春の出会い
どうやら受付の女性に寄生したことは、他の冒険者達にばれていないようだ。
よかった。
とりあえず、できるだけ早くここを出よう。
もしかして防犯カメラみたいなやつあったりする…
『ないです。』
そうですよね。失礼だけどここそんなに文明発達してないですよねー。
『ですが、盗聴器や追跡器などのようなものはありますよ。』
ふーん。
え、、、なんでそんなやつがあるのに防犯カメラ作らないんだよ!治安絶対悪いだろ!あ、でも中世って物騒なイメージが…じゃない!
あと、盗聴器とか追跡器なんていうものがあるんだよ!文明はどうしたぁぁぁぁぁぁ!
そんなことをしているうちに、周りの風景が変わり豪華で大きな建物が増えてきた。
ここはどんなところなのだろうか。
(りりあ、教えてくれる?)
『もちろん!喜んで…ここは建物が豪華なので貴族街という感じですかね。』
(…お前、わからないのか?)
『そ、そんなことあるわけないじゃないですか!あははー』
これは絶対に分からないやつだ。そうか、貴族街か、確かに歩いてる人のほとんどは豪華な服を着ている。
いや、まてよ、豪華な服って、、、着物!
いやいや、そんなわけないよな。
ここ中世って感じだし建物も西洋風だし。
でもやっぱりどう見ても着物だ。
「どうかしましたか?」
よほどじろじろ着物を見ていたのか一人の女性が話しかけてきた。
「あ、いえ、その着物素敵だなと思いまして。」
その女性はクスリと笑って言った、
「あら、ありがとうございます。ちなみに…葬送さんこの後少しお茶でもしていきませんか?」
「いえいえ。是非!と言いたいところですが今私お金を持ち合わせていないので。すみません。」
そう、葬送はこの異世界に来たばかりで金は一円たりとも持っていないのだ。この世界のお金の単位が円かどうかは知らないが。
しかし、何故だろうこの女性と話しているとあいつを思い出す。幼馴染みの彩夏を。なつかしい感覚がするんだ、話し方も全然違うけれど。まだあいつと別れてから一日もたっていないが。葬送には今日一日が何日にも感じているのだ。
「とんでもない、こちらからお誘いしているのですから料金はもちろんこちらが持たさせていただきますよ。なので安心してください。」
断る理由もないのでこの女性についていくことにした。
少し貴族街から離れたところを歩いていると、ここにしましょうと言い、現代の喫茶店!みたいなところに案内された。やはりこの世界はなんか違うみたいだ。
「来ていただきありがとうございます。まぁまずは何か頼みましょう。葬送さんはなにがよろしいですか?」
「えぇ、紅茶とかあるりますか。ところで今更なのですがなぜ私の名前知ってるのですか?」
私といってしまっているのは、ただ葬送の中で貴族の気分を損なうと殺されたりするのではないかという先入観からである。
まったくひどいはなしである。
まぁ貴族だからこういう言い方をしているということもなくはないのだが。
「では、紅茶を2つください。そうですねその話をしましょうか。じゃあ話すね」
なんだろう、すごい違和感だ。話し方が…何故…
すると彼女はクスリと笑って
「あはは困った顔してる。やっぱり『そうくん』面白いね。変わらないなぁー」
え、え、え…どういうこと。俺のことを『そうくん』なんて呼ぶのは一人しか知らない。でもそいつは、、、
「もぅーわからないの?ぷんぷんだよ!」
あぁやっぱりそうだこいつは…
「彩夏か…?」
「あぁ!やっとわかったー。もぅー何年の付き合いだと思ってるのさー」
そう、彼女はあの僕の幼馴染みで僕の好きな人だったあの彩夏なのだ。あの数時間前に告白した…
「だって顔も違うし、話し方も違うだろー!」
「あ、そっか、忘れてた。じゃあこうしたらいいかな。」
そう言うと彩夏は下を向き、少しした後また前を向いた。なにをしたんだろうと思ったら、明らかにさっきまでとはちがった、そう、それこそ本当の彩夏がそこにいたのだ。顔も本当の彩夏になっている。
(どういうこと?)
『なら彼女のステータスをみたら?そうしたらわかるんじゃない』
(おい、お前話し方変わりすぎだろ。どう考えてもおかしいだろ。まぁいいや。ステータスをみるんだっけ)
「彩夏のステータスを表示」
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名前 長谷川 彩夏
出身地 プライバシー保護なのだ!
性別 女
年齢 18
レベル 1
HP 3000/3000
MP 300/300
攻撃力 800
防御力 1000
瞬発力 300
持久力 700
スキル
変化LV.MAX HP超上昇LV.MAX MP超上昇LV.MAX 全ステータスUPLV.MAX 偽装LV.MAX ??? ??? ??? ???
称号
招かれた転移者
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(おい、なんだこれ。。突っ込みどころが多すぎる!)
(そこじゃないでしょ!)
(なんでお前が主人公感めっちゃでてんだよ!)
(しるか!)
『はいはーい、そろそろやめてくださーい』
((いやだ!))
なんだろう。この3人意外といいトリオなのかもしれない。これから仲良くやっていけそうだ。ところでりりあの言い方が変わってることには誰も突っ込まないのだろうか。
「じゃあまずひとつ聞きたいんだけどいいかな。」
「いいよ。どんとこーい!」
「なんでお前が思いっきり主人公感出てんだよ!俺のステータスの称号見てみろよ!」
「ん?なになにーあ!!私そうくんを巻き込んじゃったんだ!ごめん!私が主人公だね!かわいそうなそうくん。よーしよし」
「殴られたいのかな?」
『レディーを殴るなんてなんていけない子なの』
「まぁ殴られたところで痛くも痒くもないんだけどねーステータスの差がありすぎて」
この3人ほんとに仲がいいようだ。
しかし、確かにほんとの主人公は彩夏かもしれない。
葬送の無双をするという夢は彩夏という主人公によっとまた壊された。元々壊れていたところをまた壊されたためもう再生不可能になってしまった。
葬送の心はいつ壊れてしまうのだろうか。
まぁ好きな人と会うことができて葬送は嬉しそうだったが。
????目線
これからは彩夏の物語に突入していくだろう。
頑張れ葬送!
誰目線だよ!
書くのが下手ですみません