マイ、女神から神託を受ける
第5話 マイ、女神から神託を受ける
神官に促され、マイは、大きな水晶がたくさん並んでいる部屋に入る。水晶は、外からの光を受けキラキラと光っていてとてもきれいだった。マイは、その水晶のきれいさに見とれ無意識に触れようとして神官に咎められてしまった。
「ごめんなさい。あまりにもきれいで・・・。」
マイは神官に謝り、部屋の真ん中にポツンとある椅子に座る。神官は、これからの神託は一人で聞き、その内容は他者に示したいものを記載しそれ以外の項目は表示しないように設定ができる小さなカードをマイに手渡した後部屋から出ていってしまった。
「え・・・それだけ・・・?そして私一人で聞くの・・・?不安だよぉ・・・。」
マイは、てっきり神官が最後までついていてくれるものと思っていたため少し不安になる。しかし、刻龍とポルがいることを思い出し一緒にいても大丈夫だよね?と、こそっと二人?に話しかけた。刻龍もポルもうなづきマイに寄り添う。
《そろそろ良いかな?そなたの名前は、マイか。わらわの名は、女神セレーネ。おぬしに神の力を授ける。》
マイは、どこからともなく聞こえてきた声に驚きながらも話をじっと聞いていた。
《まずは、そなたの力を確認させてもらう。そう身構えなくともよい、ゆっくりとした気持ちでそこに座っているがよい。》
マイは、何か確認するなら立ったほうがいいのかな?と一瞬立ち上がろうとしたが女神から座っているようにと言われてしまった。
《ふむ、そなたは非常に強い力と魂の許容量も多いようだな。しかも、今気づいたが既に2体の使い魔も居るようじゃな。んん・・・?まさか・・・。刻龍王とポルガルシス・シャープ・ベルルガルト・ハーウィック3世ではないか!?なぜ、5歳でそんな・・・。なぜ5歳の女の子にその二人が・・・。》
女神は、そう言うと一瞬考えこんでしまったようでしばらくの沈黙が続いた。
「あのぉ・・・。女神さま?
女神セレーネさま?」
マイは、女神に話しかける。それでも、沈黙が続いたが、
《はっ!すまぬ、あまりの出来事に唖然としてしまっておったわ。その二人を使役していても、まだその魂の要領で済んでおるとは・・・。そなたは勇者などの次元すら超える存在になるやもしれんな。神の力は、存分に使うがよい。そなたの職業は、表向きは剣士としておこう。これでも、5歳での表示としてはあり得ないのじゃが、それ以下の表示がすでにできないのじゃから辛抱してもらえると嬉しい。》
女神は、そう言うとマイに、神の祝福を与える。マイの体の周りに、キラキラと光が集まり、マイの首にネックレスがかかり、丸いペンダントトップに龍と光を表す紋様が現れる。
《やはり、祝福ですら形になるか。普通は、形を成さないのだがな。その紋様は、【竜族を統べるもの】、【神の祝福を受けるもの】の二つの意味を成す。その紋様ですら驚愕なのだがな。》
マイは、首にかかったネックレスをうれしそうに眺めながら刻龍とポルにも見せる。刻龍はそれを見ながらうなづき、ポルは、自分の姿が刻印されていないことに不満そうであった。
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誤字報告もどしどし(笑)
作者のやる気にもなります。