マイ、父親にステータスカードを見せる
第12話 マイ、父親にステータスカードを見せる
マイを、抱きしめてなかなか離さず今にも泣きだしそうな父親を説得し、自宅に帰り着いたマイは自分の部屋に行き荷物の整理をしていた。いつもお世話になっている長老さんには名物の【ソーバー】という麺状のものをお土産に買っていた。
「後で、持っていこっと。」
父親へは、何がいいかわからなかったが畑仕事をするときの手袋がもう破れかかっていたのを思い出して新しい手袋を買ってきていた。
「お父さん。はい。お土産。」
マイが部屋に入ってから、こっそりとドアを開けて覗いていた父に土産を差し出す。
「おうっ。気配察知!?マイは、かなりな神託を受けたみたいだね。昨日までは、ばれなかったのに・・・。」
どうやらリュークは、娘が部屋に入って寝るまで、こっそりといつも覗いていたことをばらしてしまった。マイは、ジトっと父親を見ながら
「そうね。確かに昨日までは覗かれているなんって思いもしなかったわっ!」
リュークは、しまったと口をふさいだがもう遅い。あたふた、しどろもどろになりながら「心配だったんだよぉ~」と半べそをかきながら謝ってきたから、マイは笑いながら許したが、今後は絶対覗かないようにとくぎを刺した。
「マイ、ステータスカードを見せてもらってもいいかい?」
リュークに言われて、マイはリュックの中からステータスカードを父親に渡した。
「ん?剣士!?んんん?これは・・・。」
リュークはカードの剣士の部分に反応したがさらにカードの表や裏を幾度も見返しながら、
「マイ、このカードは女神の細工がしてないか?」
さすがは腐っても元勇者である、ステータスカードに干渉した女神の力を察知したようであった。
「お父さん分かるのっ!?女神様は、だれにも見破れないとおっしゃっていた気がするのに!お父さんすごーい!!」
マイに褒められたリュークはくすぐったいような笑顔を浮かべながらも、娘に尊敬されたことでかなり嬉しそうである。
「女神が干渉しているということは、この剣士Cは正確ではないな。せっかく隠しているのをはがす必要はないが・・・。マイは、このカードにもともと何が書かれていたか思い出せるかい?」
マイは、リュークにそう言われて、父親だし、まあいいかっ。と思いスキルカードのもともとの数値やスキルについて説明した。
父は、手袋をかなり気に入ってくれた様子で大事そうに両手で握りしめながら私の話を聞いてくれている。