冒険者登録する
「はぁ。そうくんやりすぎ。もう少し穏やかにしようよ。」
「だって仕方ないよ。圧倒的なステータスの差が見えちゃったんだからさ。あやかと違ってチートステータスじゃないんだもん。」
そう。葬送にも一応チートスキル、ステータス覗き見!
いや、メニューがあるのだ。その相手のステータスが分かるおかげで葬送は寄生を使わざるを得なかったのだ。
その古参冒険者のステータスはというと。
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名前 トラム
出身地 クロエム
性別 男
年齢 34
レベル 62→12
HP 2120→640
MP 196→23
攻撃力 204→52
防御力 197→35
瞬発力 124→12
持久力 26→7
スキル
身体強化LV.7→2 狩人LV.8→3 EXPupLV.MAX→2 掃除LV.8→1 予知LV.2→1 透視LV.MAX→1
称号
予言者 ○○の極み
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それなりにいいスキルの持ち主だった。4級冒険者のステータスをほとんど奪っていくなんて葬送は鬼である。可哀相なトラム。
『こんな奴は滅びればいいのです。』
りりあが暴言をはいた。ほんとうに口が悪い女だ。親の顔が見てみたいわ!
しかし、なぜこんなにもりりあはあの古参冒険者のことが嫌いなのか。
『このスキル。こいつ絶対変態!透視が最大レベルなんてそうそうないもの!』
りりあはそういうことは絶対許さない主義なのだ。…当たり前か。
(それにしても予知のスキルってかなりいいスキルなんじゃないか?)
『固有スキルですよ。似たようなものはありますが、予知というスキルはどこを探してもこれだけです。』
(まじか。奪わない方がよかったかな。というかそういうレアスキルって意外とみんな持ってるものなのか?)
『あんな奴にはもったいないくらいのスキルですから、奪っても大丈夫ですよ。偶然そうくんがそういう人に会っただけだよ。』
そんなことをしているうちに自分たちの周りからは誰もいなくなっていた。誰一人としてこっちを見るひとはいなかった。逆に不気味だ。
そのまま古参冒険者を放置してようやくあやかの冒険者登録の時がやってきた。
「すみませーん!冒険者登録したいんですけどいいですかー?」
「はーい、ではこの水晶に手をかざして魔力を流していただけますか?」
「もちろんです!」
そう言ってあやかははしゃぎながら水晶に手をかざした。すると、水晶からまぶしいほどの光が出て強い風邪が吹き始めた。そして「ピキッ」という音がしたのちにまぶしいかった光が消え風邪が止んだ。
「あなた!なにをしたんですか!ゴブリンが踏んでも壊れないのに…なんでそれが壊れるんですか!」
「そんなこと知らないわよ!私はただ言われた通りに魔力を流しただけだもの!」
(ちょっとまて!ゴブリンが踏んでも壊れないってどういうこと?例えがおかしくない?)
『そう様?ゴブリンは陸上のモンスターの中では最強種ですよ?』
((え?))
今のはきっとりりあが言い間違えたのだろう。ゴブリンが最強生物って。。。
(りりあちゃんそれほんと?)
『もちろんですとも。この私が嘘をつくわけがありません。』
ここだけに関してはあやかと考えが一緒だった。だっておかしいもんね!ゴブリンなんて雑魚モンスターでしょうが!しかも強いモンスターならオークとかほかにいくらでもいるでしょ。
(ちなみに一番弱いモンスターは?)
『スライムですよ?』
もう突っ込むこともない。ただゴブリンはとてつもなく強い。それだけを理解しておくことにした。
「すみません。この水晶がないと冒険者登録もギルドとしての仕事も出来ないのですが、どうしてくれますか?」
「え、もちろん弁償しますよ?これだけであれば足りますか?」
そう言うと、あやかはとどこから取り出したのか机の上に大きな山ができるほどの金貨を置いた。ギルドの職員は目を見開いて、口を大きく開けていた。開いた口が塞がらないようだ。
(あやか、これどうしたの?)
(なんかりりあちゃんが出してくれたよ)
『もちろんです!大精霊にできないことなどあるわけがありませんの。ちなみにそう様がいた世界の金額で言うと2億円くらいでしょうか。』
相変わらずりりあのキャラは分からない。…2億円!いやいやいくらなんでも高すぎだろ。
「なんで!こんな量の金貨があるんですか!…あぁなるほど。あなたたち盗賊かなにかですか?なるほど、みなさん!ここに盗賊がいます!なるべく生け捕りにしてくださいね。そうした人には一人20枚金貨を差し上げます!」
かなりまずいことになった葬送たち。なぜか盗賊呼ばわりまでされてしまった。そして冒険者は盗賊と金貨20枚という言葉に反応した。が、ここにいる冒険者はさっきの騒動を見ていたのか誰も捕まえに来ようとはしない。
「なにをしてるの!はやく捕まえなさいよ!」
「「「「「「「いくら積まれてもいやだ!」」」」」」」
そしてこのギルドの職員の心は真っ黒に染まっているようだ。金貨を返そうともせずさらに葬送たちからもっと金貨を奪おうとしていたらしい。
冒険者が襲ってこなかったのでゆっくりと歩いて冒険者ギルドから出た。そしてしばらく歩いていると、
「なんで一日に2回も冒険者ギルドから逃げなきゃ行けなくなるのさ。はぁ。」
「そんなどうでもいいことより、私の冒険者になる夢は!どうしちゃったのよー!」
(無理だな)
『諦めてください』
するとどこからかとてつもなく強い殺気を感じた葬送は、
「すみません調子に乗りました許してください。」
「よし、許してやる。葬送よ。」
「おい、あやか。」
逃げている身でここんな冗談を言えるのはやはり強者の余裕なのだろうか。いや、違う。ただ逃げてはいるがその二人を追いかける者がいないだけなのだ。
「これからどうする?」
今葬送たちは酒場に来ている。さっきは喫茶店でなぜ今回は酒場なのだろうか。酒場の中はまだ昼間だというのに酒とおっさんくさい。
「やっぱりモンスター倒しに行こうよ!」
「個人的にはのんびーり異世界生活を楽しみたいんだけど。」
「主人公のいうことには従う!」
「…はい」
こうして葬送たちは笑いあり危険ありの賑やかな旅に出ることになる。
???視点
結局葬送は二人のしりにしかれている。可哀相に
これからは週一で投稿できるようにします。