初クエスト
「ねぇ!そうくん!こんなに沢山クエストがあるよ!」
「おー、簡単そうなのばっかだねー。チートスキル持ちには(ぼそっ)」
今、葬送達は冒険者ギルドに来ている。この世界に来て初めてのクエストを受けようとしているのだ。しかし、チートスキルを持っている二人にとってはどれも手応えの無さそうなものばかりであった。そんなんでがっかりしていた二人だったが、ついに葬送が、
「見つけた。」
あるひとつのクエストを見つけた。そのクエストとは
緊急依頼!
クロエルの町南方のトリミニア街道付近に異常種オーガー率いるオークとゴブリン(多種)の大群が発生。この群れは現在まで何処にも攻めることはせずトリミニア街道の上に住み着いている。そのため交通機関が麻痺している。なので、この群れをできるだけ駆除してほしい。
報酬 この作戦が成功した場合1パーティに600ニール
失敗した場合でも300ニール
という内容のクエストだった。葬送と彩夏にとってこのクエストは、ただ面白そう。というだけのものなのだが、実際他の冒険者やギルドからするとかなり危ないクエストなのである。そんなことおかまいなしの葬送達が受付に行くと、
「すみません、このクエスト受けたいんですけどいいですか?」
すると、受付にいた人は驚いて青ざめた顔をして急に泣きついてきた。
「あ、あなた方は!昨日のぼ、冒険者様たちですか!せ、せ、せ先日は大変申し訳ありませんでした。」
と、言って。昨日は葬送達を捕まえろと言って喧嘩を売っていたギルドの職員が手の平を返して誤ってきた。それは何故か。そう葬送が聞くと、
「本当にこちらの都合なのですが、昨日の騒動があったあと、その場にいた冒険者様達がこんなことをするギルドにはいられないと言っていなくなってしまったのです。そのため今日もギルドの方にはほとんど冒険者様がいなくて困っているのです。なので謝って許してもらうしかないのです。」
ということらしい。なんとも身勝手な話だ。自分たちが不利になったから誤って許してもらう。そんなこと許されるわけもない。なのに葬送は、
「わかりました。今回のことはなかったことにしてあげます。しかし、その代わりこのクエストを受けさせてください。
「え、それは。いや、何でもないです。分かりました。このクエストですね。八級冒険者にはとても危険なクエストですので気を付けていってらしゃいませ。ありがとうございます。」
そうして葬送達は、温かい目に見守られながら冒険者ギルドを去った。
そして、町を出て早速トリミニア街道に向かった。葬送や彩夏、二人とも武器を一切持っていないのに、そんな状態で大丈夫なのだろうか。まぁ葬送に関しては一応ミサイルでオーガーを貫くサイコパスなので大丈夫だとは思うが。
そんなこんなで葬送達はのんびりと歩きながら目的地に向かって行った。
???目線
りりあ、いつまで寝ているんだよ。