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怒りと許し


ゴーンゴーンゴーン


月は沈み朝日が昇り始めている。町の方からは朝を告げる鐘がなっている。時刻でいえば午前の9時頃である。

普通の健全な生活を送っている人ならもう起きていているはず、という時間だ。


~~~彩夏~~~


ゴーンゴーンゴーン


「あーれ、もう朝なの、、、?あー眠いもっと寝たいよー。あ、でもそうくんを起こしに行かなきゃ。起きてないだろうし、蹴らないと起きないとかほんと、どんだけ眠り深いのさ。というか、お風呂入りたいなー。」


昨日は近くにあるそこそこの宿舎に泊まった彩夏である。夕食はおいしく寝室も一人部屋などサービスは良かったのだが、風呂というものはなかったらしい。ほぼ毎日風呂に入る日本人にとってはかなり大きな問題であろう。だが、ここは日本でも地球でもない異世界なのだ。そこは、諦めるしかないだろう。

それにしても、葬送を起こしに行かなければと言っている彩夏。どれだけ優しいのだろうか。まぁ葬送がいなければ色々なことが出来なくて困るのだから仕方のないことなのだが。

だから、そそくさと着替え、荷物をまとめて宿を出た彩夏は足早に城壁の外に向けて歩いて行った。初めてのモンスター狩り、ギルドでのクエスト受注に胸を高鳴らせながら。



~~~葬送~~~


ゴーンゴーンゴーン


「。。。」


『。。。』


葬送とりりあ、二人とも起きる気配がない。朝に弱すぎだろう。というより大精霊であるりりあまで起きないというのはどうかと思う。



「おはよー二人とも。ほら、お!き!た!」


ゴン


「ん。彩夏か、おはよ。」


蹴られて起きた葬送。少しは彩夏を見習うべきだ。


「起きたね。早くギルド行くよ!初めてのモンスター狩りするよ!」


「ん?悪い。モンスターとの戦闘もうやった、それで勝ったオーガに。」


そう、確かに昨日の夜葬送はオーガーに襲われ撃退していたのだ。瞬殺だった。チートスキル創造の力により創られたミサイルによって。


「う、そ。そうくん、それ本気で言ってる?」


彩夏から少し殺気が漏れた。どうやら葬送が自分だけ先にモンスター狩りをしたことが許せないらしい。


「それで、なんで私にはモンスター狩り嫌だって言ったのに、勝手にモンスター倒してんの?」


「それは、襲ってきたから仕方ない。外で寝てるんだもん。」


言い訳をする葬送。襲ってきたからと言って正当化しているが、元はといえば金なし働こうとしない葬送が悪いのだ。そうして彩夏を悲しませる葬送、自分がダメ人間だと自覚するべきである。


「そっか、なら仕方ないね。よし!早くギルド行くよー。」


そんな葬送の言い訳で簡単に許してしまう彩夏。こっちもこっちで治すところがありそうだ。

そして、忘れられているりりあ。可哀想に。。。


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