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第10話 ペットと初めての街

今日で毎日投稿は終了です。

これからもよろしくお願いします。

 お次は天の番だな。


―――――――――

天 男 72歳

種族:天狗茸 状態:寄生(舌切り雀)


パッシブスキル

気配察知

アクティブスキル

念話 毒舌 毒羽根 

上位スキル

天狗茸(毒生成 菌 寄生)

舌切り雀(歌唱 舞踏 穀物召喚 餓鬼召喚)

天狗(環境適応 飛行 分身 風雨 老化遅延)

―――――――――


 はい、というわけでね、天も70超えてます。差は5歳だから親子ってゆーか兄弟だよね、コレ。


 天は、当時人格の形成が充分じゃなかったことと、俺と共生して俺に生命を依存してたことにより、しばらくは教育を重視されていた。その結果、スキルは俺ほどじゃない。でも、十分強いし、デバフ要因だから問題ない。直接戦闘は、俺に、任せとけ~!(とある芸人風)


 で、皆さん驚いたであろう、寄生の二文字。うん、ヤバいね。天が飛べるようになった俺を見て、羨ましがってた時に現れた昔話シリーズ、舌切り雀。かなり厄介だった。どこからか取り出した(つづら)から餓鬼を召喚し、歌唱と舞踏でバフをかけ、攻撃をくらうと、これまた取り出した葛から穀物を生み出し回復する。俺も手伝いつつ、ようやく倒したその時、天が雀の舌から少しずつ体を菌に分解しながら入り込んだ。元々天の毒に冒されていたせいか、すんなり雀の体に馴染み、天は雀になった。見た目はちょんまげっぽいキノコの生えた紫色の雀。

 毒舌?あーこれは文字通り、毒の舌。舌から入り込んだからね。前の毒針みたいな感じだけど、たぶん飛ばすことの出来る毒羽根しか使わんだろーね。


 結果天は舌切り雀の能力を覚えて、バフとデバフ両方かけられるサモナーとなった。それから偉大なる飯綱使いである三郎先生に教えを請い、今の状態に。久しぶりに使おう、天、恐ろしい子!



「んー、ポイズンスネークか、丁度いいな。行ってこい、備中!」


 そいつはポイズンスネークに飛びかかり、持っている鋭利な刃物で首を切断した。


「よーし、よくやったぞ、備中。ご褒美だ。」


「備中も結構強くなってきたねー、パパ。」


「あぁ、この調子で行こう。」


 こいつは備中、新たな俺たちの仲間だ。


――――――――

備中 オス

種族:足軽鍬形(あしがるくわがた)


スキル

飛行 切断 堅牢

――――――――


 こいつは俺の生成する樹液につられて幹にとまってきた鍬形で、折伏によって仲間になった。


 そう!折伏とは、テイムスキルだったのだ!その意味は屈服。懐かせる、説得、物理的オハナシによってテイムすることが可能。備中の場合は懐かせて説得した。こいつは俺が防虫スキルを得た後に樹液を得ようとやって来たから、面白そうと仲間にした。スキルも中々、将来が楽しみだ。

 名前の由来は備中鍬。まー連想ゲームだよ。



 さて、今俺たちが向かっているのは、妖魔国の大名、空狐の久遠(くおん)様の治める領地、【魑魅魍領(ちみもうりょう)】だ。ここは読んで字の如く、数多の妖怪や魔物が集う地となっていて、とても栄えているらしい。俺たちはそこで身分証を手に入れるつもりだ。今の俺たちは信用も何もない状態だからな。どうにかしないと。



 俺は目の前の景色に圧倒されていた。ここが【魑魅魍領】の中心地、稲荷町。目の前の大通りには、提灯の明かりに照らされて見える、でっかい鳥居のアーチが架かっていて、夜だと言うのに入る前から人々の活気あふれる声が聞こえてくる。妖怪や魔物に昼夜など関係ない。

 一歩足を踏み入れるとそこには市が開催されており、馴染みあるものから見たこともないものまで多くの物が並んでおり、客を呼ぶ声があちらこちらから聞こえてくる。こりゃ凄い。ちらっと見える脇道には飲み屋が軒を連ね、楽しそうな笑い声や喧嘩でもしてるのか怒声が聞こえてくる。


「す、凄いね、パパ…。」


 天はこの光景にビビってるようだ。それも仕方ない。今まで天狗の里しか知らないんだから。まぁ俺も前世以来の大都会だ。天ほどじゃないけど、自然とほぇーって感嘆の声が出た。


「とりあえずハンターギルドに行こう。この市を抜けたら着くらしいからな。」


「分かった。」


 ハンターギルド、正式名称を「左近衛府(さこのえふ)直轄狩猟組合」という。戦争の末、妖魔国となって支配地が増えたことで、百鬼夜行軍が名を変えて出来た左近衛府の人手が足らなくなり、地域巡視の仕事を割り当てるために、元々魔帝国に存在したならず者の集まりである探索者ギルドを取り込んだことで成立した。

 仕事内容は主に人に害を及ぼす害獣、魔物、妖怪の駆除と地域の巡視、それと依頼の達成である。腕自慢や、貧乏で教養のない者が集まるが、国立機関なので、最低限の礼儀は皆持ち合わせているようだ。

 ここであれば、簡単な審査をパスすれば、身分証を手に入れられるはずだ。

 …それにしてもチラチラと周りの人に見られるんだが、一体何なんだ?



「ここがハンターギルドか。…へー、大体イメージしてた冒険者ギルドと似た感じだな。あっ、併設されてる酒場は座敷なんだな、なるほど。」


 向かって正面に受付があり、左に座敷の酒場、右に依頼の掲示板に階段がある。受付は左から、狐っ娘、ろくろ首、幽霊ちゃん、落武者、人間?。まさに美人さん、美人さん、美人さん、お1つ挟んで美人さんってかんじだな。さーて、どこに並ぶか。…ん?なんかろくろ首のお姉さんが首を伸ばしてこっちに向かって…


「これはこれは天狗のお兄さん!よくぞお越しくださいました。ささ、どうぞこちらへ。」


と右の階段に案内される。これは一体?何かめっちゃ注目されて居心地が悪い。疑問だらけだが、この空気が堪えられず、そそくさと階段へ。


 階段を上がった先は支部長室。…えー、ここ入るのー?やだー。



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