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第8話 講義内容 魔力など

 今回は、この世界に存在する様々な力についてだ。この世界の人々は、不思議な現象を起こしたり、その体のどこにそんな力が?と言いたくなる怪力を発揮したりする。これは長い時間をかけて、ある程度判明している。



 先ずは、魔物や人、妖精に一部の獣人と世界で一番持つ人の多い、「魔力」についてだ。これは極めて万能な力で、時間移動や不老不死の術以外ならば想像の及ぶ限り、困難ではあるがいずれ習得出来ると言われている。

 それぞれの種族によってアプローチは様々である。


 人は詠唱や魔道具を介して魔法を発動する。属性は妖精の使う火水土風を基本としながら、器用な()の種族は、組み合わせたり発展させることで、掃除魔法や、燃費は悪いが収納魔法を生み出した。やっぱ人ってそーゆうところあるよね。


 魔物は生まれた時から詠唱不要のその種固有の魔法を持っていることが多く、吸血鬼の霧化や眷族召喚、トロールの再生などはその典型である。その代わりなのか、属性魔法も覚えられるが、2つ以上の属性を持つ者は滅多にいない。


 妖精は生まれ持つ属性が決まっているようだ。エルフは水か風、ドワーフなら土か火、小人は土か水、フェアリーは4種類のうちどれか。中にはアールヴ、ドヴェルグ、コロポックル、妖精女王と呼ばれる特殊属性を操る者たちもいるらしい。コロポックルて!なぜそこだけアイヌ!?

 生まれ持つ属性が決まっている代わりに、精霊と契約することでその力を扱うことが出来るらしい。優秀な妖精たちは、身に付ける武具などに精霊の分霊を宿し、これを媒介に強力な魔法を行使する。精霊本体と契約する選ばれし者は精霊と一体化出来るらしく、その力は絶大だそう。



 次は水棲系以外の獣人の扱う「獣力(じゅうりき)」だ。これを生まれつき扱えるからこそ、獣人は足が早かったり、力強かったりと人に比べて身体能力が高い。これを使いこなすと、更に身体能力を向上させたり、重さのない鎧を纏ったりと白兵戦により強くなる。



 水棲系獣人と魚人、人魚の扱う「波力(はりき)」というものは、生まれつき水との親和性を高め、熟練した者は、エコーを使って周囲を把握し、波動と呼ばれる敵の体内の水分をを揺らして戦う武術や、声を波に変えてぶつける中距離対応攻撃も使えるようになるそうだ。カッコいい。



 鳥人の扱う「空力(くうりょく)」。これは生まれ持つ器官である羽を利用し、人体の構造的に本来羽が生えても不可能な飛行を可能とさせ、時に空に足場を形成し、それを使って空を駆けることが出来るらしい。あとは、かまいたちの発生とか出来るそう。



 いよいよお待ちかね、我等妖怪の扱う「霊力(れいりょく)」。これは、それぞれの種族っぽいことが出来るらしい。めちゃザックリ。でもまぁ例えば、幽霊の鬼火に浮遊、鬼の剛力や、変化(へんげ)とか。俺の葉裏剣とか伸縮とかもたぶんそう。



 あと、妖怪と一部の獣人の扱う「神通力(じんつうりき)」。これは、主に呪術的なものに念動とかですね。モノ浮かせたり、式神使ったり、あと占いも出来るそう。陰陽師とかも憧れるわー。



 最後にこの度俺たちがここ天狗の里で学ぶ「験力」。これは結果を見たら割りと魔法と似ているかもしれない。火を出したり、飛んだり、風起こしたり。でも、過程が全然違う。修験道は、自然と共に生き、更に過酷な環境に身を置くことで、自然を理解し、八百万(やおよろず)の神々のおわす領域に足を踏み入れることを目標とする、らしい。だからどんどん老化は遅くなるし、法起坊様の域まて行くと神のおわす所とされる神奈備(かむなび)を自分で創り出せたりする。ほらあれ、空の御所。空に浮かんで存在するし、地面なんかないのに歩けるおかしな場所。

 欠点といえば、習得に相当時間がかかることと、育成の難しさ。どの種族でも素質を持つ者はちょくちょく産まれるのに、ここ以外で天狗を育てることは出来ず、皆普通に死んでいくそう。

 ちなみに、稀に誰にも教わらずに天狗になる猛者や、強くなって強くなって最終的に神奈備を持つに至った人外もいるらしい。コワイ…。



 まだ研究途上だけど、この世界の誰もが持つと言われる力がある。その名は「命力(めいりき)」。これは、この世界の誰もに当てはまる能力、つまりステータスを見ることが出来たりする力である。気配察知のスキルで、魔力がなくても霊力がなくても、どんな生物でも存在を把握することが出来ることがその根拠になっているようだ。生命活動にも力は存在し、生きるための力、そして、スキルの獲得の際にも使っているのでは?と推測されている。へーって感じだよね。




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