三分の一の確率でハズレだけどそんなに酸っぱくないよね
「じゃーん、今日はこれを食べましょう」
先輩と今日もまた駄菓子屋に俺は来ている、そして本日は先輩が俺に商品をオススメしてくれる日なので大人しく俺は先輩の話を聞く。
「これはね、ガムがこの中に二つ入っていてその内の一つが酸っぱいという、遠足の定番のお菓子そのま○まシリーズです!本日はぶどう味を食していきましょう」
「これって、小学生の遠足の時からよく見ましたけど今も残ってるんですね。今思うとこれってロシアンルーレットですよね」
「そうだよ、ヨーチャブのロシアンルーレットネタにもたまに使われるから需要が今もあるんだよ」
「そういえば、この間それに似た商品見ましたけど違う会社なんですかね?」
「そのま○まシリーズは、○リスって言うあまり聞かない会社が作ってるものでね、後輩くんが見たのは多分すっぱ○シリーズだね。これは大手有名お菓子メーカーである明○さんが作ってるやつだね」
「へぇ、ようはぷっち○とハイチュ○の違いみたいなもんですね」
「あれは一応グミのあるなしだから結構違うんだけどね〜」
と先輩は言いながらそのまんまグレープのビニールをびりっと破りガムが3つ入っているトレーを取り出した。
「さ!じゃあロシアンルーレットを始めようじゃないか後輩くん」
「俺は構いませんけど、罰ゲームとかなしでやっても面白くないですよ?」
「そうだね〜じゃあ負けた方は『これからずっと買った方の下の名前で呼ぶ』とかどうだい」
「まぁ、それくらいが丁度いいですね。それじゃあとりあえず先行と後攻を決めましょう」
先行と後攻を決める方法それは、ジャンケンだ!
「「最初は、グー。ジャンケン」」
「「ポン」」
勝負の結果は
「くそっ負けた!」
「ふふっ先輩の私に勝とうなんて、後数年早いね!」
俺の負けであった。先輩は勝った先輩は蹲って地面を殴っている俺を自慢げに見下している。畜生、ここにきて運の悪さが仇となったか。後先輩その全然見下ろせてないです。見下ろそうとして一周回って見上げてるタイプの女帝さんになっちゃってます。
「じゃあ、私は後攻でいくから」
「分かりましたよ先行、いきます」
そう言った俺は男らしくど真ん中を選択、口に入れた。
「甘いんでセーフです」
「やるねぇ、だけど私のいた地域ではもうこの手のガムの法則は掴んでいてね。悪いけどこの勝負ジャンケンで勝った時点で私の勝ちなんだよ」
「それ、ズルくないですか!俺そんなの全く知りませんよ」
「これは経験によるものだからね。イカサマではないんだよ後輩くん」
そう言った先輩は、左側にあるガムを口に入れ
「うーん、いつ食べても甘くて美味しいね。これは」
あの様子から、マンガのようにフラグを回収しているパターンでは無いようだ。チッ
「ほら、そこ舌打ちしない。ほら酸っぱいの食べなよ」
「はぁ、分かりましたよ」
そう言ったおれは、渋々最後の一つを食べた。
「これって確かに酸っぱいですけど、我慢できそうですよね。てか、甘いくらいです」
「まぁ、子供向けのお菓子だからね。そんなに酸っぱくはしないでしょ。では、後輩くん私に言うことはないかね?」
先輩は満面の笑みを浮かべながらおれに詰め寄ってきた。俺は罰ゲームなので大人しく先輩の下の名前を呼ぶことにした。
「咲さん」
「うんいいね。もう一回言ってくんない?」
「咲さん」
「いやぁ、後輩くんに名前呼ばれるなんて感慨深いものがあるね」
「俺もなんか名前で呼ぶの新鮮です。普段から先輩としか呼ばないんで」
「じゃ、学校でもそう呼んでちょうだいね」
「ゲッ、それは勘弁してほしいです」
「ダァーメ!敗者は大人しく従う。これ10の盟約で決まってます」
「それ、どっかの世界線じゃないですか!俺たちは別世界ですよ!」
「あー聞こえない、聞こえない。とりあえず明日からよろしくね後輩くん」
そう言って先輩は耳を塞ぎながら聞こえないフリをしてきた。はぁと俺は溜息をつき
「了解しましたよ、咲さん」
と下の名前を呼んだ。この時若干これだとカップルみたいだなと思ったのは秘密で有る。
僕は小学生の頃ハズレを引いたけど、全然酸っぱいと感じなくてハズレが誰かよく分からなくなってました。
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