、始業式から休んでた綾崎さんが来てくれました〜。今から自己紹介をやってもらおうと思います‼︎さ、入って‼︎」

先生に呼ばれ、私は教室内に入る。一歩踏み入れた瞬間から皆の視線が痛い。教卓の近くに着くと、私は意を決して口を開く。

「綾崎リアラです。風邪で休んでしまいましたが、これからよろしくお願いします」

お辞儀をしてから数秒後、パラパラと拍手が聞こえる。緊張した…‼︎

「はい。綾崎さんありがとう、あなたの席はあそこ。この列の一番後ろね。皆仲良くしてあげてください」

私は言われた席につく。前も隣も男子。女子が良かったと思いながらも思い切って声をかける。

「隣、よろしくお願いします」

隣の子と目が合った。綺麗な男の子だった。青みがかった髪、端正な顔立ち、掛けているメガネがクールな雰囲気をより一層強めている。かっこいい人…。と思ったら目を逸らされた。え…?無視?私が硬直していると、前から声が聞こえる。

「そいつの名前は神城サクヤ(かみしろ さくや)。クールなやつで、クラスメイトともあんま喋んないんだ。あ、俺は遠野紅葉(とおの くれは)。よろしく‼︎」

「あ、よろしくお願いします」

前の子は黒い帽子を被った男の子。鼻の頭には絆創膏が貼ってあり、活発そうに見えた。黒い帽子には紅葉の飾りがついており、オシャレな子なのかな、なんて思っていた。すると、いきなり机の側に、誰かが立った。驚いて見上げると金髪の男の子がこちらを見下ろしている。いつのまにかSHRは終わっている。

「お前…リアラだろ。覚えてるか?オレは立華アンズ。小学校一緒だったろ」

瞬間脳裏に懐かしい日々がよぎった。そう、私は昔ここに住んでいたのだ。

「…覚えてる。同じクラスだった立華アンズ(たちばな あんず)君だ」

知っている人がいることに安堵し、笑みがこぼれる。小さい頃、私とアンズ君はそこそこ仲が良かった。私が引っ越したので、小3から会っていないが…。

「あれ?同じ小学校だったの?俺のことも覚えてる?」

遠野君が話しかけてきた。残念ながらまったく記憶にない。

「いや、お前が来る前に引っ越しちゃったからお前らは面識ないよ」

遠野君も同じ小学校だったらしい。3人で話していると始業のチャイムが鳴る。最初は現代文みたいだ。アルグ先生が入ってくる。仲良くしてくれそうな人が2人、なんとかやっていけそうだなと、私は安心した。

青春ラブコメディを目指してます。よろしくお願いします。

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