マイ、ギルドに到着する
第9話 マイ、ギルドに到着する
マイは、大きなギルドの扉を開けて中に入る。入口から、マイの目の高さほどのテーブルやいすがずらっと並び、昼間ではあるが既に酔っぱらっている人や、大きな声で喧嘩をしている人、寝ている人など様々な様子の冒険者たちがそこにいた。
マイは、投げ出された足などをひょいひょいっとよけながら、奥にあるカウンターに向かっていった。両側の壁には、掲示板がありたぶんクエスト情報などが載っているのであろうが、大きな冒険者などでごった返している。
「ん~。カウンター高くて届かないなぁ~・・・。」
カウンターまでようやくたどり着いたマイであったが、大人の高さに作られたカウンターでは、マイはお姉さんに気づいてもらえない。カウンターには4~5人の受付のお姉さんがいるのだが、そのすべてに冒険者の列もできており、少し怖くて近づけないでいた。
しばらく、うろうろとしていたら、受付のお姉さんの一人がマイに気づいてくれた。すぐにカウンターテーブルの左端に行き、ボタンを押すと、すーっとそこの部分だけが低くなった。
一瞬ざわっと、ギルド内がどよめいた感じがして「まさか、ギルド長がくるのか?」「誰かへましやがったのか?」「やばいよ~やばいよ~」など、様々な声が聞こえてきた。マイには訳が分からなかったが、何となくギルド長という人は怖い人なんだなということだけが分かった。
「どうぞ、こちらへ」
マイに対して、ギルド職員のお姉さんが手招きをしてくれる。周囲の冒険者たちは、「なんだ、子供が来たからか。」「びっくりさせんなよ。」「ギルド長かと思ってひやひやしたぜ。」など口々にこそこそと話をしているようであったがしばらくするとそれぞれの話題に戻っていっていた。
「さて、お嬢ちゃんは、何をしにギルドに来たのかな?」
ギルド職員のお姉さんが優しい声で聴いてくる。
「あ、はいっ!今日、神託を受けたんですけどその後、家に帰るつもりだったのですが、こちらで登録をするようにと言われてきたんです。」
マイは事情を説明した後、預かった手紙をお姉さんに手渡す。お姉さんは、手紙を読んだ後、少し慌てた様子でカードを提示するようにマイに言う。マイは素直にカードを提示する。さらにお姉さんは慌てた様子で、隣のお姉さんにカードを見せている。
「職業は・・・剣士・・・!?うそでしょっ!?
これは、私達では対処できないわっ!!
ちょっとまっててくださいねっ!」
お姉さんは、そう言うと奥の部屋に走っていった。