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春の兆し

「なんだこれーー!!!」


 意味がわからなかった。なぜ自分が今ここにいるのか。そしてここはどこなのか。とりあえず冷静に…なれなかった。なれるわけがない。その頭で少し考えた。ここは地球ではないだろう、つまり言うなら異世界というやつだ。

 そして、自分がいま着ている服、さっきまで着ていた制服とは違ういかにも冒険者です、というような地味な服装だ。

 ということは、スマホも何もないつまりだ、俺は何故か異世界にきてしまったもうすぐ大学生の可哀想な人というわけだ。

 何?羨ましい?確かに異世界には来れて嬉しい。だがな!一世一代のスーパー恥ずかしい思いをして告白をしたのにそれがこの有り様だうれしいわけがないだろう。一世一代というのは言い過ぎかもしれないが…。

 まぁそれはいいとしてこれからどうしたらいいか今すぐにでも考えなければ。これが普通の異世界ファンタジーなのなら、どこかで主人公活躍の初イベントが起きるはずだ。

 例えば姫が俺を迎えに来てくれて「あなたのことをずっと待っていました。是非私と一緒に悪事を行う魔王を倒しましょう」などなど。


 10分、そして20分瞬く間に時間は過ぎて行く。


(なにも起きないじゃないかよー!やっぱそんなうまくはいかないのか?とりあえず動くしかないかな)

 こうして金無し知識無しそして変な文字も読めない夜月 葬送の異世界伝説の物語がはじまるのである。

 ここは異世界だ、だからまずは異世界の定番、冒険者ギルドとかを探すことにした。

 そして歩いていると冒険者みたいな人たちが大きな商館のような建物の中に入っていくのが見えた。僕もその建物の中に入ることにした。中には若い子供から中年くらいまでの様々な年代の人がいた。そこで近くにいたおじさんに聞いてみることにした。


「あの、すみません。この建物は何ですか?」


「なんだいあんちゃん。ここは冒険者ギルドだぜ。もしかして初めてか、新規の登録ならあそこの受付で出来るからな。」


「ありがとうございます」


 どうやらここは冒険者ギルドで合ってたらしい。

 冒険者ギルドでクエストを受注してお金を稼ぐという異世界でやりたいこと10のうちの1(いつ決めたんだよ!)を早速実行することができることになった。


「すみません。ギルド登録したいんですけど出来ますか?」


 と、受付の女性に恐る恐る聞いてみた。


「えぇ。ではまずこの水晶にに手をかざして魔力を流していただけますか」


(魔力?どうやって流すんだ)

 そうやってどうしたらよいのか悩んでいると、


『手に力を少し込めれば大丈夫ですよ』

 よほど困った顔をしていたのか親切にもどうしたらいいか教えてくれた。


「そうなんですか。ありがとうございます」


「え?あ、はい、どういたしまして」


 受付の女性は戸惑った様子で返事をした。なにか間違えただろうか。まぁいいかと、水晶にてをかざした。


「え、、、はい、もう大丈夫です。ありがとうございました。ところでこのあと少し時間空いていますか。」


「え、えぇまぁ。」


「では、奥にあるギルドマスターのいる部屋に来てください」


「わかりました」


 なぜだろう受付の人がさっきからこっちをずっと見ているような気がする。まさか、異世界から来たと知られて王城に行くことになって、世界を脅かす魔王を倒してくれということになるのだろうか。一人で無双の異世界ファンタジーの始まりだ!

 まぁそんな妄想うまくいくわけもないのだが。

 ギルドマスターのいる部屋に行きドアをノックする。


「どうぞ」


「失礼します。…すみません、どうかしましたか?」


 一人で無双の妄想にこころをウキウキさせながら丁寧に聞いてみた。するとギルドマスターから思いもしなかった事をいわれた。


「すまない、君に聞きたいことがあってね。突然ですまないが君は何処から来たのかな。日本何て国聞いたこともないが」


 ポロポロと音をたてて俺のハートは崩れた。ガラスのように脆い心なのだ。繊細な心の持ち主とでもいっておこうか。

 それにしてもどうしてなのだろう何故日本という言葉が出てきたのだろうかここは異世界だ。しかもギルドマスターもいっていた。日本何て国聞いたこともないと。では何故日本から来たと分かったのか考えいると、


「いや、急にこんなことを言ってしまってすまない。これを見てくれるか。」


 といって見せられたのは空中に浮いたデジタル画面だった。

 時代背景は中世なのに空中に浮いたデジタル画面とかもっと未来だろ!時代違いすぎるだろ!

 と、つい突っ込みたくなってしまった。とりあえず見ると俺のステータスらしきものががのっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  夜月 葬送

 出身地 日本東京都矢王士市○○町○-○○

 性別  男

 年齢  18


 レベル 1(-10000)

 HP   30/30

 MP   2/3

 攻撃力 2

 防御力 1

 瞬発力 2

 持久力 4


 スキル(本人のみ閲覧可能)

 裁縫LV.1 料理LV.1 HP小上昇LV.1 MP小回復LV.1 恥さらしLV.MAX リトライLV.1 寄生LV.1 創造LV.1 EXP貯蓄LV.MAX ??? ??? ???


 称号

 天に愛されし者 世界の嫌われ者 招かれざる転移者 世界を作り替えし者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 出身は家の住所じゃないだろ書くなよ!など突っ込みどころがたくさんありどうしようか、そうなやんでいるとどこからか急に天使のような可愛らしい声が聞こえてきた。


『では最初から説明させていただきますね。最初の方は省略して大丈夫でしょう。なのでまずレベルの説明からいきます。-10000というのはこの世界から与えられたハンデみたいなものです。あとステータス全体が低いのは-10000によるバッドステータスと思ってください。次にスキルの説明をします。そうですね、リトライはいつに戻りたいと思うか死ぬことで発動できるスキルです。便利な分全体の経験値の5%を失います。

 寄生はそのままです。相手から経験値などを奪った場合は1/20になってしまうので気を付けてくださいね。ですが正直気持ちわるいです、使うなら魔物とかにしてください。人間に使うと私があなたを殺しますからね。

 創造は最大MPの三分の一を使うことで自分の意識したものを作り出すことができるスキルです。

 EXP貯蓄は経験値を自由に配分することができるスキルです。ちなみに経験値は自分よりステータスが高い者を倒すとより多くの経験値が手に入りますよ。

 称号についてはまだお話しすることができません。』


(ありがたい、でも世界からのハンデってどういうこと?…え、誰!)


『葬送様は、転移されました、ハンデはその代償といったほうが良いでしょうか。申し遅れました。私は精霊最高位にたつ大精霊、神よりあなたを見守るようにと使われてまいりました。とりあえずステータスをお見せしましょう』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  未設定

 出身地 ライズ王国

 性別  女

 年齢  17


 レベル ?

 HP   ?

 MP   ?

 攻撃力 ?

 防御力 ?

 瞬発力 ?

 持久力 ?


 スキル

 ??? ??? ??? ??? ??? ??? ??? ???


 称号

 大精霊 神より使われし者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 お、おぉありがとう。

 なんでステータスとか「?」ばっかなんだ?


『それは、まだ肉体を得ていないからです。精霊は誰かに仕えることによりに肉体を得ることができるのです。私は今、葬送様に仕えておりますが、バッドステータスの影響により肉体をまだ授かることができていません。あと大変失礼なことなのですが名前をつけていただけないでしょか。』


(あぁ、いいよわかった。んーじゃあ、りりあでいいか?俺の推しの名前だ。)


『葬送様からのお名前…。はい!今このときをから私はりりあと名乗らせていただきます。ありがとうございます!』


≪新たなスキル、メニューが解放されました。≫

 メニューというスキルが開花したらしい。これはどんなスキルなんだろう。大体の予想はできるが


『このスキルは葬送様の世界で言えばゲームのメニュー画面みたいなものですね。これはマップや相手のステータスを覗くことができます。ちなみに…寄生とかに使うと…便利ですね。』


 あれだけ嫌ってた寄生をこういう使い方をすると便利だというのは、どういう意図からなのだろうか。


(あぁ、わかった。わざわざ説明してくれてありがとな。というかなんでゲーム仕様なんだよ。まぁいいや)


「ねぇ、そろそろいいかな。」


 誰だろう、折角いい感じに話してたのに。


「いいかな?それで、そのステータスに日本とあるだろう。それでだ、王都に行って少し話をしに行ってもらえないかな。すまないけど、怪しい者を国にいさせるわけにはいかないからね」


 あぁギルドマスターか、完全に忘れてたな。さーせんギルドマスター。あ、なんかヤバイ感じの話になってる?


『このままだと確実に葬送様は王都で尋問を受けますね。仕方ない、今回だけは特別ですよ!葬送様、ギルドマスターと受付の女性…に寄生して葬送様に関する記憶を消してください。あとついでにステータスも死なない程度に奪っちゃってください♪』


(おぃなんでお前はそんな乗り気なんだよ。まぁいいや…どうしたらいいんだ?)


『ギルドマスターに寄生、というとできますよ』


「ギルドマスターに寄生」


 そう言うや否や自分がスライム状になっていきギルドマスターの体の中に入っていった。とりあえず記憶を奪おうと思ったら急にスライム状の体がギルドマスターの体を動く感覚がするのがわかった。変な気分だ


「僕に関する記憶をひとつ残らず消す」


 するとなんか体が軽くなったような気がした。次はステータスを奪うんだったな。

 いや、ステータスの差が経験値を集めた方が効率がいいかもしれない。と思いギルドマスターのレベルとスキルの経験値だけ根こそぎ貰うことにした。なのでもちろんギルドマスターのレベルは1になる。ちなみに元々のギルドマスターのステータスと比べてみるとこうだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  サモン

 出身地 イルガ王国

 性別  男

 年齢  37


 レベル 82→1

 HP   4230→340

 MP   230→32

 攻撃力 279→32

 防御力 500→47

 瞬発力 209→14

 持久力 50→9


 スキル

 幸運LV.7→1 攻撃力大上昇LV.9→1 HP大上昇LV.9→1 武具強化LV.6→1 狩人LV.MAX→1 暗殺者LV.MAX

 称号

 ギルドマスター 1級冒険者 王族殺し


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ということでバッドステータスをもった自分よりは強いがとてつもなく弱くなってしまった。意外といいスキル持ちだったな。きっと幸運のおかげだろう。

 というより称号が怖い、なにをやっているんだこの人は。王族殺しとか絶対犯罪者だろ。とりあえずステータス奪っといてよかった。


「ギルドマスターから撤退」


 すると、なんか体から力が抜けていくような気がした。そうしてギルドマスターの体から出てスライム状から人の形に戻っていった。便利なスキルだな。寄生している間ギルドマスターは何が起こったか分からないようだったし。


「お前!なんなんだ!悪いが今からお前を拘束する!」


 おぉ、ギルドマスターともあろうひとが取り乱してる。しかし、面倒だ。どうしようかな。


『創造を使ってなにかできませんか?』


(んーそうだな、殺したくはないしな。あ、そうだ。)


「創造。閃光弾!」


 そう名前を呼ぶと手の中に閃光弾が握られていた。なので閃光弾をギルドマスターに投げた。投げた閃光弾は上手く発動しギルドマスターは明るさに怯んだ。その隙に逃げて受付にいくと、


「え、なんで、ギルマスが捕まえたんじゃ」


 受付の女性はひどく動揺して逃げようとしていた。どうやら初めから俺のことを捕まえるつもりだったようだ。そんな人には情けなどかけなくてもいい。もともと情けをかけるつもりなどなかったが、


「こいつに寄生」


 役職もそんな大したことないし、この性格だ。なのでもうこいつ呼ばわりでいいだろう。女性に寄生というのは置いといて…さっきので慣れたため今度はすぐに終わらせた。ステータスも大したことなかったしどうでもいい。とりあえずできるだけはやくここを出なければ。

 ところで冒険者ギルドへの登録はできたのだろうか。登録されてないと、またこんなことをしなければならなくなってかなり不便なのだが。

 今回経験値は7060奪えた。もともと1/20になってしまうのにこれだけとれたのはどれだけギルドマスターが凄かったかを知ることができる。まぁ今はただの人、いや、それよりも下なのだが。


 今の葬送のステータス

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 名前  夜月 葬送

 出身地 日本東京都矢王士市○○町○-○○

 性別  男

 年齢  18


 レベル 1(-10000)

 HP   30/30

 MP   2/3

 攻撃力 2

 防御力 1

 瞬発力 2

 持久力 4


 スキル

 裁縫LV.1 料理LV.1 HP小上昇LV.1 MP小回復LV.1 恥さらしLV.MAX リトライLV.1 寄生LV.1 創造LV.1 EXP貯蓄LV.MAX ??? ??? ???


 称号

 天に愛されし者 世界の嫌われ者 招かれざる転生者 世界を作り替えし者


 経験値貯蓄量 7060

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

プレイヤーのレベル上げに必要な経験値は

1レベルから2レベルに上げるためには150必要になる。2レベルから3レベルに上げるためには400必要になる。このようにレベルを上げるために必要な経験値はかなり適当である。

葬送のレベルの-10000を無くすためには経験値を10,500,000必要とします。

スキルに関してはすきるによって上がりかたは異なります。

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