第７話 講義内容 各国情勢
この世界は歪なリング状の大陸らしく、大きく分けて、【妖魔界】【人界】【獣人界】【妖精界】の４つの領域がある。
【妖魔界】は上から見たときに右上にあるらしく、ここは現在、２つの国とその他の領域に別れている。
１つは我等が『妖魔国』。これは妖怪と魔物の国であり、元々別々の国だったが、百年程前に大きな戦争があって、妖怪連合『百鬼夜行』が当時２つの国を併合しイケイケだった『悪魔帝国』を返り討ちにして、吸収合併したことで成立した。
石鎚山法起坊を盟主とし、２人の大名と３人の魔公を天狗の里以外の５領の領主に任命、領主５名と法起坊の代理である比良山次郎坊の６名の合議制で国を運営している。領主５名の種族はそれぞれ妖狐、河童、デーモン、デュラハン、リッチらしい。あとはいつか自分でそれぞれの領に行って学べってさ。はーい。
１つは妖魔国と海を隔てた先にある『鬼ヶ島』。この島国は、牛頭や馬頭、ゴブリンにオーガなど様々な鬼が存在し、戦乱に次ぐ戦乱、下剋上に次ぐ下剋上の末に成立した、蠱毒の国。
現在の大王は、源頼光さんが倒したことで有名な、酒呑童子の元配下茨木童子で、彼は十羅刹女の「生類憐れまない系女子」ことアチャラーさんと結婚した後に、配下の鬼とと共に、社会性を持つゴブリンを纏め上げ、バカなオーガやトロールなどを駆逐していき、現在の鬼ヶ島を作り上げたようだ。ゴブリンが雑魚キャラじゃない、だと…！？
その他の領域としては、蛇系種族の集う龍の隠れ里、日本の大妖怪犬神刑部狸の別荘地などがあるようだ。
【人界】は左上に存在し、大きく分けて３つの勢力がある。
１つは強大な軍事力を背景に侵略を繰り返す『ホーマット帝国』。スローガンは「人類皆家族、そして皇帝は国民の父である」であるが、その後に(だからみんなお父さんの言うことに従え)という言葉が隠されているブラック国家である。ホーマット→ホームアット→アットホームな帝国…あっ(察し)。
現在中くらいの属国が１つ、小さい属国が２つあるそうな。
１つは『トゥール神国』。主神トゥールを信仰するトゥール聖教が母体となって成立した国家である。何をとち狂ったのか、先代の教祖が「人族は他種族を指導すべき存在である」と人族優位主義に方針を切り替えてしまい、ちょくちょく聖戦を行ってるらしい。まー異世界モノのテンプレな宗教国家だ。なんで異世界ってろくでもない宗教ばっかなんだろーね？まぁ至上主義じゃないだけマシなのか？
現在中くらいの属国１つ。
１つは上記２つの国家を手玉にとって勢力を維持している自由国家『ライフリー商国』。
この国は様々な人種で構成されていて、貿易や文化で栄えている。そのせいで神国に狙われているが、魔物の国を属国化しているホーマットに狙いを逸らさせ、その財力を活かして両国の戦を終わらせないようにしているらしい。大丈夫か？
【獣人界】は下っ側にあり、【獣人界】も【人界】同様３つの勢力があるんだが、これは棲み分けされてるだけとも言う。
１つは大地を支配する遊牧国家『百獣の王国』。陸上の動物型獣人はほぼぽぼここで生きている。現在の代表はライガーの獣人を筆頭とした猫系部族だ。
１つは魚人や人魚、水棲獣人の暮らす『海底街』。ロマンに満ち溢れる素晴らしいところだな。現在の代表はシャチの魚人。強そう。
１つは雲を養分に成長する木、フロムクラウドツリー(てきとーかよ)の集合体【森雲】を棲みかとする鳥人の集落。これまたロマンしかないが、地面が存在しないらしいから、飛ぶことが出来ないと夜も眠れない恐ろしいところだ。一応マザーと呼ばれる木はバカでかいらしいので、そこでなら暮らせる…んだろうか？
天狗の里とは友好的らしい。烏天狗の皆さんがいるからな。
あぁそうそう、竜人も獣人に含まれるらしく、彼らは基本的には百獣の王国にて暮らしているが、世界のどこかには竜人が集い、属性竜の守護する集落がいくつか存在するらしい。現在確認されているのは、地竜の守護する集落のみ。これは百獣の王国に何ヵ所かある洞窟から入れる地下にあるそうな。
【妖精界】は『精霊国』という国の１つしかない。ドーナツ型のど真ん中、湖に浮かぶ山全部が国らしい。屋久島みたいな感じ？
ここでは獣人とならぶファンタジー生物代表のエルフ、ドワーフ、小人にフェアリー、ホブゴブリンが生息しているそうな。んー、エルフは森、ドワーフは鉱山、フェアリーは花園とかって勝手に思ってたけど、確かに山には全部含まれるよな。ってまたゴブリンかよ！お前魔物じゃねぇの！？…どうやら前世では元々ホブゴブリンはこそこそ家の手伝いをする妖精だったらしい。
以上がこの世界の勢力図である。
